ソフウェーブのリフティング効果、HIFUとの違いは?
By Dr. Lee1 min read

肌のリフティングに使われる超音波機器にはさまざまな種類があります。その中でもソフウェーブ(Sofwave)は、火傷のリスクを抑えながら真皮中層だけを正確に温めるという説明で知られています。
ただ、熱を利用する施術なのに火傷リスクが低いと聞くと、少し腑に落ちません。さらに、肌の中にある複数の層のうち、どうやってたった一層だけを選んで温められるのかも気になるところです。この二つの疑問の答えは、ソフウェーブが超音波を照射する方式そのものに隠されています。
7本のビームはどう入る?
ソフウェーブはSUPERBという独自技術を採用しています。SUPERBとは、超音波トランスデューサー(音波を作り出す小さな装置)を7個並べて配置し、同時にビームを照射する技術です。
ここで重要なのは、これらのビームが一点に集まって重なり合うわけではないという点です。トランスデューサー一つひとつが自分の担当分のビームを独立して照射し、それぞれのビームは互いに交差しないまま平行に肌の中へと入っていきます。懐中電灯を何本も横に並べて、それぞれが自分の前方だけを照らしている様子を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。
ビームごとに深さが決まっている理由
ビームが複数あるからといって、エネルギーが互いに足し合わされるわけではありません。それぞれのビームは、最初から真皮中層の決まった深さで熱を発するように設計されています。トランスデューサーの周波数と焦点距離を、その深さに合わせて固定してあるためです。
そのため、ビーム一本一本は表皮や真皮の浅い層を通過する間は弱い強度を保ち、目標とする1.5ミリメートル前後の深さに達したところで、その地点にだけ円柱状の熱凝固ゾーンを作ります。7本のビームが並んでいるので、結果として真皮中層には小さな熱ゾーンが7つ、同時に密に生まれることになります。
この方式は、HIFU(高密度焦点式超音波)のように複数のビームを一つの焦点に集めてエネルギーを増幅させる集束方式とは異なります。ソフウェーブはビームを集めない非集束方式なので、施術者が力を強めたからといって焦点がより深く入ったり熱が強くなったりすることはありません。それぞれのビームが作る熱ゾーンの深さと大きさは、機器の設計段階ですでに固定されているのです。
もしビーム一本の強度だけをむやみに上げてしまうと、そのビームが通過する浅い層まで一緒に熱くなり、火傷のリスクが高まります。逆に、ビームごとの焦点距離を真皮中層に正確に固定しておけば、通過する経路はそのままに、狙った地点の温度だけを選んで上げることができます。だからこそ、トランスデューサー一つひとつの周波数と焦点距離を精密に設計することが、安全性に直結するというわけです。
表皮をやけどから守る2つの仕組み
表皮(肌の一番外側の層)は目に見え、触れられる層であるため、ここで熱が過度に上がると火傷や色素沈着につながります。ソフウェーブはこの層を守るために、二つの仕組みを組み合わせて使っています。
- ビームが弱い強度で表皮を通過するように設計されています。それぞれのビームが熱を発する地点は表皮ではなく、その奥にある真皮中層であるため、表皮側には火傷を起こすほどのエネルギーが残りません。
- 施術中は肌表面に冷却装置(ソフクール)を密着させ、温度を継続的に下げます。ビームの通り道である表皮を冷やしておけば、たとえ余分な熱が残っても、すぐに拡散して蓄積しません。
冷却装置の役割は、熱い鍋の取っ手を濡れたタオルで包んでおくのと似ています。取っ手の表面はひんやりと保たれる一方で鍋の中はそのまま煮立っているように、表皮は冷却で守られている間に、その奥の真皮中層は目標の温度までしっかり上がっていきます。
なぜ真皮中層を狙う?
真皮(表皮の下にあり、肌を支える内側の層)には、コラーゲンというたんぱく質の繊維が網目状に絡み合っています。コラーゲンは肌を支える柱のような役割を担っていますが、年齢を重ねるとこの柱は次第に細く緩んでいきます。
ソフウェーブが狙う深さはおよそ1.5ミリメートル前後で、コラーゲンを作る細胞(線維芽細胞)が最も多く集まっている真皮中層にあたります。浅すぎるとコラーゲン細胞が少なく刺激効果が落ち、深すぎると神経や血管が通る層まで触れてしまう恐れがあるため、この中間の深さが効果と安全のバランスポイントとして設定されています。
例えば、表皮に近い浅い層を誤って刺激すると色素沈着のリスクが高まり、逆に皮下脂肪まで達してしまうと、コラーゲンより先に脂肪細胞が反応してしまい、肝心のハリ改善効果はかえって薄れてしまいます。そのため、ソフウェーブはコラーゲン細胞が密集している狭い深さの範囲だけを選んでエネルギーを使います。
熱が通ったあと、コラーゲンはどうできる?
