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梅干しジワのボトックスで凹凸したあご先をなめらかにする仕組みと持続期間、副作用まで

By Dr. Kim1 min read

鏡を見たときに、あご先の皮膚がでこぼこして見えたり、オレンジの皮のように細かいしわが寄ったりすることがあります。梅干しジワと呼ばれるこの状態は、表情を作るときに特に目立つため、気になる方が多いものです。こうした悩みに比較的シンプルにアプローチできるのが、梅干しジワのボトックスです。あご先には、下唇を上に押し上げる小さな筋肉、オトガイ筋があります。この筋肉が習慣的に強く働くと、その上の皮膚が寄り集まって梅干しのようにでこぼこして見えるのです。ボトックスでこの筋肉の力を少し緩めてあげると、皮膚は再びなめらかに伸びます。ただし、あご先がでこぼこして見える理由は筋肉だけとは限らず、あご後退や受け口のような骨格の問題であれば、アプローチは変わってきます。梅干しジワがなぜできるのか、ボトックスがどんな仕組みで伸ばしてくれるのか、どこにどれくらい打ち、効果はどのくらい続くのか、副作用や注意点まで実際の根拠をもとに整理しました。

項目ポイント
仕組みオトガイ筋を緩めて皮膚が伸びる
用量総4~10U、あご先1~2ヶ所
効果が出る時期1~4日で始まり、1~2週間でピーク
持続3~4ヶ月
注意点下唇の下垂、発音、用量過多

あご先で下唇を上に押し上げるオトガイ筋が、下あごの骨から扇状に付着している解剖イラスト。この筋肉が強く収縮すると、その上の皮膚が寄り集まって梅干しのようにでこぼこして見える

梅干しジワはなぜでこぼこして見えるのか

あご先の中央には、左右対になった小さな筋肉があります。これがオトガイ筋で、下あごの骨の前面から始まり、あご先の皮膚に向かって扇状に広がって付着しています。もともとこの筋肉は、下唇を上に押し上げたり、唇を尖らせる表情を作ったりするときに使われます。

ただ、この筋肉を習慣的によく使ったり、生まれつき力が強かったりすると問題が起こります。筋肉が強く収縮するたびに、その上に薄く付いている皮膚が内側に引っ張られて寄り集まるからです。すると、あご先の表面が小石を敷き詰めたように、あるいはオレンジの皮のようにでこぼこして見えます。これがいわゆる梅干しジワです。皮膚のしわが梅干しの表面のように見えることから、そう呼ばれています。

こうした梅干しジワは、じっとしているときよりも、話したり口をすぼめたりするときに目立つのが特徴です。筋肉が動いたときにできるしわだからです。しかも年齢を重ねるとあご先の皮膚が薄くなり弾力も落ちるため、若い頃は気にならなかった梅干しジワが徐々に目立ってくることもあります。だからこそ気になる場合は、まず原因が筋肉の過剰な動きなのか、それともあご自体の骨格やボリュームの問題なのかを見極めることが出発点になります。

梅干しジワのボトックスに使う用量を製品別にまとめたグラフです。ボトックスやゼオミン系は総じて4から10ユニット、ディスポート系は12から30ユニットを使います。製品ごとに単位の基準が違うため数字は大きく見えても実際の強さは同程度なので、どの製品を使うかも合わせて確認すると安心です
梅干しジワのボトックスに使う用量を製品別にまとめたグラフです。ボトックスやゼオミン系は総じて4から10ユニット、ディスポート系は12から30ユニットを使います。製品ごとに単位の基準が違うため数字は大きく見えても実際の強さは同程度なので、どの製品を使うかも合わせて確認すると安心です

梅干しジワのボトックスはどこにどれくらい打つのか

梅干しジワのボトックスは、用量がとても少ないのが特徴です。筋肉自体が小さいためです。もっとも広く使われるボトックスやゼオミンを基準にすると、あご先全体で総量4から10ユニットほど、つまりほんのわずかしか入れません。ディスポートは単位の基準が違うため数字が大きく表示されるだけで、実際の強さは同程度です。ユニット数だけを見て比較するより、どの製品を使っているかも一緒に確認するとよいでしょう。

