目の下の脂肪再配置手術の方法、フィラーとの違いと回復過程
By Dr. Kim1 min read

下まぶたがぷっくりとふくらんでいるのに、その下は逆にくぼんで見えることがあります。一見すると正反対の二つの問題のように思えますが、実はどちらも同じ原因から生まれた一つの現象です。下まぶたの脂肪が前に押し出される一方で、本来必要な場所には脂肪が行き渡っていないからです。
こうした状態に対応するのが下まぶたの脂肪再配置手術です。脂肪をそのまま切除して取り除くのではなく、押し出された脂肪を眼窩骨の下のくぼんだ部分へ移して満たす手術です。なぜ切除ではなく移動を選ぶのか、そして移された脂肪がどのように再び定着していくのかを順番に見ていきます。
目の下はなぜふくらんでいるのにくぼんで見える?
眼球の周りには元々脂肪が存在します。眼球をクッションのように支える役割を持つ脂肪で、これを薄い膜(眼窩隔膜)が前側から押さえています。年齢を重ねてこの膜が緩んでくると、脂肪が前方へ押し出され、下まぶたがぷっくりとふくらんで見えるようになります。
問題は、脂肪が押し出される位置と、実際に影ができる眼窩骨のすぐ下の位置が異なることです。骨の下の部分は靭帯が皮膚を骨にしっかりと固定しているため、元々脂肪が薄い部位です。脂肪が前方に集まった分、その下の部分は相対的にさらにくぼんで見え、その影がクマのように映ります。つまりふくらみとくぼみは、脂肪が一方向に偏ることで生じる一つの現象なのです。
同じ下まぶたでも、二つの問題のどちらが目立つかは人によって違います。眼窩隔膜が特に緩んでいる人はふくらみが先に目立ち、靭帯が皮膚を強く引き止めている人はくぼみが先に目立ちます。原因は同じでも、外に現れる形は人によって異なるということです。
脂肪を切らずに移す理由
以前は突き出した脂肪をそのまま切除する方法がよく使われていました。その瞬間はふくらみが消えて滑らかに見えますが、時間が経つにつれて問題になります。年齢とともに下まぶたの脂肪は自然に減っていくのに、すでに切除してしまっているため補うための余分な組織が残っていないからです。
そのため数年後には下まぶたがさらに深くくぼんだり、ひどい場合はまぶたが下に引っ張られる合併症につながることもあると報告されています。脂肪再配置はこの点に違うアプローチを取ります。脂肪を捨てずにくぼんだ部分へ移すことで、ふくらみをなくすと同時にくぼみも満たす方法です。自分の体にすでにある組織をそのまま活用するため、別途注入する材料が必要ありません。

手術はどんな順番で進む?
多くの場合、結膜アプローチ(結膜を通して内側から入る方法)で行われます。下まぶたの裏側の粘膜を通って入るため、外から見える切開線が残りません。皮膚を表から切る必要がない構造なので、傷跡の心配が比較的少なくて済みます。
内部から脂肪を包む膜を開くと、押し出された脂肪が見えてきます。この脂肪を根元から完全に切り離すのではなく、血管がついたままの状態で慎重に伸ばし、眼窩骨の下のくぼんだ空間へ移動させます。新しい位置に定着するよう縫合で固定する工程まで終えると手術は完了です。根元を残しておく理由は、次の項目で説明する生着の仕組みに関係しています。
フィラーと脂肪再配置は何が違う?
下まぶたを満たす方法としてはフィラー注射もあります。フィラーは体外で作られた物質を注射器で注入する方法です。体はこの物質を自分本来のものではない異物として認識し、時間が経つと酵素が徐々に分解して吸収させていきます。そのため通常6ヶ月から12ヶ月ほどで再び注入し直す必要があります。
脂肪再配置はこの吸収の過程自体が異なります。移された組織は自分自身の生きた脂肪であり、血管が再びつながって定着すれば、その部位の組織としてそのまま根づきます。体が排除すべき異物として認識しないため、フィラーのように決まった期間ごとに吸収されて消えていく構造ではありません。
そのため二つの方法が向いている状況も異なります。顔全体の老化が進み複数の部位が同時にくぼんでいる場合は、フィラーで複数箇所を一度に満たすほうが手軽です。一方、下まぶたのふくらみとくぼみが同時にある場合は、すでに体内に余っている脂肪をそのまま活用できるため、脂肪再配置のほうが問題の原因そのものに対処する方法に近いといえます。

移した脂肪が生き残るしくみ
脂肪を移動させる際に血管のついた根元部分を残しておく理由は、生着率に直結するからです。根元につながった血管を通じて移動直後からすぐに栄養と酸素を受け取れるため、完全に切り離した脂肪を別の場所に移植する方法よりも生き残る割合が高いと報告されています。
剪定した木をそのまま根こそぎ移植するとすぐに枯れてしまいますが、根の一部を土に付けたまま移すとずっとよく育つのと似た理屈です。時間が経つと、移された脂肪の周囲に新しい毛細血管がさらに伸びてきて、より強固に定着を支えるようになるといわれています。
このため手術中に脂肪をどれだけ丁寧に扱うかが結果に大きく影響します。根元についた血管が手術の過程で圧迫されたりねじれたりすると、それだけ新しい位置での定着力が弱まる可能性があるため、脂肪を移す一つひとつの動作を慎重に行う必要があるのです。
むくみとあざはいつ引く?
手術直後は腫れとあざが同時に現れます。組織を持ち上げて移動させ縫合する過程で生じる自然な反応であり、この時期の下まぶたは実際の結果よりも腫れて見えることが多いです。初期の腫れとあざは通常1〜2週間ほどで目立って落ち着くといわれています。
その後も組織が完全に定着し最終的なラインが安定するまでにはさらに時間が必要です。移された脂肪の周囲に血管が伸びてきて、縫合部が治っていく過程が続くため、おおむね4週間から12週間ほど経ってようやく最終的な仕上がりに近づくと報告されています。そのため手術直後の数日間の見た目だけで結果を判断しないほうがよいでしょう。
回復の途中で下まぶたが凹凸に触れたり左右がわずかに違って感じられたりする時期もあります。移された脂肪が新しい位置に完全に定着する前は腫れと組織が入り混じった状態のために起こる自然な過程であり、時間が経ち腫れが引いて組織が安定してくるにつれて次第になめらかに整っていくと案内されています。
回復中に守りたいケア
移された脂肪が新しい位置でしっかりと定着するのを助けることがケアの中心になります。
- 初期は冷やし、数日後は温める: 初期の冷却は血管を収縮させて腫れとあざの広がりを抑え、数日後の温めは血行を促して残ったあざがより早く消えるのを助けます。
- 目を強くこすったり押したりしない: まだ定着していない脂肪や縫合部が物理的な力で押されると、位置がずれてしまう可能性があるためです。
- 就寝時は頭を少し高くする: 横になった姿勢では顔側に血液が集まりやすく腫れが長引きやすいため、枕で頭を少し高くすると腫れが早く引くのに役立つといわれています。
- 紫外線対策を続ける: 回復中の組織は紫外線に対してより敏感に反応することがあるため、色素沈着を残さないよう日焼け止めを欠かさないことが勧められています。
腫れとあざが引くスピードには個人差があるため、回復期間中は焦らずに過ごすのがよいでしょう。
References
Korean Dermatological Association, American Academy of Dermatology (AAD), and Ministry of Food and Drug Safety (MFDS).
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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
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