タトゥー除去レーザーの回数、色によって何回受ける?
By Dr. Kim1 min read

気に入って入れた刺青や、くっきりと施した眉のアートメイクが、時間が経つにつれて負担に感じられることがあります。幸い今はレーザーできれいに除去するのが標準的な方法になりました。傷跡をほとんど残さずインクだけを選んで分解する仕組みなので、以前のように皮膚を削り取っていた方法とは負担がまったく違います。
ただし一度では消えず何回かに分けて施術を受ける必要があり、色によって落ちやすいものと落ちにくいものが分かれます。原理を知っておくと、なぜ何回も受ける必要があるのか、なぜ黒はよく消えて緑は時間がかかるのか、特にアートメイクを除去する際になぜ注意が必要なのかがより明確になります。自分の刺青がどんな色で、どれくらい濃いかによって必要な回数と結果が変わることを知っておくと、安心して始められます。刺青除去レーザーがインクを分解する原理から色別の波長、必要な回数、アートメイクが黒っぽく変色する現象まで、実際の研究をもとにまとめました。

レーザーはどうタトゥーのインクを消す?
刺青は皮膚の真皮にインクの粒子がぎっしりと入り込んでいる状態です。免疫細胞が片付けるには粒子が大きすぎるため、そのまま一生残ってしまいます。レーザーの役割は、この大きな粒子を細かく砕くことです。
ポイントは、ごく短い瞬間に強い光を照射することです。ナノ秒単位で断続的に照射するQ-スイッチレーザーや、それよりさらに短いピコ秒レーザーは、インクに瞬間的な衝撃を与えて大きな粒子を小さな破片に砕きます。熱で焼く方式ではなく物理的に砕く仕組みなので、周囲の皮膚へのダメージが少なくて済みます。大きな石を細かく砕くと、水の流れが少しずつ運び去っていくのに似ています。
砕かれた破片は免疫細胞が数週間かけて少しずつ片付けていきます。これこそが何回かに分けて施術を受ける必要がある理由です。一度砕いたら免疫細胞が運び出す時間が必要で、ある程度片付いてからまた砕くという流れで刺青は徐々に薄くなっていきます。そのため施術の間隔は数週間空けます。インクが魔法のように一度で消えるのではなく、砕かれた破片が体外に排出される過程を経るため時間がかかるのです。この流れを知っておけば、1、2回受けただけで全部消えなくても焦らずに済みます。

色別のレーザー波長と消えやすい色
レーザーはその色がよく吸収する光を照射してこそインクが分解されます。そのため刺青の色に合わせて波長を選んで使います。波長とは光の種類を区別する基準のことで、色素ごとによく吸収する光が決まっています。
最も多い黒と濃紺には1064nm Nd:YAGレーザーを使います。1064nmは波長が長く皮膚の奥深くまで届き、皮膚の色素であるメラニンとは重なりにくいため、色黒の肌でも比較的安全です。そのため深く濃い黒インクに最も適しています。
赤とオレンジ、黄色には波長の短い532nmを使います。短い波長は浅い層にある明るい色のインクによく吸収されます。緑と水色には755nmのAlexandrite(アレキサンドライト)レーザーや694nmのRuby(ルビー)レーザーがよく反応します。これらの色は1064nmや532nmではなかなか落ちないため、中間の波長が必要になります。
このように色ごとによく吸収する光が決まっているため、黒は1064nm、赤系は532nm、緑系は755nmを使い分けます。複数の色が混ざったカラー刺青は色ごとに必要な波長が異なるため、通常2、3種類の波長を組み合わせて使う必要があります。
落ちにくい色もあります。緑、水色、黄色、白、蛍光色は消えるまで時間がかかる傾向があります。現在ある波長のレーザーではこれらの色があまり吸収されないためです。特に白やアプリコット色のような明るい色は、光を吸収するよりはね返してしまうため反応が弱くなります。そのため同じ刺青でも黒い輪郭線はよく消えるのにカラー部分が残るケースがよく見られます。色は消えやすさを見極める良い手がかりになります。黒と紺は最も反応がよく、赤とオレンジも比較的問題ない傾向があるので、カラーが多く混ざった刺青は施術前に色ごとに反応が違う可能性があることを理解して臨むのがよいでしょう。

ピコ秒レーザーは本当によく消える?
最近はピコ秒レーザーを前面に押し出した宣伝をよく目にします。ピコ秒とは1兆分の1秒を意味し、それだけ光をより短く照射するということです。照射時間が短いほど、熱よりも衝撃でインクを砕く力が強くなります。
実際の研究を見るとピコ秒のほうが多少優れてはいるものの、劇的な差ではありません。同じ刺青を半分に分けて片方はピコ秒、もう片方はナノ秒で除去した49人対象の比較研究では、75%を超えて薄くなった割合はピコ秒側のほうが高いという結果でした。大規模な統合分析でも、ピコ秒は特に青、緑、黄色のような扱いにくい色でナノ秒より有利だとまとめられています。ただし刺青全体を完全に消せる割合は平均で半数前後にとどまり、ピコ秒だからといって必ずすべて消えるわけではありません。
そのため機器の名前よりも重要なのは、自分の刺青に合った波長と設定、そして施術者の経験です。黒い刺青が中心なら、Q-スイッチNd:YAGでも十分安全かつ効果的です。反対に青や緑が混ざったカラー刺青や、何度も受けているのになかなか落ちない刺青なら、ピコ秒が回数を減らせる余地があります。どちらにしても「何回で全部消える」と断言するクリニックより、色と状態を見て回数を提案してくれるクリニックのほうが信頼できます。