打つ位置も重要です。通常はあご先の下側、骨に近い深い層に1~2ヶ所に分けて注射します。真ん中1点に打つこともあれば、中央から左右に5ミリほど離して2点に打つこともあります。この際、針が骨に触れるくらい深く入れてから少し引き、薬液を注入することで、筋肉の深い層に正確に届かせます。

もう一つ守るべき点は、外側や上方に打ちすぎないことです。オトガイ筋の外側には下唇を下げる下唇下制筋が付いているため、薬液が横に広がると下唇の動きがずれてしまうことがあります。また唇に近い上方に打つと、口を閉じる筋肉に影響が出ることもあります。そのため、少ない量を正確な位置に打つことが、梅干しジワのボトックスの核心です。

梅干しジワのボトックスは、あご先の下側、骨に近い位置に少量を正確に打つことがポイントです。過剰に収縮していたオトガイ筋の力が少し抜けると、その上の皮膚が再びなめらかに伸びます
梅干しジワのボトックスは、あご先の下側、骨に近い位置に少量を正確に打つことがポイントです。過剰に収縮していたオトガイ筋の力が少し抜けると、その上の皮膚が再びなめらかに伸びます

ボトックスはどんな仕組みであご先をなめらかにするのか

梅干しジワのボトックスは、皮膚を無理やり引き伸ばす施術ではありません。皮膚を内側に引っ張っていた筋肉の力を緩めるアプローチです。ボツリヌストキシンが神経の末端で伝達物質の分泌を抑えると、オトガイ筋へ向かう収縮の信号が減ります。すると筋肉が強く縮まなくなるため、その上の皮膚も引っ張られず、なめらかに伸びるのです。

ここでエラボトックスとは仕組みが少し異なります。エラボトックスは、噛む筋肉を数週間かけて薄く萎縮させ、フェイスラインを削るという考え方です。一方で梅干しジワは筋肉を小さくするのではなく、表情を作るときに過剰に収縮する動きを抑えて、皮膚が寄らないようにするアプローチです。そのため、額や目元のしわのボトックスに近い性格を持っています。

項目内容
対象過剰に働くオトガイ筋
方式収縮信号を抑える
結果皮膚が寄らずに伸びる
性格動きによるしわの緩和

そのため、この施術は動いたときにできる梅干しジワに特によく合います。筋肉が強く引っ張って皮膚が寄っていたのがほどけると、話したり口をすぼめたりするときもあご先がぐっとなめらかに見えます。ただ、筋肉を完全に止めるのではなく力を少し抜くだけなので、表情がぎこちなくならずに自然と肌理が滑らかになる程度とイメージしておくとよいでしょう。

梅干しジワのボトックスを打ってから、変化がいつ現れどのくらい続くのかを週単位で見たグラフです。最初の変化は1日から4日の間に少しずつ現れ、1週間から2週間ほどででこぼこがもっともなめらかになります。その後はおおむね3ヶ月から4ヶ月維持されたあと徐々に戻っていくため、数ヶ月ごとに打ち直して維持するイメージで考えるとよいでしょう
梅干しジワのボトックスを打ってから、変化がいつ現れどのくらい続くのかを週単位で見たグラフです。最初の変化は1日から4日の間に少しずつ現れ、1週間から2週間ほどででこぼこがもっともなめらかになります。その後はおおむね3ヶ月から4ヶ月維持されたあと徐々に戻っていくため、数ヶ月ごとに打ち直して維持するイメージで考えるとよいでしょう

効果はいつ現れて、どのくらい続くのか

梅干しジワのボトックスは、打ってすぐになめらかになる施術ではありません。トキシンが神経信号を抑え、筋肉の力が抜けるまでに数日かかるためです。一般的に施術後1日から4日の間にあご先が少しずつ楽になり始め、1週間から2週間ほどででこぼこがもっともなめらかになります。そのため、結果は2週間ほど経ってから判断するのが正確です。

持続期間はおおよそ1回で3ヶ月から4ヶ月程度です。人によってはもう少し長く続くこともありますが、口周りは話したり食事をしたりで常に動く部位のため、額や眉間よりやや効果が早く抜ける傾向にあります。また、オトガイ筋を習慣的に強く使う人ほど、回復がやや早い傾向も見られます。時間が経って神経の末端が再び信号を送り始めると筋肉の力が戻り、梅干しジワも徐々に元の状態に近づいていきます。

