ベロテロフィラーの効果と種類, Soft, Balance, Intense, Volumeの違いと目の下への使用は本当に大丈夫なのか
By Dr. Kim1 min read

フィラーを調べているとベロテロという名前によく出会います。後ろにSoftやBalance、Intense、Volumeといった名前がそれぞれ違うため、どれを選べばいいのか迷いやすいでしょう。さらに目の下にも使えると聞いて、本当に大丈夫なのか気になっている方も多いはずです。
結論から言うと、ベロテロは1つの製品ではなく、ヒアルロン酸で作られたフィラーシリーズの名称です。最大の特徴はCPMという技術でジェルを作り、皮膚になめらかに溶け込むようにしている点で、それによって薄い目の下のようなデリケートな部位にも比較的自然に使えます。以下では種類ごとの違いを表で整理し、CPMが何なのか、施術の流れと持続期間、副作用はどうかをひとつずつ分かりやすくお伝えします。

ベロテロとはどんなフィラーなのか
ベロテロはドイツのMerzが開発したヒアルロン酸フィラーです。ヒアルロン酸は英語略称でHAとも呼ばれ、もともと私たちの皮膚の中にある成分で、水分を抱え込んで肌をふっくらとうるおいのある状態に保ちます。年齢とともにこのHAが減ると肌が凹んでシワが生まれますが、ベロテロはこのHAをジェル状に加工して凹んだ部分に注入し、即座にボリュームを補う施術です。そのため効果が施術当日にすぐ現れるという点が、コラーゲンをゆっくり刺激する施術とは異なります。
ここまでは他のHAフィラーと似ていますが、ベロテロの本当の特徴はジェルを作る方式にあります。純粋なHAは体内ですぐに分解されてしまうため、長く持続させるために分子鎖を互いに結びつけます。これを架橋と呼びます。通常のフィラーはHAの鎖を均一に架橋しますが、ベロテロはCPMという技術を使って、密な部分と粗な部分が1つのジェルの中に混在するように架橋します。平たく言えば、密度の異なる部分が共存するジェルという意味です。こうすることでジェルが1つの塊としてまとまらず、周囲の皮膚組織に水がしみ込むようになじんで落ち着きます。触ったときに塊感が出にくく境界がなめらかという点が、ベロテロが強みとして挙げる特徴です。もうひとつ覚えておきたい点は、ベロテロもHAフィラーなので、気に入らなかったり問題が生じたりした場合はhyaluronidase(ヒアルロン酸を分解する酵素)という薬剤を注射して溶かして元に戻せるということです。この可逆性こそがHAフィラー最大の安全装置です。コラーゲンを新たに生成させるSculptraやRadiesseとは異なり、ベロテロはその場でボリュームを即時に補う方式という点も覚えておくと役立ちます。

種類がなぜこんなに多いのか
ベロテロに種類が多い理由は、部位によって必要な性質が異なるためです。浅い細かいシワには軟らかく薄いジェルが、深いシワやボリューム補填には硬く濃いジェルが向いています。そのため同じベロテロでも硬さと濃度を変えた複数の製品に分かれています。
よく使われる4種類を表で整理するとこうなります。
| 項目 | Soft | Balance | Intense | Volume |
|---|---|---|---|---|
| HA濃度 | 20mg/mL | 22.5mg/mL | 25.5mg/mL | 26mg/mL |
| 硬さ | 最もやわらかい | 中間 | 硬い | 最も硬い |
| 注入深度 | 浅い真皮 | 中間真皮 | 深い真皮 | 深部、骨の上 |
| 主な使用部位 | 浅い細かいシワ、目尻 | ほうれい線、目の下 | 深いシワ、唇 | 頬、頬骨のボリューム |
表を見ると分かるように、SoftからVolumeに向かうにつれて濃度が高くなり硬くなります。最もやわらかいSoftは目尻の細かいシワのような浅く繊細な部位に、中間のBalanceはほうれい線と目の下に、硬いIntenseは深いシワと唇に、最も硬いVolumeは凹んだ頬と頬骨のボリュームを補うのに使います。整理すると、やわらかいほど浅く繊細な表現用、硬いほど深く重さを支えるボリューム用と考えると分かりやすいです。
もう少し知っておくと便利なことがあります。ベロテロには施術の痛みを和らげる麻酔成分リドカインを混ぜた剤型が別にあり、通常は製品名の後ろにリドカインまたはプラスの表示がつきます。痛みに敏感な方は事前に確認しておくとよいでしょう。またMerzはこのほか、水分中心で肌質を整えるHydroやReviveといったスキンブースター剤型も別に展開しており、これらは凹んだ部分を埋めるフィラーというよりも肌全体の水分と質感を整える製品なので、少しカテゴリーが異なります。同じベロテロでも、自分の悩みがシワを埋めることなのか、ボリュームなのか、全体的な肌質なのかによって選ぶ製品が変わります。部位に合わない製品を使うと不自然になるため、自分の状態に合った製品を選ぶ医師の判断が重要です。

