リジュランヒーラー・アイ・HBの違いを一覧で確認、成分とPN濃度でどう選ぶか
By Dr. Lee1 min read

リジュランを調べ始めると、ただの「リジュラン」だと思っていたのに、ヒーラー、アイ、HBと後ろに違う名前がついていて混乱しがちです。目元専用とも聞けば、水分を補うとも言われて、自分はどれを受ければいいのか迷われる方も多いでしょう。
先にポイントをお伝えすると、リジュランは1つの製品ではなく、サーモンDNA由来のPNという共通成分で作られた注射シリーズの名前です。再生を担うPNは3種類とも同じで、部位と目的に合わせて用量と粘度を変えたり、ヒアルロン酸を加えたりしてラインが分かれています。以下では種類ごとの成分と用量の違いを表で整理し、embossingで生まれるふっくら感やダウンタイムなど、実際に受ける前に気になる点もひとつずつ解説します。

リジュランは1つの製品ではない
リジュランは韓国PharmaResearchが開発した注射剤のブランド名です。主成分は鮭や鱒の精子細胞から抽出したDNA断片で、リジュランに含まれるのは正確にはPN、つまりポリヌクレオチドと呼ばれる長鎖型の成分です。よくPDRNとまとめて呼ばれますが、PDRNはより短い断片で、PNはより長い鎖という違いがあります。
このPNが肌の中で担う役割は2つです。ひとつは真皮で水分を取り込み、構造の足場として定着すること。もうひとつは肌細胞を活性化してコラーゲンを産生させ、微小血管の新生を助けることです。フィラーのように凹みをすぐに埋めるのではなく、数週間かけて肌自身が弾力を取り戻すよう働く施術です。効果がゆっくり現れる分、自分の肌が本来の力を取り戻す方向なので、1回より3〜4週間隔で数回に分けて受けるケースが多くなります。リジュランの全ラインがこのPNを共通成分として使っています。ただし、どこに使うか、どれだけ濃く入れるか、何を加えるかによって、ヒーラー、アイ、HB、そして瘢痕向けのSのように種類が分かれています。名前が複雑に感じられても、同じ成分を部位と目的に合わせてアレンジしたシリーズだと考えると整理しやすいでしょう。種類が多いのは成分が違うからではなく、部位と目的が異なるからです。

種類によって何が違うのか
よく比較される3製品を表で整理すると次のとおりです。
| 項目 | リジュランヒーラー | リジュランアイ (i) | リジュランHB |
|---|---|---|---|
| 製造元 | PharmaResearch | PharmaResearch | PharmaResearch |
| 主成分 | PN(ポリヌクレオチド)単独 | PN(ポリヌクレオチド)単独 | PN + ヒアルロン酸(HA)+ lidocaine |
| PN濃度 | もっとも高い(約2%) | 低め(約1%) | ヒーラーより低め(HAで補完) |
| 製剤粘度 | 標準 | 目元向けに粘度を下げた設計 | HAを加えて水分を補強 |
| 主な使用部位 | 顔全体 | 目元、目の下 | 顔全体 |
| 狙う効果 | 肌のキメと弾力の再生 | 薄い目元の小じわ、暗いトーン | 再生に即効性の水分ツヤをプラス |
| 施術時の痛み | 麻酔クリームが必要 | 麻酔クリームが必要 | lidocaine配合でやや痛みが少ない |
| ふっくら感(embossing) | 施術直後に丘疹、1〜2日で落ち着く | 目元のため少し目立ちやすい | HAでふっくら感がやや長く続く |
表からわかるように、3製品は競合ではなく同じシリーズです。再生の核となるPNは共通で、アイは薄く敏感な目元に合わせて量を減らし粘度を下げたもの、HBはそこにヒアルロン酸を加えて水分とツヤも同時に狙ったものです。どれかが絶対的によいというわけではなく、自分の悩みがどこにあるかで選ぶのが正解です。顔全体のキメと弾力なら、ヒーラー。目の下が薄くなってきて小じわや暗いトーンが気になるならアイ。再生に加えてとにかく乾燥やくすみを即座に改善したいならHBという流れです。

