ソフウェーブが火傷の心配を抑えながら真皮の中間層だけを狙って温められる原理と回復の流れ
By Dr. Lee1 min read

肌のリフティングに使われる超音波機器にはいくつもの種類があります。その中でもソフウェーブ(Sofwave)は、火傷の心配を抑えながらも真皮の中間層だけを正確に温められる、という説明で知られています。
とはいえ、熱を使う施術なのに火傷のリスクが低いと言われると、少し不思議に感じます。それに、肌の中にある複数の層のうち、どうやってたった一つの層だけを選んで温められるのかも気になるところです。この二つの疑問への答えは、ソフウェーブが超音波を照射する方式そのものに隠されています。
ソフウェーブは複数の超音波ビームをどうやって同時に照射するのでしょうか?
ソフウェーブはSUPERBという独自技術を採用しています。複数の超音波トランスデューサー(音波を発生させる小さな装置)が並んで配列されており、それぞれのビームが肌の中の一点に向かって同時に集まるように設計されています。
ビーム一本一本の強さはそれほど強くありません。そのため、それぞれのビームが通過する経路、つまり表皮や真皮の浅い層には大きな刺激が残りません。何本にも分かれた懐中電灯の光が、一点でだけ重なって明るくなる様子を思い浮かべると理解しやすいでしょう。
ビームが重なる地点では、なぜ熱が集中するのでしょうか?
エネルギーはビームが重なった分だけ足し算されます。ビーム一本では熱を感じるほどではありませんが、複数のビームが正確に同じ地点で交わると、その地点のエネルギーは何倍にも跳ね上がります。
ソフウェーブはこの原理を利用して、超音波が通過する経路には熱を残さず、ビームが集まる一点、つまり真皮の中間層の特定の深さでだけ温度を一気に引き上げます。重なる地点の深さは機器があらかじめ計算しておいた値であるため、施術者が力を強めたからといってより深くまで届くわけではありません。
もしビーム一本だけの強さをむやみに上げてしまうと、そのビームが通過する浅い層まで一緒に熱くなり、火傷のリスクが高まります。逆に、弱いビームを複数、正確に一点だけで重ねれば、通過する経路はそのままにしておきながら、狙った地点の温度だけを選んで上げることができます。だからこそ、トランスデューサーの数と角度を精密に合わせる計算が、そのまま安全性に直結するわけです。
表皮はなぜ熱くならないのでしょうか?
表皮(肌の最も外側の層)は目に見えて触れられる層であるため、ここで熱が過剰に上がると火傷や色素沈着につながります。ソフウェーブはこの層を守るために、二つの仕組みを一緒に使っています。
- ビームが低い強度で表皮を通過するように設計されています。熱が重なって蓄積する地点は表皮ではなくそれより深い場所であるため、表皮側には火傷を起こすほどのエネルギーは残りません。
- 施術中、肌の表面に冷却装置を接触させて温度を下げ続けます。ビームの通り道である表皮を冷やしておくことで、たとえ熱が多少残っても、すぐに散って蓄積しません。
冷却装置の働きは、熱い鍋の取っ手を濡れたタオルで包んでおくのと似ています。取っ手の表面はひんやりと保たれる一方で鍋の中はそのまま煮え立っているように、表皮は冷却によって守られている間に、その奥の真皮中間層は狙った温度までそのまま上がっていきます。
真皮の中間層を狙う理由は何でしょうか?
真皮(表皮の下にあり、肌を支える内側の層)には、コラーゲンというタンパク質の線維が網目状に絡み合っています。コラーゲンは肌を支える柱のような役割を担っていますが、年齢を重ねるとこの柱は少しずつ細く緩んでいきます。
ソフウェーブが狙う深さはおよそ1.5mm前後で、コラーゲンを作る細胞(線維芽細胞)が最も多く集まっている真皮の中間層にあたります。浅すぎるとコラーゲン細胞が少なく刺激の効果が下がり、深すぎると神経や血管が通る層まで触れてしまうリスクがあるため、この中間の深さが効果と安全性のバランスが取れる地点として設定されています。
例えば、表皮に近い浅い層を誤って刺激してしまうと色素沈着のリスクが高まり、逆に皮下脂肪まで下がってしまうとコラーゲンより先に脂肪細胞が反応してしまい、肝心のハリ改善効果は薄れてしまいます。だからこそソフウェーブは、コラーゲン細胞が密集した狭い深さの範囲だけを選んでエネルギーを使います。
熱を受けたコラーゲンはどのような過程を経て再生されるのでしょうか?
