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ウルトラコルPDOコラーゲン糸が溶けながらコラーゲンを新しく満たす仕組みと持続期間、ケア方法

By Dr. Lee1 min read

顔がたるんだというより、肌そのものが薄くなって弾力が抜けたように感じる。そんな感覚を覚えたことがある方も多いはずです。こうした場合は、引き上げる施術よりも、肌の内側を満たし直すアプローチのほうが合っていることが少なくありません。

ウルトラコルは、こうした悩みでよく名前が挙がるPDO(polydioxanone、体内でゆっくり分解される医療用の糸素材)施術です。名前はよく知られるリフティング糸と似て聞こえますが、実際の目的や入れ方はかなり異なります。

しわを一本消す施術というより、肌の内側の力をもう一度育てる施術に近いといえます。そのため結果の出方も、向いている人のタイプも、リフティング糸とは性質が異なります。

ウルトラコルとはどんな糸なのか

ウルトラコルは、細い糸を何本も網目状に組み合わせて作られたPDO糸製品です。糸一本は髪の毛より細く、体内で時間が経つと水と二酸化炭素に分解されて消えていく吸収性素材でできています。

PDOはもともと、手術後の傷を縫合する際に使われてきた吸収性の縫合糸素材です。体内で長く使われてきた素材だけに安全性データが蓄積されている点も、この糸が肌の施術に定着してきた背景の一つです。

糸を何本も網目状に絡ませているのにも理由があります。細い糸一本だけより、何本もの糸が複数の方向から重なって通ることで刺激を受ける面積が広がり、その分新しく作られるコラーゲンの量も増えるからです。

施術は、cannula(先端が丸く組織へのダメージが少ない細い管状の器具)を使い、肌の下に糸を複数の方向へ押し入れる方法で行われます。針で何度も刺すのではなく、管を通して糸をやわらかく通す方式のため、刺激が比較的少ないと説明されています。

リフティング糸とは違う再生目的

よく知られているリフティング糸は、表面に小さな鉤状の突起、つまりcog(コグ)がびっしり付いています。釣り針の返しのように一方向にだけ引っかかる構造のため、糸を引くと周囲の組織をつかんだまま引き上げられます。そのため、施術直後からフェイスラインがすっきり見える効果が目立ちます。

一方、ウルトラコルのような再生目的の糸は、突起のない滑らかな糸です。引く力よりも、糸が通った跡ごとに小さな修復反応を促してコラーゲンを作ることに焦点があります。そのため一つの部位に何本もの糸を網目状に密に配置し、刺激を受ける面積そのものを広げる方式をとります。

滑らかな糸はcogがないため組織をつかむことはできません。一見物足りない点に思えるかもしれませんが、そもそも引く力を出すために作られた糸ではないので問題にはなりません。むしろ引っかかる部分がない分、複数の方向へ自由に、より密に入れやすいという利点があります。

つまりリフティング糸は組織をつかんで引く力が核心であり、ウルトラコルは通った跡ごとに刺激を与えてコラーゲンを満たす反応が核心です。見た目にはどちらも糸を入れる施術ですが、体の中で起きていることはまったく異なります。

糸が溶けながらコラーゲンを作る仕組み

コラーゲン(肌を下から支える柱のようなタンパク質)は、年齢を重ねるほど新しく作られる量が減っていきます。同時に、コラーゲンを細かく断ち切る酵素であるMMP(matrix metalloproteinase、コラーゲンを切るハサミのような酵素)はむしろ増える傾向にあると知られています。柱が減ってハサミが増えるようなものなので、肌は次第に薄くなり、たるんでいきます。

PDO糸は体内で異物として認識されます。傷ができたときのように、糸が通った跡ごとに小さな炎症反応と修復反応が起こり、この過程で線維芽細胞(コラーゲンを作る肌の中の細胞)がその場所に集まってきます。線維芽細胞が活発になると、新しいコラーゲンとともに小さな血管も育つという報告があります。

たとえるなら、糸そのものがコラーゲンなのではなく、糸が通った跡ごとに種をまいておき、体が自ら新しい肌を育てるよう促す合図に近いものです。そのため施術直後よりも、4週間から12週間かけてゆっくり結果が現れるのがこの施術の特徴です。

この過程をもう少し詳しく見ると、糸が少しずつ分解される際に生じるごく微細な刺激がマクロファージ(体内の掃除を担う免疫細胞)をその場所に呼び集め、マクロファージが再び線維芽細胞を目覚めさせる合図を送ると説明されています。傷ができるとかさぶたができ、その下で新しい肌が育つ過程と、原理そのものはよく似ています。ただし目に見える傷跡を残さず、糸が通った跡に沿って静かに起こるごく微細な修復反応であるという点が異なります。

注入する深さと施術部位はどこを狙うのか

ウルトラコルは真皮下層から皮下脂肪の上層にかけて、つまり肌の本体と脂肪層が接する境目あたりに主に位置します。この深さが線維芽細胞を刺激するのにちょうどよく、浅すぎると糸が触れたり透けて見えたりする可能性があり、深すぎると刺激の効果が落ちてしまうためです。

