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アクリーフの効果と副作用, ディフェリンとどう違い体幹ニキビにも本当に効くのか?

By Dr. Lee1 min read

ニキビの治療薬を調べていると、アクリーフという名前に出会うことがあります。塗り薬という点でディフェリンと似ているように見えますが、さらに背中や胸のニキビにも使えるという話を聞いて、本当にそうなのか、効果と刺激はどうなのかと気になっている方も多いでしょう。

結論から言うと、アクリーフはディフェリンと同じ塗るレチノイド系ですが、ひとつ新しい世代の別の薬です。最大の特徴は、顔だけでなく背中や胸といった体幹のニキビにも正式に承認された、初めての塗るレチノイドという点です。臨床データもしっかりしていますが、ディフェリンより顔のニキビに効くことを示した直接比較試験はなく、初期の刺激が強めになる場合もあることは知っておくべきです。以下では、作用の仕組みとディフェリンとの違い、効果と副作用を順に整理します。

アクリーフ トリファロテン ニキビクリーム製品

アクリーフとはどんな薬なのか

アクリーフはトリファロテン(trifarotene)0.005%を含む塗るクリームで、ガルデルマ(Galderma)が開発した第4世代の塗るレチノイドです。レチノイドはビタミンA由来の成分で、毛穴の角質が正常に脱落するよう促し、炎症を鎮めることでニキビの発生を根本から抑えます。

もう少し詳しく見ると、アクリーフの特徴が見えてきます。皮膚にはレチノイドが結合して作用する受容体が複数ありますが、アクリーフはそのなかでも皮膚に最も多く存在するRAR-gammaという受容体に選択的に作用します。他の受容体にはほとんど作用しないため、皮膚で必要な働きをしながら余分な刺激を抑える設計です。日本では処方箋医薬品であり、医師の処方が必要です。何より際立つ特徴は使用できる部位です。通常の塗るニキビ薬が顔中心に承認されているのに対し、アクリーフは顔はもちろん背中や胸、肩といった体幹のニキビにも正式に承認・研究された初めての塗るレチノイドです。体内で速やかに分解される性質を持つため、広い部位に塗っても全身への吸収負担が少なく、これが体幹への使用の根拠になっています。

アクリーフ トリファロテン0.005%クリーム

ディフェリンとどう違うのか

名前は似ていますが、ディフェリン(Differin)とアクリーフは別の薬です。ディフェリンはアダパレン(adapalene)という成分の第3世代レチノイドで、アクリーフはトリファロテンという成分の第4世代レチノイドです。大きな枠組みは同じです。どちらも毛穴の角質を整え、炎症を鎮めてニキビをコントロールします。

違いは3点にまとめられます。第1に、アクリーフは皮膚に多いRAR-gamma受容体により選択的に作用するよう設計されています。第2に、前述のとおり顔だけでなく体幹ニキビにも承認されています。第3に、体内での半減期が約5分と非常に短く、背中のような広い部位に塗っても全身に吸収される量が少ない点が特徴です。そのため、背中や胸のニキビも一緒に気になっている方には、1つの薬でまとめてケアできるというメリットがあります。ただし、ここで正直に触れておきたい点があります。アクリーフがディフェリンより顔のニキビに優れていることを示した直接比較試験は現時点でありません。むしろ刺激は強くなる場合があるというデータもあります。ですから、アクリーフをディフェリンより優れた薬と捉えるよりも、体幹まで一緒に使える薬として理解するほうが正確です。

アクリーフの効果, 2つの大規模臨床試験で12週後にほぼきれいになった割合が顔で約42%、体幹で約43%と、プラセボを大きく上回った (PERFECT 1と2, n=2,420)
アクリーフの効果, 2つの大規模臨床試験で12週後にほぼきれいになった割合が顔で約42%、体幹で約43%と、プラセボを大きく上回った (PERFECT 1と2, n=2,420)

顔と体幹に本当に効くのか

効果を示すデータはしっかりしています。PERFECT 1とPERFECT 2という2つの大規模臨床試験にはn=2,420名が参加し、上のグラフのとおり12週後にほぼきれいになったと評価された割合は、顔で約29%から42%、体幹で約36%から43%に達しました。プラセボ群が20%台であったことと比べると、顔・体幹ともに明らかに上回る結果です。

