オンダリフティングがマイクロ波で脂肪とたるみを一度にケアする仕組みと部位別の効果
By Dr. Kim1 min read

二重あご、二の腕、脇腹のたるみについてカウンセリングを受けると、オンダという機器の名前をよく耳にします。脂肪も減らせて肌も引き締まるという説明を聞くと、1つの機器で本当に2つの効果が同時に出るのか気になるものです。
オンダは、マイクロ波(電子レンジに使われているのと同じ種類の電磁波)を肌の内部に送り込む機器です。ではなぜマイクロ波を使うのか、そしてなぜ脂肪を減らすこととハリを引き締めることが同じ1回の熱刺激で一緒に起こるのか、その理由は組織ごとに異なる熱への反応の中に隠れています。以下でその内側の仕組みを1つずつひも解いていくと、1回の施術がなぜ2つの結果につながるのか理解しやすくなります。
マイクロ波はなぜ電子レンジのように体の中を温めるのでしょうか?
電子レンジに水の入った器を入れると食べ物が熱くなるのは、マイクロ波が水分子を揺さぶるからです。水分子は片方がプラス、もう片方がマイナスの電気を帯びた小さな磁石のような構造をしていて、マイクロ波が1秒間に数十億回も向きを変えると、水分子もそのリズムに合わせて揺れ続けます。この揺れが摩擦熱に変わり、温度が上がっていきます。反対に、乾いた紙切れだけを入れて長く回してもあまり熱くならないのは、揺れる水分子そのものが少ないからです。そのため、マイクロ波は体の中でも水分を多く含む組織ほどよく反応します。
オンダも同じ原理を利用しています。ただし電子レンジのように食品全体を温めるのではなく、肌の中の特定の深さにある組織を選んで温めるように設計されています。体の組織はそれぞれ水分を含む度合いが違うため、マイクロ波の周波数と到達する深さを調整すれば、どの層をより強く温めるかをある程度コントロールできます。例えば水分の多い真皮は比較的低いエネルギーでも温度が上がりやすい一方、水分が相対的に少ない脂肪層は、もう少し強く長く照射しないと同じくらいの温度に届きません。この違いを利用して、層ごとに照射時間と強さを変えることができます。
レーザーや超音波のように光や音の波を使う機器と比べると、マイクロ波は波長が長いため、狭い一点ではなく広い面を均一に温められるという違いもあります。そのため、1回の照射でも比較的広い範囲を均一な温度に整えられると説明されています。
熱が肌表面ではなく脂肪層まで届く仕組みとは?
ハンドピースの先端には冷却プレートが付いていて、施術中ずっと肌表面を冷やし続けます。こうすることで、マイクロ波が届いている間も、肌の一番外側は火傷のリスクなく低い温度に保たれます。
同時に、マイクロ波は決まった周波数のおかげで肌表面を通り抜け、その下にある真皮(肌を支える内側の層)や皮下脂肪層まで届きます。表面は冷却で冷やしつつ内側はマイクロ波で温める、この表と裏を別々に扱う組み合わせによって、火傷のリスクを抑えながら深い層に十分な熱を伝えられるのです。たとえるなら、フライパンの持ち手に保冷剤を当てながら、中の食材はしっかり火を通しているような状態です。持ち手にあたる肌表面は冷たく守りつつ、内側の脂肪層だけを熱くしているわけです。
脂肪細胞はなぜ熱に弱いのでしょうか?
脂肪細胞は、細胞の中に脂肪の粒をぎっしり詰め込んだ特殊な構造をしています。この構造のため、脂肪細胞の膜はほかの細胞に比べて熱刺激に敏感に反応すると言われています。水分を多く含む筋肉や皮膚の細胞と違い、脂肪細胞は内部がほぼ脂肪で満たされているため膜が比較的薄くもろいのです。そのため、同じ温度でも脂肪細胞の膜のほうが先にダメージを受けやすくなります。
一定以上の温度が一定時間続くと、脂肪細胞の膜が傷つき、細胞が自ら死んでいく過程(アポトーシス)が始まります。死んだ脂肪細胞はその場ですぐに消えるわけではなく、体の老廃物処理ルート(リンパ系)を通って6週間から12週間かけてゆっくり排出されます。そのため脂肪減少の効果は施術当日ではなく、その後6週間から12週間かけて少しずつ現れると説明されています。冷凍庫から出したばかりのバターが常温に置かれると徐々に溶けていくように、脂肪細胞も一度に消えるのではなく、時間をかけて少しずつ体積が減っていきます。
コラーゲンは同じ熱でなぜ縮み、また作り直されるのでしょうか?
コラーゲンは、肌を支える柱のようなたんぱく質の繊維です。この繊維は特定の温度域に触れると、まるで茹でた麺のように物理的に縮む性質があります。この即座に起こる収縮が、施術直後に肌がキュッと引き締まったように感じる理由です。輪ゴムをお湯に浸すと瞬間的に縮むのと同じような仕組みです。
熱刺激の働きはここで終わりません。熱が加わった真皮組織はダメージを受けたと認識され、それを修復するために線維芽細胞(コラーゲンを作る細胞)が活性化します。線維芽細胞は4週間から12週間かけて新しいコラーゲンを作り出し、この過程はコラーゲンの再生と呼ばれます。すぐに起こる物理的な収縮と、時間をかけて現れるコラーゲンの再生が重なり合うことで、ハリの改善効果が続いていきます。傷が治りながら新しい皮膚が作られるように、熱刺激を受けた真皮も回復の過程を経て、より引き締まった組織へと変わっていくのです。
脂肪とハリを一度にケアするとはどういうことでしょうか?
