フィラー施術後の注意点、腫れとあざのケアと持続期間まで
By Dr. Kim1 min read

フィラーを注入すると、多くの人はその場ですぐにボリュームが入ったことを実感します。ですが実際の仕上がりは施術直後ではなく、その後数週間かけて組織が定着していく過程の中で完成していきます。そしてこの回復期間に何をして何を避けるかによって、むくみやあざがどれくらい早く引くか、フィラーが望んだ位置にどれだけ長くとどまるかが変わってきます。施術直後から数日、数週間にわたって順番に気をつけたいポイントを見ていきます。
フィラーを打つとなぜ腫れてあざになる?
フィラーを注入する際は、細い針やカニューレ(先端が丸くなった細い管状の注入器具)が皮下組織を通っていきます。その過程でごく小さな血管や組織がわずかに圧迫されたりこすれたりしますが、体はこれを傷として認識し、その部分に体液を送って回復反応を働かせます。そのため施術直後は、まずむくみが現れます。
あざは少し違う理由で生じます。針が通る際にごく小さな毛細血管が破れると、その中の血液が皮膚の下にわずかににじみ出て、それが皮膚表面に透けて赤や青紫のあざとして見えるのです。またヒアルロン酸(HA)フィラーの成分自体に水分を引き寄せる性質があるため、施術後1〜2日は実際より腫れて見えることがあります。こうした初期のむくみやあざはほとんどが正常な回復反応で、血管の分布や皮膚の厚さは人によって異なるため、程度の差も大きくなります。唇や目の下のように血管が浅い部位ほど、同じ施術でもあざが目立ちやすい傾向があります。
冷やすのと温めるのはいつ切り替える?
施術後最初の1〜2日は冷湿布が先です。冷たい温度は血管を収縮させるため、血液がにじみ出る量そのものを減らしてくれます。あざやむくみが大きくなる前に、あらかじめ抑えておく効果があるのです。ただし氷を直接肌に当てると組織を傷めることがあるため、薄い布で包んで短時間ずつ何度も当てるようにします。
2日ほど経つと状況が変わります。今度は破れた血管からすでに漏れ出た血液の色素を体が吸収して取り除く段階に入るため、むしろその部分の血流を増やす方が助けになります。温湿布は血行を促進し、残っているあざを早く消していく方向に作用します。冷湿布から温湿布へ切り替えるタイミングを守ることが、回復のスピードに影響します。
運動とサウナは何日避ける?
激しい運動は心拍数を上げ、血圧を上昇させます。血圧が上がると血管内の圧力もそれだけ強くなるため、すでに弱くなっている毛細血管からさらに出血しやすくなります。そのため施術後1〜2日は、強度の高い運動を避けることが勧められます。
サウナや岩盤浴、熱いシャワーも同じような理由で数日避けた方がよいでしょう。熱は血管を広げる方向に働き、血流量そのものを増やしますが、これがむくみやあざをかえって大きくすることがあります。さらに、まだ組織の中に完全に定着していないフィラーの周りに血流やむくみが集まると、成分が本来の位置から少しずつずれる可能性もあると案内されています。そのため熱を伴う環境からは、2日から数日ほど距離を置く方が安全です。
フィラーが動かないようにする方法
フィラーは、針が通った跡にできた小さな空間に収まる形で定着していきます。しかし、この空間が完全に安定する前に手で強く押したりこすったりすると、まだ固まっていない成分が横に押しやられ、本来注入した位置からずれてしまうことがあります。このように成分が移動することを、一般にフィラーのズレと呼びます。
そのため施術後しばらくは、洗顔やメイクの際もその部位を強くこすらないようにします。眼鏡やマスクのゴムのように特定の部位を常に圧迫するものも、できるだけ圧がかからないよう調整する方が安全です。ただし、医師から直接その部分を軽く整えるよう指示された場合は例外なので、自己判断でマッサージするより、クリニックの指示に従うのが原則です。
お酒や痛み止めはあざに影響する?
お酒には血管を広げる性質があり、それ自体で血流量を増やします。さらに血液が固まる過程、つまり血液凝固の働きを弱める効果もあるため、一度にじみ出た血が止まりにくくなります。この二つが重なることで、飲酒した翌日にあざが特に大きく見えることがあります。そのため施術の前後1日程度は、飲酒を控えることが勧められます。
イブプロフェンやアスピリンのような痛み止めも、同じような方向に働きます。これらの薬には血小板が集まって傷口をふさぐ働きを抑える成分が含まれているため、止血の速度そのものを遅くします。痛みがあってどうしても痛み止めが必要な場合は、こうした成分を含まない薬に変える方が助けになるとされており、服用前にはクリニックに確認しておくと安心です。
すぐに病院へ行くべきサイン
むくみやあざは通常数日以内にほとんど引き、仕上がりは2週間ほどで確認できることが多いとされています。ただし、ごくまれに次のようなサインが現れた場合は正常な回復反応ではない可能性があるため、すぐにクリニックへ連絡する必要があります。
- 時間が経つほどかえって強くなる痛み: フィラーが誤って血管を圧迫したりふさいだりすると、その部位への血流が不足して痛みが徐々に強くなることがあるためです。
- 皮膚の色が青白くなったり、紫色やまだら模様に変わったりする: 血管が詰まって酸素が届かなくなると皮膚の色がまず変化するため、これは血流が遮断されていることを知らせる初期のサインだからです。
- 目の周りの施術後に視界がぼやけたり頭痛がひどくなったりする: 目につながる血管にまで影響が及ぶと視力に問題が生じることがあるため、この場合は特に急ぐ必要があるからです。
- 腫れている部分に熱感とともに膿や発熱を伴う: 細菌感染が同時に起きている可能性を意味するためです。
こうした血流が遮断された状況では、ヒアルロニダーゼ(HA フィラー成分を分解する酵素)をその部位に注射して、詰まっている成分を素早く溶かし、血流を再び通す方法で対処します。そのため、サインに気づいたら我慢せずすぐに連絡することが回復にとって重要です。

紫外線対策と持続期間
紫外線は肌の中のコラーゲンを徐々に分解する方向に働き、あざが残っている肌では色素がより濃く定着してしまうこともあります。そのため施術後は日焼け止めを普段よりこまめに塗ることが、回復中の肌を守り、あざの跡が均一に薄くなっていくのに役立ちます。
フィラーは時間が経つにつれ、もともと体内にある酵素が成分を少しずつ分解していくことで自然に減っていきます。そのため一般的には6か月から12か月ほど効果が持続するとされており、代謝のスピードや施術部位、注入量によって個人差があります。紫外線対策とあわせて禁煙や十分な水分補給といった日頃の習慣を意識すると、効果が持続している間の肌状態をより良く保てるとされています。また、効果が薄れてくる時期が近づいたらクリニックに相談してタイミングを決めると、たるみが目立つ前に自然な形で続けていくことができます。施術部位や注入量、製品の特性によって分解のスピードは少しずつ異なるため、正確な再施術の時期はクリニックで直接確認する方が安全です。
References
Korean Dermatological Association, American Academy of Dermatology (AAD), and Ministry of Food and Drug Safety (MFDS).
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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
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