セルフ高周波が2つの周波数で浅く深く温めて顔の弾力を整える仕組みと回数、持続期間
By Dr. Kim1 min read

顔の弾力が落ちてきたと感じたこと、誰しも一度はあるのではないでしょうか。鏡を見るたびに理由が気になっても、その原因をはっきり説明するのは意外と難しいものです。皮膚の内側をのぞいてみると答えは案外シンプルで、皮膚を支える柱のような組織であるコラーゲンが、年齢とともに少しずつ減っていくからです。
セルフ(Xerf)は高周波、つまりRF(Radiofrequency)エネルギーでこのコラーゲンを刺激するリフティング機器です。ほかの高周波機器と違うのは、1つの周波数ではなく2つの周波数を同時に使う点で、理由はシンプルです。皮膚の深さごとにたるみの原因が少しずつ異なるため、深さに応じて違う刺激が必要になるからです。今回は、この機器がどのような仕組みで顔を引き上げるのか、その過程を1つずつ詳しく見ていきます。
高周波エネルギーはなぜ皮膚の内側で熱を生み出すのでしょうか?
高周波は電気エネルギーの一種です。このエネルギーが皮膚組織を通過するとき、組織内の水分やイオンが電場の向きに合わせて1秒間に数百万回という速さで向きを変えながら動き、その過程でぶつかり合います。
電線に電流が流れると電線自体が熱くなるのと似た原理です。組織そのものが抵抗にぶつかって摩擦熱を生み出すため、レーザーのように光エネルギーを表面に照射する方式とは、熱が生まれる経路そのものが異なります。こうして生まれた熱が真皮内のコラーゲン線維に伝わることで、リフティング反応が始まります。
両手を素早くこすり合わせると手のひらが温かくなるのも同じ理屈です。こすった回数が多いほど熱がたまっていくように、高周波も短時間にどれだけ頻繁に向きを変えるかによって生まれる熱の量が変わります。だからこそ、組織の奥まできめ細かくエネルギーを届けることがこの機器の核心になります。
この方式の利点は、表面よりも内側から温まっていくことです。電子レンジが食品の表面ではなく内部まで均一に温めるのと似ていて、表皮への刺激は比較的抑えながら、その下の真皮側に熱をより多くためるよう調整できます。
周波数が低いときと高いときで、届く深さはなぜ違うのでしょうか?
同じ高周波でも、周波数の値によって皮膚内で届く深さは変わります。周波数が低いほど組織の抵抗を受けにくく、より深い層までエネルギーが伝わる傾向があり、周波数が高いほど比較的浅い層でエネルギーが消費されやすくなります。
ラジオ放送を思い浮かべると理解しやすいでしょう。低い周波数は障害物を越えて遠くまで届き、高い周波数は近い範囲により集中するのと似た理屈です。セルフはまさにこの性質を利用して、狙う深さを使い分けています。
さらに、組織ごとにどれだけ電気が通りやすいか、つまり抵抗値(インピーダンス)も深さに影響します。脂肪層は水分が少なく抵抗が大きく、真皮は水分が多く抵抗が小さめです。こうした組織ごとの抵抗差まで計算に入れて、機器は狙った深さに熱が集まるようエネルギーを調整します。
抵抗の大きい組織を通るときは砂浜を歩くのに似ていて、一歩ごとに力が余計にかかり、その場でエネルギーが大きく消費されて熱に変わります。反対に抵抗の小さい組織は舗装道路を歩くように力が少なくて済み、エネルギーが通り抜けやすくより奥の層まで進みます。そのため脂肪層の近くでは熱がたまりやすく、水分の多い真皮ではエネルギーが比較的スムーズに通過します。
セルフはなぜ2つの周波数を一緒に使うのでしょうか?
顔がたるむ原因は1つの層だけで生じるわけではありません。浅い真皮ではコラーゲンが減って小じわや浅いたるみが生じ、もっと深い層では皮膚を支える筋膜(SMAS、顔全体を包む薄い膜で、服の裏地のような役割をする組織)が緩んで全体のボリュームが下がります。
セルフは浅い層向けの周波数と深い層向けの周波数を同時に照射し、2つの層を一度に刺激します。そのため1つの層だけを温める機器よりも、たるみの複数の原因に同時にアプローチできる点が特徴として挙げられます。
層を分けて刺激するのにはもう1つ理由があります。浅い層まで温められるほど強いエネルギーを深い層だけに集中させると、表皮側は刺激が不足し、深い層は必要以上に熱くなってしまうことがあります。逆に浅い層に合わせて出力を設定すると、深い層まで熱が十分に届きません。そのため、それぞれの層に合った出力を別々に設定し、同時に届ける方式が必要になります。
たとえるなら、薄い布団1枚よりも厚さの違う布団を2枚重ねて掛けたほうが、体全体がむらなく温まるのと似ています。浅い層と深い層それぞれに合わせた出力を同時に流すことで、片方だけに気を取られてもう片方を見落とすことが少なくなります。実際、額や頬のように脂肪と筋膜が両方存在する部位は、1つの層だけを刺激してもたるみが改善しにくいケースが多いとされていて、2つの周波数を併用する方式が臨床の現場で好まれています。
熱を受けたコラーゲンは、なぜ施術直後から引き締まる感覚があるのでしょうか?