ここまで説明した2つの反応、つまり脂肪細胞が死んでいく過程とコラーゲンが収縮してまた作り直される過程は、実は同じ熱刺激から同時に始まっています。マイクロ波が皮下脂肪層の周辺を温めると、その熱が脂肪細胞と、それを取り囲む真皮のコラーゲンの両方に伝わるためです。たい焼きの型に生地とあんこを一緒に入れて焼くと両方が同時に火が通るように、肌の中でも脂肪層とコラーゲン層が近くに接しているため、1回の熱で両方の組織が同時に反応するというわけです。
- 脂肪細胞は膜がもろく反応する温度が低めなので、比較的短い熱の照射でもアポトーシスの反応が始まりうると説明されています。
- コラーゲン繊維は脂肪細胞よりやや高い温度で、収縮と再生の反応が一緒に起こると言われています。
- この2つの組織が肌の中で互いに近くに位置しているため、1か所に伝わった1回の熱で脂肪とコラーゲンが同時に刺激される仕組みができあがります。
こうした理由から、オンダは脂肪減少用とタイトニング用を分けず、1回の施術の中で2つの反応を同時に狙う機器だと説明されているのです。
顔とボディではどのように使い分けられるのでしょうか?
顔とボディでは肌の厚みや脂肪層の深さが異なるため、同じ原理でも使い方が変わります。
- 顔は神経や血管が密に走っており肌も薄めなので、到達深度を浅めに設定しエネルギーも抑えめにして、二重あごやほうれい線のような狭くデリケートな範囲を丁寧に扱うことに重点が置かれます。
- ボディは脂肪層が厚く面積も広いため、より深い層まで熱を届かせるために到達深度とエネルギーを顔よりも高めに設定し、お腹や脇腹、太ももといった部位を広く扱います。
- 使用するハンドピース(照射部位)のサイズも異なり、顔用は狭く精密に、ボディ用は広い面積を素早くカバーできるように作られています。
例えば、二重あごのような狭い範囲にボディ用の広いハンドピースを使うと必要以上に周囲まで熱が広がってしまい、逆にお腹のような広い範囲に顔用の狭いハンドピースを使うと時間ばかりかかって均一に温めにくくなります。同じマイクロ波の原理を使っていても、部位ごとに設定を変えるのはこのためです。
なぜ複数回に分けて受けると効果が積み重なるのでしょうか?
脂肪細胞が死んで排出されるまでの時間と、コラーゲンが新しく作られるまでの時間はそれぞれ異なるため、1回の施術ですべての変化が終わるわけではありません。体が反応する時間を与えてから再び刺激を加える形で、4週間の間隔をあけて4回から5回にわたって進められます。運動した翌日にすぐ筋肉が強くなるのではなく、2日から3日かけて回復しながら引き締まっていくように、肌の中のコラーゲンも刺激と回復を繰り返しながら少しずつ厚みを増していきます。
4週間の間隔を空けて繰り返すと、前回の施術ですでに一部再生されたコラーゲンの上に新しい刺激が加わり、変化が積み重なっていくと説明されています。あまりに短い間隔で繰り返すと、まだ回復途中の組織に刺激が重なり、かえってむくみや刺激が続いてしまうことがあるため、4週間以上の間隔を空けることが推奨されています。
効果はどれくらい続き、どうケアすればいいのでしょうか?
新しく作られたコラーゲンも、時間が経つと自然な老化の過程に沿って再びゆっくり減っていきます。紫外線、喫煙、繰り返す体重の増減といった要因は、コラーゲンが減るスピードを早める可能性があると言われています。鉢植えに水をこまめにあげてこそ葉が生き生きと保たれるように、コラーゲンも紫外線対策や禁煙といったケアを続けることで、新しくできた分が長く維持されます。
そのため、最初に受けた施術の効果がそのままずっと続くというよりは、時間とともに徐々に自然な状態へ戻っていくと考えるほうが現実的です。この理由から、6か月から12か月ごとに追加の施術を受けてコラーゲン再生の刺激を改めて与えるケア方法が、あわせて勧められることが多くあります。
普段から日焼け止めを欠かさず、急激な体重変化を避けることも、効果を長持ちさせる助けになると言われています。結局のところオンダは1回で完結する施術ではなく、脂肪とコラーゲンという性質の異なる組織それぞれの反応の速さを理解し、そのリズムに合わせて4週間間隔で4回から5回受け、その後6か月から12か月ごとにケアしていく施術だと捉えるほうが、その仕組みに即しています。
References
Korean Dermatological Association, Ministry of Food and Drug Safety (MFDS), American Academy of Dermatology (AAD), and U.S. Food and Drug Administration (FDA).
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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
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