タトゥー除去は平均で何回必要?
最も気になる部分ですが、人によって異なります。幸い、回数をあらかじめ見積もる基準が研究でまとめられています。Kirby-Desai scale(カービー・デサイ・スケール)と呼ばれるもので、6つの項目を見ます。肌の色、刺青の位置、色、インクの量、傷跡の有無、そして既存の刺青の上に重ねて彫ったかどうかです。このスケールを作った研究では100人全員が刺青を除去でき、必要な回数は3〜20回、平均10回程度でした。
一般的に自分で彫った薄い刺青はインクが浅い位置にあるため、3〜5回でかなり薄くなります。プロが濃く彫った刺青はインクが深く入っているため6〜15回前後かかり、非常に密度が高い場合はそれ以上必要になることもあります。施術の間隔は通常6〜8週間空けます。免疫細胞が砕かれたインクを運び出す時間を確保するためです。

1回の施術で同じ部位に何度も照射する方法もあります。同じ箇所を20分間隔で4回照射するR20方式は、ある研究でたった1回の施術で完全に消えた割合が61%でした。1回しか照射しなかった場合が0%だったことと比べると大きな差です。ただしこの方法は一度により多くのエネルギーが入る分、水ぶくれのような反応も大きくなる可能性があるため、肌の状態を見ながら慎重に用います。
眉のアートメイクが逆に黒くなる理由
眉やアイライン、リップのアートメイクを除去するのは、一般的な刺青より扱いが難しいです。予想外の現象が起こることがあるためです。それが逆説的黒化です。明るい色を消そうとして、かえって濃いグレーや黒に変色してしまう現象を指します。
| 項目 | 一般的な刺青 | アートメイク |
|---|---|---|
| インク成分 | 炭素系 | 酸化鉄、二酸化チタン |
| 変色リスク | 低い | 逆説的黒化の可能性 |
| テスト照射 | 任意 | 必須 |
| 反応 | 概ねよく消える | 変色に注意 |
アプリコット色、白、ピンクのように肌色を出すアートメイク用インクには酸化鉄や二酸化チタンが含まれています。レーザーを照射するとこの成分が化学的に還元され、かえって黒っぽく、あるいは濃く変色することがあります。明るい眉のアートメイクを消そうとして突然黒く変わってしまうのはこのためです。そのためアートメイクの場合、必ず小さな部位に先にテスト照射をして反応を確認してから進めるのが標準です。アートメイク用インクはブランドや製法がさまざまで、どんな成分が含まれているか事前に把握しにくいためです。幸い最近のインクは酸化鉄や二酸化チタンの使用を減らす方向に変わってきており、以前より危険性が下がったという報告もあります。もし黒く変色しても治療を続ければたいてい再び薄くなっていくので、テスト照射さえ省略しなければ安全に進めることができます。

施術後の肌の反応と注意点
刺青除去レーザーは概ね安全ですが、いくつかの反応は事前に知っておくと安心です。施術直後は患部が白くなったあと赤くなり、水ぶくれができることもあります。腫れやかゆみもよく見られますが、ほとんどは1、2日で落ち着き、遅くとも1〜2週間でおさまります。
色素変化が起こることもあります。施術部位が一時的に白く抜ける低色素や、逆に黒っぽくなる過色素が生じることがありますが、過色素のほうがより多く見られ、たいていは時間とともに薄くなり、低色素はもう少し長引きます。特に肌が濃い人ほど色素が重なりやすいため、短い波長より1064nmを使い、エネルギーを控えめに設定して施術の間隔を十分に空けます。アジア人の肌でもこの点は重要です。傷跡や肌質の変化は設定を適切に合わせれば稀です。施術後は紫外線対策を続け、かさぶたを無理に剥がさないことが色素変化を抑えるうえで大きく役立ちます。
結果への期待は現実的に持っておくのがよいでしょう。刺青が100%完全に消えるというより、薄い影のように跡が残るケースもあり、カラーが混ざっていたりインクが濃いほどその傾向があります。それでも大部分は複数回の施術を経て目に見えて薄くなり、黒い刺青はかなりきれいに消えます。肌の色と刺青の状態に合わせて波長と設定を選び、焦らず間隔を守りながら受けることが、安全かつ満足度の高い除去につながります。
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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
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