施術部位は頬、ほうれい線まわり、目もと、額のように、肌が薄くなり弾力が先に抜けやすい場所に主に使われます。フェイスラインや首のように、たるみそのものが目立つ部位を狙うリフティング糸とは対照的なポイントです。

施術者は超音波や指先の触診で深さを確認しながら糸を入れ、部位ごとに糸の本数や方向を変えて配置し、刺激が均一に広がるよう調整するとされています。

糸を入れる入り口は、耳の前やヘアライン内側のように目立ちにくい場所に小さく作ります。cannulaはやわらかく通す器具なので、入り口一つからでも複数の方向へ糸を配置でき、傷跡の心配が少ないほうです。

施術時間と痛みはどのくらいなのか

いざ受けるとなると、どのくらい痛いのか、どのくらい時間がかかるのかのほうが気になるかもしれません。

施術前には麻酔クリームや局所麻酔注射で部位をあらかじめ鈍らせておきます。そのため糸が入っていく間に感じる感覚は、チクチクした痛みというより、押される感じや軽く引っ張られる感じに近いと説明されています。

施術時間は入れる糸の本数や範囲によって変わりますが、おおむね20分から40分前後で終わります。麻酔の時間まで含めると、院内に滞在する時間はこれより少し長くなります。

施術直後は、糸が通った跡に沿って腫れや軽いあざが出ることがあります。cannulaで入れる施術のため針の施術よりあざは出にくいほうですが、人によって血管の位置や肌の状態が異なるため程度には差があります。

持続期間を左右する要因

ウルトラコルの効果がどのくらい続くかは、一つの要因だけで決まるわけではありません。次の要因が一緒に作用すると報告されています。

  • 糸の本数と配置密度: 密に多く入れるほど刺激を受ける面積が広がり、その分作られるコラーゲンの量も増える傾向があります。
  • 糸が分解される速さ: PDOは通常6か月前後かけてゆっくり吸収されますが、刺激が続く期間が長いほどコラーゲンが積み重なる時間も長くなります。
  • 個人のコラーゲン合成力: 年齢や肌の状態、線維芽細胞がもともとどれだけ活発かによって、同じ施術を受けても結果に差が出ることがあります。
  • 紫外線への露出と生活習慣: 紫外線はコラーゲンを分解するMMPの活性を高める要因として知られており、新しく作られたコラーゲンが維持される期間にも影響します。
  • 施術部位の動き: 目もとや口もとのように表情筋がよく動く部位は、糸が定着し始める最初の2週間から4週間により多くの刺激を受けます。そのため比較的動きが少ない部位とは、回復の速さや結果を実感する時期が変わることがあります。

おおむね6か月から1年前後効果が続くと報告されるケースが多いものの、上記の要因によって実感する持続期間には個人差があります。

施術後のケアはどうすればいいのか

コラーゲンが作られる過程を妨げないことが、ケアの基本です。

  • 施術直後2週間は、顔を強くこすったり圧迫したりする体勢を避けることが勧められます。糸が定着する前に押されると、位置がずれたり腫れが長引いたりすることがあるためです。
  • サウナや熱いホットパックも1週間は避けたほうがよいとされています。熱の刺激が始まったばかりの修復反応を乱してしまうおそれがあるためです。
  • 施術後1週間から2週間は、うつ伏せで寝たり施術部位を下にして眠ったりする姿勢も避けるのがよいでしょう。糸がまだ定着しないうちに片側だけ押され続けると、左右のバランスが変わってしまうことがあるためです。
  • 紫外線対策はこまめに続けるのがおすすめです。紫外線はコラーゲンを分解するMMPの活性を高めると知られており、せっかく作られたコラーゲンが再び失われる速度を遅らせる役割を果たすためです。

初期の腫れやあざは3日から7日ほどで落ち着くことが多いとされていますが、回復のスピードには個人差があります。

どんな人に向いているのか

ウルトラコルは、フェイスラインがたるんで今すぐ引き上げたいという場合よりも、肌全体が薄くなり弾力が抜けたことが悩みという場合により向いていると説明されています。目もとの小じわや頬のこけ、ほうれい線まわりのように、局所的にボリュームと弾力が両方足りない部位にも活用されます。

リフティング糸と併用するケースもあります。リフティング糸で即座にラインを整え、ウルトラコルのような再生目的の糸でその下の肌そのものの弾力をゆっくり満たしていく組み合わせです。

逆にフェイスラインや首のようにたるみそのものが目立ち、すぐに変化を実感したいなら、ウルトラコルよりcogのあるリフティング糸が先に検討されます。二つの施術は目的が異なるため、今の悩みがたるみなのか弾力なのか、まず見極めておくと選びやすくなります。

ただし施術部位や糸の種類、本数は肌の状態によって変わるため、診察を通じて自分の肌の厚みやたるみの程度を先に確認してもらう順番が安全です。

References

Korean Dermatological Association, Ministry of Food and Drug Safety (MFDS), American Academy of Dermatology (AAD), and U.S. Food and Drug Administration (FDA).

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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

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