コラーゲンは3本の鎖がらせん状に絡み合った構造をしています。このらせんは一定の温度以上に温められると構造がほどけ、瞬間的に長さが短くなる性質があり、まるで熱を受けたバネが縮こまる様子と似ています。
そのため施術直後にも皮膚が少し引き締まったように感じることがあり、これはコラーゲンが熱に反応して即座に収縮するためです。ただし、この即時反応はあくまで始まりにすぎず、本当の変化はそこからゆっくりと起こっていきます。
この現象は肉を焼くときにも同じように見られます。焼く前は広がっていた肉の繊維が熱を受けると少し縮んで厚みが出ますが、このとき縮む成分こそ肉の中のコラーゲンです。皮膚の中のコラーゲンも同じタンパク質なので、熱を受けると似たような反応を示します。
ただし人の皮膚は肉のように加熱し続けるのではなく、組織が傷まない範囲の温度まで短時間だけ温めます。収縮は起こしつつ組織そのものは傷つけないよう調整することが、この施術の核心となる技術です。収縮したコラーゲンはそれ自体で皮膚を軽く引き上げてくれますが、時間が経つと再び緩む部分もあるため、直後の引き締まり感だけで全体の効果を判断するのは早計です。
時間が経つにつれて、コラーゲンはどのように新しく作られるのでしょうか?
熱刺激を受けた組織は、小さな傷を負ったときのように回復反応を始めます。真皮にある線維芽細胞(コラーゲンを作り出す細胞の工場のようなものと考えてください)が活性化し、新しいコラーゲンとエラスチンを作り始めます。
この過程は1日2日で終わるものではなく、通常は数週間から数か月かけて少しずつ進むとされています。そのため、セルフの効果は施術当日よりも時間が経つにつれてはっきり現れるケースが多いという報告があります。
古い壁を壊して新しいレンガを1つずつ積み上げる工事に時間がかかるように、細胞も新しいタンパク質の鎖を作り、緻密に並べるには時間が必要です。この過程を無理に早めようとすると、かえって組織が粗く積み上がってしまうことがあるため、数週間かけてゆっくり進むほうがより強固な結果につながるとされています。
この時期に新しく生まれるコラーゲンは、そのほとんどがIII型コラーゲンです。もともと幼い頃の皮膚に多く含まれる、柔らかくしなやかなタイプで、年齢を重ねるほど硬いI型コラーゲンの割合が高くなることが知られています。たとえるならIII型コラーゲンは柔らかいゴムひも、I型コラーゲンは張りのあるロープに近いイメージです。熱刺激はIII型コラーゲンの産生を再び増やす方向に働くと報告されており、単に量を増やすだけでなく、若い頃に近い構成へと戻していく効果まで期待できます。
何回くらい受ければよく、効果はどのくらい持続するのでしょうか?
コラーゲンが新しく作られるには時間がかかるため、セルフも1回で終わらせるより、一定の間隔を空けて複数回受ける方法が勧められることが多くあります。回数を分ける理由は次のとおりです。
- 1回の施術だけでは線維芽細胞を十分に刺激しにくいため、刺激を繰り返してコラーゲンの生成量を積み重ねる方法がよく用いられます。
- コラーゲンが新しく蓄積し、再配列されるまでには時間が必要なため、通常は数週間の間隔を空けて次の回を行います。
- コラーゲンは時間の経過とともに自然に減っていく組織であるため、効果を保つには一定の周期でメンテナンス施術を受けることが多くなります。
ジムで筋トレを1回しただけでは体が大きく変わらないように、コラーゲンも1回の刺激だけで目に見えて変わるのは難しいものです。刺激が積み重なるほど反応する線維芽細胞の数も増えるとされていて、一定の間隔を空けて繰り返す方法が結果を積み上げるうえで有利です。間隔が短すぎると組織が十分に回復する前に再び刺激を受けて負担になりかねず、逆に長すぎると先に得られた効果が薄れてから次の刺激が入るため、もったいない結果につながることもあります。
持続期間は個人の肌の状態や老化のスピードによって差が大きく、特定の期間で一律に言い切るのは難しいとされています。ただ、コラーゲンが新しく作られるのとは別に、時間が経てば再び自然な老化が進むため、1回の施術で一生効果が続くわけではないという点を事前に理解しておくと、期待値を合わせるうえで役立ちます。
どんな人に向いていて、事前に知っておくとよい点は何でしょうか?
セルフは主に初期から中程度のたるみがある方に検討される施術です。輪ゴムも古くなって伸びきってしまうと、いくら引っ張っても最初の弾力には戻らないように、皮膚もたるみが強い状態では熱刺激だけで元に戻すのに限界があります。すでに組織がかなり緩んでいる場合は、外科的なリフティングとは得られる効果の幅が異なるとされる理由でもあります。
心臓ペースメーカーを使用している場合や妊娠中の場合、皮膚に急性の炎症や傷がある場合は施術を避けることが勧められます。体内に金属製のインプラントがある場合も、そちらに電流が集中する可能性があるため事前に伝えておくとよいでしょう。
施術直後は一時的に赤みやむくみが出ることがありますが、これは熱刺激に対する正常な反応として報告されています。多くの機器はチップの先端でリアルタイムに組織温度を測定し、設定した範囲を超えないよう調整する仕組みも併用しているため、過度に熱くなる状況を防ぐのに役立つとされています。車のメーターが速度を常に表示して運転者が速度超過を避けやすくするように、このセンサーも温度が危険な水準に達する前に知らせる役割を果たします。自分の肌の状態やたるみの程度、既往歴に合った施術かどうかは、施術前に専門医とじっくり相談して確認することが安全です。
References
Korean Dermatological Association, Ministry of Food and Drug Safety (MFDS), American Academy of Dermatology (AAD), and U.S. Food and Drug Administration (FDA).
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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
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