病変数で見るとより実感しやすくなります。同じ試験で顔の炎症性ニキビは約61%減少しました。つまり、赤く腫れたニキビの半数以上が収まった計算です。ただし、ひとつ率直に知っておいてほしいことがあります。ほぼきれいな状態に達した割合が10人中3〜4人ということは、全員が劇的にきれいになる薬ではないということです。また、この試験は中等症ニキビを対象としたものですので、深く固い嚢腫性ニキビが強い場合は塗り薬だけでは不十分で、内服薬を組み合わせるのが一般的です。それでも顔と体幹両方のニキビを1つの薬でコントロールできる点は明確なメリットです。特に顔は別の薬である程度落ち着いたけれど背中や胸のニキビが気になるという方には、部位を分けず1種類でケアできる利便性があります。

効果が現れる流れ, 顔がほぼきれいになった割合が12週約27%から26週約50%、52週約65%と継続して上昇した (52週長期試験)
効果が現れる流れ, 顔がほぼきれいになった割合が12週約27%から26週約50%、52週約65%と継続して上昇した (52週長期試験)

効果はいつ頃から現れるのか

ニキビ薬は効果がいつ出るかを知っておかないと、途中でやめてしまいがちです。アクリーフも塗ってすぐに変化が出る薬ではなく、時間をかけて改善していく薬です。

Tan 2019ほかSATISFY試験のデータを見ると、顔の炎症性ニキビは2週、背中や胸といった体幹では4週頃からプラセボより明らかに減り始めました。しかし本当の変化はその後から始まります。上のグラフのように、52週間追った長期試験では顔がほぼきれいになった割合が12週時点で約27%、26週で約50%、52週には約65%まで継続して上昇しました。2〜3か月使ってみて大きな変化がないからといってやめるより、継続して塗ることで本来の効果が現れてくる薬です。ただし、使い始めの1〜2か月は後述の刺激が最もつらい時期でもあります。この山を乗り越えることが大切で、最初から毎日たっぷり塗るより、少しずつ肌を慣らしながら増やしていくほうが続けやすくなります。アクリーフは短期間で終わる薬ではなく、数か月以上の長いスパンで管理する薬と考えてください。そのため効果が遅いと感じても、1か月ごとに写真を撮って変化を比較すると、目では気づきにくい改善を確認できます。

アクリーフの刺激の程度, 初期には赤み・角質・乾燥・ひりひり感が多いが、大半は軽度で、刺激を理由に中止した人は100人中約2人(1.9%)だった
アクリーフの刺激の程度, 初期には赤み・角質・乾燥・ひりひり感が多いが、大半は軽度で、刺激を理由に中止した人は100人中約2人(1.9%)だった

副作用と正しい使い方

最も多い副作用は、塗った部位の刺激です。上のグラフのように初期には赤み、角質が浮く、乾燥、ひりひり感が起こりやすいです。ただし大半は軽度で、時間が経つにつれ肌が慣れて落ち着いていきます。実際、刺激が理由で中止した人は1.9%にとどまり、多くの方が継続できることを示しています。知っておきたい注意点として、レチノイドは妊娠中や授乳中は使用できず、紫外線に対して肌が敏感になるため、昼より夜に塗り、日焼け止めを必ず使うことが大切です。

刺激を抑えるためには使い方が重要です。夜に洗顔し、肌が完全に乾いてから米粒ほどの量を顔全体に薄く伸ばすのが基本です。最初から毎日塗るのではなく、2日に1回程度から始めて肌が慣れてきたら少しずつ頻度を上げ、保湿剤を一緒に使うと乾燥や刺激をかなり和らげられます。傷がある肌、湿疹、日焼けした肌には塗らないようにしてください。まとめると、アクリーフは顔と体幹のニキビを一緒にケアできる第4世代の塗るレチノイドで、初期の刺激を乗り越えながら数か月以上継続して使うことで最も良い結果が得られる薬です。重症のニキビであれば自己判断せず、医師に相談して内服薬との併用を検討することをおすすめします。

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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

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