成分の違い、PNとヒアルロン酸
成分を分けるポイントは2つです。ひとつはPNをどれだけ濃く入れるか、もうひとつはヒアルロン酸(HA)を加えるかどうかです。まずPN濃度を見ると、ヒーラーが約2%でもっとも濃く、アイは約1%に下げて粘度も落とし、薄い目元にやわらかくなじむよう設計されています。HBはヒーラーよりPNを下げる代わりにHAを加えています。つまりヒーラーとアイはPNのみで再生に専念し、HBは再生と水分を分担する形です。正確なPN含量はメーカーが数値を公開していないため資料によって多少異なります。絶対値にこだわるより、ヒーラーが最も濃く、アイとHBがそれより低いという順番で理解するのが正確です。HAは水分を蓄える成分なので、HBはPNがゆっくり再生を引き出す間、即効性の水分感とツヤも同時に与えます。さらにHBにはlidocaineも配合されているため、施術時の痛みが少し軽減されます。
わかりやすく例えるなら、PNが時間をかけて肌の土台を再構築する職人だとすれば、HBに含まれるHAはその間に肌に水分を補給する保湿材の役割を添えているイメージです。そのためHBは施術直後からしっとりして明るく見える感覚がヒーラーより早く来ます。ただし、ここで正直に確認しておきたい点があります。HBのHAは凹みを埋めるフィラー用ではなく水分補助が目的なので、ボリューム効果は期待できません。また、種類ごとの再生効果がどれだけ違うかを人対象で直接比較した臨床試験はほとんどありません。同じPN系列から生まれた以上、再生の大きな枠組みは共通と考えつつ、数値で順位をつけるのはまだ難しいと理解しておくのが正確です。

embossingとダウンタイムはどうなのか
リジュランを受けるときにもっとも多い質問が、施術直後のふっくら感です。リジュランは通常embossingと呼ばれる方法で注入します。皮膚の浅い層に薬剤を小さな液滴として細かく打ち込む注入法です。英語ではembossingといい、この方法で入れると注射箇所ごとに小さな丘疹、つまりぼこぼこした盛り上がりが残ります。
このふっくら感は副作用ではなく、薬剤が定着する正常な過程で、通常1〜2日で落ち着いて平らになります。ただしHBはHAが水分を保持するため、ふっくら感が少し長く残ることもあります。内出血は誰にでも起こりうるのですが、特に目元に注入するアイは皮膚が薄く血管が多いため、内出血が出やすい傾向があります。大事な予定がある場合は少なくとも1週間程度の余裕を持って受けることをおすすめします。施術自体は通常、細い針で顔の各部位に数十から百カ所程度に分けて注入し、チクチクとした痛みがあるため麻酔クリームを塗って進めるのが一般的です。HBはlidocaineが配合されているため、同じembossingでも痛みが少し和らぎます。痛みが心配な場合は事前に相談しておくとよいでしょう。施術後はその日のサウナや激しい運動、飲酒は避け、保湿と紫外線ケアを心がけると回復を助けます。丘疹が残っている間は厚いメイクで隠すより、そのままにしておく方が刺激が少なくすみます。

誰がどれを受けるとよいのか
まとめると次のとおりです。顔全体の肌のキメが荒れて弾力が落ちているなら、もっとも基本のヒーラーが合います。目の下が薄くなって小じわや暗いトーンが気になるなら、その部位に合わせて設計されたアイが向いています。再生も求めているが何より肌が乾燥してツヤがなく、即効の水分感と輝きが欲しいならHBが適しています。
2つの悩みが重なる場合は部位を分けて同時に受けることもあります。顔全体はヒーラーで、目元はアイに分けて同じ日に施術するやり方です。ただし欲張って一度に多くの種類を受けるより、自分の肌状態に合わせて決める方が安全です。もうひとつ正直にお伝えすると、種類ごとの効果を直接比較した臨床試験はほとんどないのが現状です。どれかが他より明らかに優れているとは言いにくく、同じPN系列の中で部位と目的に合わせて選ぶのが合理的な判断です。原料がサーモンである以上、魚類アレルギーがある方は必ず事前に伝えてください。妊娠中や授乳中の方、施術部位に炎症や感染がある方は避けた方がよいでしょう。結局、種類の名前にこだわるより、自分の悩みが弾力なのか目元なのか水分なのかを先に絞り込み、部位と用量を担当医と確認しながら決めることが、最善の選択につながります。
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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
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