ビームが作る熱凝固ゾーンの温度は、瞬間的にコラーゲン繊維を変性させるほどまで上がります。コラーゲン繊維がわずかに収縮するこの変化が体には傷のように認識され、次のような回復過程が続くとされています。
- 熱刺激を受けた部位で線維芽細胞が活性化します。損傷のシグナルを受けた細胞が修復作業を始める段階です。
- 施術後4週間から12週間にかけて、新しいコラーゲンとエラスチン(肌が伸びても元に戻る働きを持つたんぱく質)が作られます。既存の柱の隣に新しい柱を立てていく過程だと考えるとわかりやすいでしょう。
- 新しく作られた繊維が定着していくにつれ、肌のきめが少しずつ整っていきます。この再構築過程は通常、施術後3か月から6か月かけてゆるやかに現れるという報告があります。
温度の幅をなぜここまで狭くする?
コラーゲンたんぱく質は、ある一定の温度を超えたときにだけ構造が崩れます。卵の白身が低い温度ではそのままでも、熱を加えるとある瞬間から急に白く固まるのと似た原理です。
ソフウェーブが狙う温度は、コラーゲンが反応を始める地点よりは高く、組織が焦げてしまう地点よりは低い、狭い範囲に合わせられています。温度がこの範囲より低いとコラーゲン刺激が十分に起こらず、逆に高すぎると組織損傷につながるため、ビーム一本一本の強度と周波数を精密に計算してこの範囲に収まるよう設計されていると説明されています。
肉を焼くとき、弱火では表面しか温まらず、強すぎる火では表面が焦げてしまうのと似た理屈です。ソフウェーブがこの狭い温度範囲にこだわる理由も同じで、範囲を少しでも外れると刺激不足になったり、逆に組織が傷んだりする結果につながるため、温度の幅を広く取らないようにしているのです。
HIFUとはどこが違う?
超音波を使うリフティング機器の中には、HIFU(高密度焦点式超音波、一つの焦点を非常に狭く深く集める方式)という種類もあります。HIFUは主に筋膜層(SMAS、顔の筋肉を包む薄い膜)まで到達し、下に垂れた組織を引き上げることに重点を置いています。
ソフウェーブはこれより浅い真皮中層に、複数の平行なビームを並べて照射し、広い面積を均一に刺激する非集束方式です。そのため、垂れた組織を強く引き上げる効果よりも、肌のきめとハリを密に満たしていく方向に近いとされています。両方式ともコラーゲンを刺激するという原理は同じですが、狙う深さと組織が異なるというわけです。
たとえるなら、HIFUは虫眼鏡で太陽光を一点に集めて紙の一か所を焦がす方式に近く、ソフウェーブは小さな照明を複数、広い面積に並べて全体をやわらかく温める方式に近いといえます。そのため、たるみがはっきりしている部位を引き上げたいならHIFUのほうが、肌のきめとハリを全体的に満たしたいならソフウェーブのほうが目的に合っています。
効果はいつから現れ、どれくらい続く?
コラーゲンが新しく作られるまでには時間がかかるため、効果も一度に現れるというより、徐々に現れるという報告が多く見られます。
- 施術は通常1回で行われるケースが多いです。複数のビームが広い面積を一度に照射する方式であるため、何度も回数を重ねなくても十分な刺激が得られると説明されています。
- 効果は施術直後よりも4週間から12週間の間に徐々に実感され、6か月頃まで続くとされています。コラーゲンが新しく定着するのに、それだけの時間が必要だからです。
- 持続期間は個人の肌状態や老化のスピードによって差があるため、定期的なメンテナンス施術を併用するケースが多いと報告されています。
施術直後の反応と相性のよい悩み
ビームが通過する間、表皮自体には火傷を起こすほどの熱は残らないとされていますが、真皮の中で瞬間的に温度が上がる過程であるため、肌表面にも軽い反応が一緒に現れることがあります。施術直後、顔がわずかに赤くなったり、ほんのりとほてる感じが1時間から6時間ほど続くことがあると言われています。これは肌表面が傷ついているわけではなく、その奥でコラーゲンの再生がちょうど始まったサインに近いため、特別な回復期間を設けずそのまま日常生活に戻るケースが多いと報告されています。
ソフウェーブが狙う真皮中層は、顔全体に均一に広がっている層です。そのため、特定の一か所を強く引き上げるというより、顔全体のきめとハリをやわらかく満たす方向に焦点が合わせられています。この特性から、目に見えて垂れた組織を引き上げたい場合よりも、肌のきめが粗くなったりハリが少しずつ落ちてきたりする初期老化の段階のほうが向いているという説明が多く見られます。たるみがすでにはっきりしている場合は、筋膜層まで刺激する他のリフティング方式と併用して検討するほうが助けになると言われています。どちらの方式が合うかは、今の肌が老化のどの段階にあるかによって変わってくるというわけです。
References
Korean Dermatological Association, Ministry of Food and Drug Safety (MFDS), American Academy of Dermatology (AAD), and U.S. Food and Drug Administration (FDA).
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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
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