そのため、効果を保つには繰り返しの施術が必要です。最初は3ヶ月から4ヶ月間隔で受けることが多く、強く力を入れて縮める癖が少し和らぐと、間隔が延びることもあります。結局、梅干しジワのボトックスは一度で完了する施術というより、なめらかな状態を数ヶ月単位で維持していく施術に近いといえます。

あご後退や受け口にも効果はあるのか

先ほど触れたように、あご先が気になる理由はすべて同じではありません。梅干しジワのボトックスは筋肉が過剰に動いてできるでこぼこにはよく合いますが、あご自体の骨格やボリュームの問題には限界があります。原因によって方法が変わるため、大きく3つに分けて考えると方向性が見えてきます。

原因合う方法
筋肉の過活動梅干しジワのボトックス
あご後退、ボリューム不足ヒアルロン酸フィラーやプロテーゼ
受け口、骨の突出両顎手術などの外科手術

あご先が後ろに引っ込んで小さく見えるあご後退は、骨とボリュームが不足している状態のため、ボトックスでは補えません。この場合はあご先にヒアルロン酸フィラーを注入したり、プロテーゼ(インプラント)で前方のボリュームを作ったりします。反対に下あごが前に出ている受け口は骨自体の問題であるため、根本的に変えるには両顎手術のような骨の手術を検討することになります。

もちろん、こうした骨格の問題を抱えながら同時に梅干しジワもあるケースは少なくありません。その場合はボトックスで表面のでこぼこを整えつつ、フィラーや手術で骨格を合わせて整えることもあります。あご先が気になるなら、原因が筋肉なのか、ボリュームなのか、骨格なのかをまず見極めることが結果を左右します。

ボトックスをよく打つ顔の部位を示した図です。梅干しジワはオトガイ筋のちょうど上にだけ正確に打つ必要があり、隣接する下唇下制筋に薬液が広がると下唇が歪んでしまうことがあるため、位置取りが特に重要です
ボトックスをよく打つ顔の部位を示した図です。梅干しジワはオトガイ筋のちょうど上にだけ正確に打つ必要があり、隣接する下唇下制筋に薬液が広がると下唇が歪んでしまうことがあるため、位置取りが特に重要です

副作用と注意点は

梅干しジワのボトックスでもっとも知っておきたいのは、下唇側に薬液が広がってしまうケースです。オトガイ筋の外側には、下唇を下げる下唇下制筋が付いています。外側に打ちすぎたり用量が多すぎたりしてこの筋肉にまで薬液が広がると、下唇が片側に歪んだり、下の歯を見せにくくなったり、発音が少しぎこちなくなったりすることがあります。多くは薬効が切れるとともに回復しますが、数週間から2ヶ月ほど不便を感じることもあるため、打つ位置を正確に見極めることが重要です。

次に気をつけたいのは、用量が多すぎる場合です。あご先の筋肉が緩みすぎると、水を飲むときに少しこぼれたり、口元の動きが乏しく見えたりすることがあります。そのため最初から欲張らず、少ない量から始めて反応を見ながら少しずつ調整するのが安全です。

まれに逆説的膨隆と呼ばれる反応もあります。深い層だけが緩んで浅い層の筋肉が残り、かえってあご先が少し膨らんで見えるケースです。ある観察では、オトガイ筋にボトックスを打った120人のうち1人にこうした膨隆が見られ、残った浅い層に少量を追加して調整します。

このほか、注射針の跡のあざや軽い痛みはよくあることですが、すぐに落ち着きます。全体として、美容目的の用量で深刻な問題が起こることはまれです。ただ、この施術は何ユニットをどこに打つかで結果が大きく変わるため、口とあご周りの筋肉の解剖に詳しいクリニックで受けるのが安心です。原因をしっかり見極め、筋肉が問題であるケースに合わせてアプローチすれば、梅干しジワのボトックスは短時間の施術で、でこぼこしたあご先をぐっとなめらかに整えてくれる方法になります。

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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

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