CPM技術が目の下に強みがある理由
ベロテロが特によく話題に上がる部位が目の下です。目の下は皮膚が薄くデリケートなため、フィラーを使うのが最も難しい部位で、うまく入れないとフィラーが透けて青みがかって見えるTyndall現象が起きたり、凸凹が透けて見えやすくなります。一度こうなると化粧でも隠しにくく、かえって気になってしまいます。
ベロテロがこの部位によく使われる理由がまさにCPM技術です。ジェルが1つの塊としてまとまらず組織になじんで落ち着くため、薄い目の下でも境界がなめらかで透けにくい傾向があります。実際にBalanceはアメリカで目の下の凹みを補うための用途として正式に承認を受けており、この難しい部位に正式承認を受けたHAフィラーが多くはないという点で意味があります。ただし率直に伝えておきたいことがあります。CPMだから目の下に比較的有利というだけで、どのフィラーでも目の下はそもそも難しい部位なので、施術者の経験が結果を大きく左右します。量がほんの少し多くなっても腫れたり固まったりすることがあり、目の下は一度問題が起きると目立ちやすいです。また目の下が凹んでいる原因がフィラーで補える問題なのか、それとも脂肪の再配置や別の方法が合っているのかを先に見極めることが大切です。目の下の脂肪が突出して影ができているケースでは、フィラーで補うことでかえってより腫れて見えることもあります。そのため目の下であれば特に、少量を正確に入れられる熟練した医師に任せることが重要です。幸いHAフィラーなので問題が起きても溶かして元に戻せるという点が安心材料です。

効果は自然に仕上がるのか
効果そのものは明らかです。注入したその日にすぐ凹んだ部分が補われシワが伸び、腫れが引く1~2週間後に最終的な仕上がりが落ち着きます。何かを塗り足したような印象ではなく、もともとそうだったように見えるのが上手くいったフィラーですが、ベロテロはCPMのなめらかななじみによって境界が出にくい点が自然さの助けになります。
ただし自然さは結局、量と技術次第です。欲張って一度にたくさん入れると膨らんで不自然になるため、適量を入れて足りなければ後から補充するほうが自然に仕上がります。一度たくさん入れたものを自然に減らすのは難しいため、最初は少なめに入れるほうが安全です。部位に合った製品を選ぶことも重要で、唇のような薄くよく動く部位にVolume用の硬い製品を入れると固まって不自然になり、逆に深く凹んだ頬にやわらかい製品を入れるとすぐに沈んで効果が弱くなります。そのため同じベロテロでも、どの製品をどこに使うかが結果を大きく左右します。もうひとつ、フィラーはその場所を埋める施術であり、たるんだ皮膚を引き上げる施術ではありません。大きくたるんだ輪郭をフィラーだけで持ち上げようとするとボリュームが増えるだけでかえって重たく見えることがあるため、たるみが悩みならリフティングなど別の方法と組み合わせて考えるほうが自然です。

施術の流れとどれくらい持続するのか
施術は通常短時間で終わります。麻酔クリームを塗るかリドカイン入りの製品を使って痛みを和らげた後、細い針またはcannula(カニューレ)と呼ばれる先端が丸い管でフィラーを注入します。針は精密に入れやすく、cannulaは1か所から入って複数の方向に注入できるため、内出血や血管損傷のリスクを減らすのに役立ちます。目の下のように血管が多くデリケートな部位にはcannulaを選ぶことが多いです。施術自体は部位によって10分から20分程度で終わり、終わった後すぐに日常に戻れます。
ダウンタイムは軽めです。施術直後に赤みが出たり少し腫れたり内出血が起きることがありますが、多くは数日から1~2週間以内に落ち着きます。内出血が心配な場合は、大切な予定の少なくとも1週間前には余裕を持たせておくとよいでしょう。持続期間は上のグラフのように製品と部位によって異なります。最もやわらかいSoftは約6か月から9か月、Balanceは6か月から12か月、硬いIntenseは9か月から12か月、Volume用は12か月から18か月程度が一般的です。ただしこの数字は平均に近いという点を覚えておいてください。唇や目尻のようによく動く部位は頬骨よりフィラーが早く消え、代謝が速い方も早く吸収されます。そのため1回受ければ終わりではなく、効果が薄れてきた頃にまた受けてメンテナンスを続ける施術であり、費用を見積もる際も1回きりではなく繰り返すケアとして計算しておくのが現実的です。

副作用と受けるのに向いている人について
副作用は多くが軽度です。注射部位が腫れたり内出血が起きたり、数日間硬く感じたりすることがありますが、通常1~2週間以内に落ち着きます。ときに注射した部分に小さなしこりが触れることがありますが、多くは時間が経てば解消されるか、マッサージで整います。まれに施術から数週間から数か月後に遅発性の結節が生じるケースがあり、風邪や施術のような免疫刺激の後に現れることもありますが、多くは治療で落ち着きます。ただし必ず知っておくべき重篤な副作用が別にあります。フィラーが誤って血管内に入り血管を塞いでしまうケースで、そうなると皮膚壊死や、ごくまれに失明に至る可能性があります。特に眉間と鼻、目の下のような部位は危険な血管が走っているため、より慎重な扱いが必要です。ただしベロテロはHAフィラーなので問題が生じればhyaluronidase(ヒアルロン酸を分解する酵素)で溶かして元に戻せることが、他のフィラーより安全とされる理由です。
そのため2つのことが重要です。1つ目は血管解剖を熟知した経験豊富な医師に受けること、2つ目は問題が生じた際にすぐ溶かせるhyaluronidaseを備えたクリニックで受けることです。受けないほうがよいケースもあります。妊娠中または授乳中の方、ヒアルロン酸に過敏反応があった方、施術部位に炎症や感染がある方は避けてください。自己免疫疾患がある方や治りにくい結節の既往がある方も事前に相談しておくとよいでしょう。まとめると、ベロテロはCPM技術でなめらかになじみ、浅い細かいシワから深いボリューム、難しい目の下まで部位に合った製品を選べるHAフィラーです。一度で劇的な変化を狙うより適量で自然に、経験豊富な医師に部位と製品を合わせて受けるとき、最も安全で満足度の高い結果が得られます。
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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
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