ビームが集まる地点の温度は、一瞬でコラーゲン線維を変性させるほどまで上がります。コラーゲン線維がわずかに縮むこの変化は体にとって傷のように認識され、次のような回復プロセスが続くとされています。
- 熱刺激を受けた部位で線維芽細胞が活性化します。損傷のシグナルを受け取った細胞が修復作業を始める段階です。
- 施術後4週間から12週間かけて、新しいコラーゲンとエラスチン(肌が伸びても元に戻る力を与えるタンパク質)が作られます。既存の柱の隣に新しい柱を立てていく過程と考えるとわかりやすいでしょう。
- 新しく作られた線維が定着するにつれて、肌のきめが少しずつ整っていきます。この再構築のプロセスは、通常施術後3か月から6か月かけてゆるやかに現れると報告されています。
温度はなぜこの範囲に精密に合わせるのでしょうか?
コラーゲンというタンパク質は、特定の温度を超えたときにだけ構造が崩れます。卵白が低い温度ではそのままなのに、熱を加えるとある瞬間に急に白く固まるのと似た原理です。
ソフウェーブが狙う温度は、コラーゲンが反応を始める地点よりは高く、組織が焼けてしまう地点よりは低い、狭い範囲に合わせられています。温度がこの範囲より低いとコラーゲンへの刺激が十分に起こらず、逆に高すぎると組織損傷につながるため、ビームの本数と重なる角度を精密に計算して、この範囲に収まるように設計されていると説明されています。
肉を焼くとき、弱火では表面しか温まらず、逆に強すぎる火では表面が焦げてしまうのと似た理屈です。ソフウェーブがこの狭い温度範囲にこだわる理由も同じで、範囲を少しでも外れると刺激が不足したり、逆に組織が傷んだりする結果につながるため、温度の幅を広く取らないようにしているのです。
ほかの超音波リフティングとは何が違うのでしょうか?
超音波を使うリフティング機器の中には、HIFU(高密度焦点式超音波、一つの焦点を非常に狭く深く集める方式)という種類もあります。HIFUは主に筋膜層(SMAS、顔の筋肉を包む薄い膜)まで到達させ、下に垂れた組織を引き上げることに焦点を当てています。
ソフウェーブはそれよりも浅い真皮の中間層に複数のビームを同時に重ね、広い面積を均一に刺激する方式です。そのため、垂れた組織を強く引き上げる効果というよりは、肌のきめとハリを全体的に底上げする方向に近いとされています。両方式ともコラーゲンを刺激するという原理は同じですが、狙う深さと組織が異なるわけです。
たとえるなら、HIFUは虫眼鏡で日差しを一点に集めて紙の一箇所を焦がす方式に近く、ソフウェーブは小さな照明を複数、広い面積に均一に当てて全体をほんのり温める方式に近いと言えます。したがって、たるみがはっきりしている部位を引き上げたい場合はHIFUが、肌のきめとハリを全体的に底上げしたい場合はソフウェーブのほうが目的に合っています。
施術は何回、どのくらい効果が続くとされているのでしょうか?
コラーゲンが新しく作られるまでには時間がかかるため、効果もまた一度に現れるというよりは、じわじわと現れるとする報告が多くあります。
- 施術は通常1回で行われるケースが多いです。複数のビームが広い面積を一度になぞる方式であるため、何回も繰り返さなくても十分な刺激になるとされています。
- 効果は施術直後よりも4週間から12週間の間に少しずつ実感されるようになり、6か月ごろまで続くとされています。コラーゲンが新しく定着するのに、それだけの時間が必要だからです。
- 効果の持続期間は個人の肌の状態や老化のスピードによって差があるため、定期的なメンテナンス施術を並行するケースが多いと報告されています。
施術後の反応と相性が良い肌悩みは何でしょうか?
ビームが通過する間、表皮そのものには火傷を起こすほどの熱は残らないとされていますが、真皮の中で一瞬温度が上がる過程であるため、肌の表面にも軽い反応が一緒に現れることがあります。施術直後に顔が少し赤くなったり、ほんのりとほてる感じが1時間から6時間ほど続くことがあるとされています。これは肌の表面が傷ついたためではなく、その奥でコラーゲンの再生がちょうど始まったサインに近いため、特別な回復期間を取らずにそのまま日常生活に戻れるケースが多いと報告されています。
ソフウェーブが狙う真皮の中間層は、顔全体に均一に広がっている層です。そのため、特定の一箇所を強く引き上げるというよりは、顔全体のきめとハリをほんのり底上げする方向に焦点が合わせられています。この特徴から、目に見えてたるんだ組織を引き上げたい場合よりも、肌のきめが粗くなったりハリが少しずつ落ちてきたりする初期老化の段階により向いているという説明が多くあります。たるみがすでにはっきりしている場合は、筋膜層まで刺激するほかのリフティング方式と併せて検討するほうが助けになるとされています。どちらの方式が合うかは、今の肌が老化のどの段階にあるかによって変わってくるわけです。
References
Korean Dermatological Association, Ministry of Food and Drug Safety (MFDS), American Academy of Dermatology (AAD), and U.S. Food and Drug Administration (FDA).
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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
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