prettytime
Acne

ニキビ跡の赤み、茶色い色素沈着や瘢痕との違いとPDLレーザーによるケア方法

By Dr. Kim1 min read

ニキビがようやく治まったのに、その跡に赤みが残って長く続くことがよくあります。かさぶたが取れた後も赤い跡がそのままだと、まだ治りきっていないようで気になるものです。メイクで隠すのも簡単ではありませんし、このまま瘢痕になってしまうのではないかと不安にもなります。

まず安心していただきたい点からお伝えします。この赤い跡はほとんどの場合、瘢痕ではなく、時間とともに薄くなっていく跡です。医学的には炎症後紅斑、略してPIEと呼びます。ニキビという炎症が治まる過程で、その下の毛細血管が広がり、皮膚が赤く透けて見える状態です。茶色く残る色素沈着とも違いますし、へこんだり盛り上がったりする瘢痕とも異なります。なぜ赤く残るのか、どれくらい待てばいいのか、そしてどうやって薄くしていくのか、一つずつ説明します。

ニキビ跡の赤み、茶色い色素沈着や瘢痕とはどう違うのか?

赤い跡を色素沈着や瘢痕と勘違いする方が少なくありません。ですが、この三つは原因もケアの方法もそれぞれ異なります。まず赤い跡は、ニキビという炎症が残した跡で、その下の毛細血管が広がって赤く透けて見える状態です。色は淡い赤みで、表面はなめらかです。

一方、色素沈着は赤みではなく茶色です。これは皮膚が刺激を受けて、メラニンという茶色い色素を過剰に作ることで生じます。つまり赤い跡は血管の問題、茶色い跡は色素の問題と、根本から違います。そして瘢痕は色ではなく皮膚の凹凸の問題で、へこんだり盛り上がったりして触るとでこぼこしています。

簡単に見分ける方法もあります。指先で跡を軽く押してみると、赤い跡は一瞬白くなってからまた赤くなります。押されて血管から血が抜け、また戻ってくるためです。一方、茶色い色素や瘢痕は押しても色が変わりません。下の表に三つの違いをまとめました。

区分原因表面
赤い跡(PIE)赤み毛細血管の拡張なめらか
色素沈着(PIH)茶色メラニン過剰なめらか
瘢痕肌色、赤み真皮の損傷へこみ、隆起

ニキビの炎症が毛細血管を広げて赤い跡が残る過程を示した図

ニキビ跡はなぜ赤く残るのか?

赤く残る理由は、炎症と毛細血管にあります。ニキビが化膿している間、その部分には強い炎症が起こります。体はこの炎症を収めようと、その部位に多くの血を送りますが、このとき血が通る毛細血管が広がり、新しく作られます。ニキビが治まった後も、この広がった毛細血管がすぐには縮まずに残り、皮膚が赤く透けて見えるのです。この毛細血管は、目に見えるニキビが消えたからといってすぐになくなるわけではありません。むしろ炎症が残した跡のようにしばらくその場にとどまり、体が少しずつ整理しながら徐々に減っていきます。

つまり赤い跡は色素ではなく、血管が透けて見えているものです。薄く透明感のある肌ほど、その下の赤い血管がよく透けて見えます。実際、色白の肌では赤い跡がより長く、より濃く残る傾向があります。反対に、メラニンが多い肌では同じ刺激が茶色い色素沈着につながりやすくなります。

そして必ず気をつけたい点があります。ニキビを潰したり無理にはがしたりすると、炎症がより深く広範囲に広がります。そうなると毛細血管もそれだけ広がり、赤い跡が濃くなって長引きます。赤い跡を減らす第一歩は、跡を作る炎症をこれ以上大きくしないことです。

ニキビ跡の赤みが自然に薄くなるまでの期間を、ニキビの程度別にまとめた図です。軽い小さなニキビの跡はたいてい1ヶ月から3ヶ月で薄くなり、ニキビ自体が落ち着けば通常3ヶ月から6ヶ月の間に目立たなくなります。ただし化膿する嚢胞性ニキビを大きく患った場合は、1年から2年ほど残ることもあります。ですから数週間で消えないからといって焦る必要はありません。
ニキビ跡の赤みが自然に薄くなるまでの期間を、ニキビの程度別にまとめた図です。軽い小さなニキビの跡はたいてい1ヶ月から3ヶ月で薄くなり、ニキビ自体が落ち着けば通常3ヶ月から6ヶ月の間に目立たなくなります。ただし化膿する嚢胞性ニキビを大きく患った場合は、1年から2年ほど残ることもあります。ですから数週間で消えないからといって焦る必要はありません。

自然に薄くなるのか、どれくらい待てばいいのか?

幸い、赤い跡はほとんどの場合、時間とともに薄くなっていきます。広がっていた毛細血管が少しずつ元に戻り、赤みが引いていくためです。ですから瘢痕のように一生残るものではありません。ただし、どれくらいかかるかはニキビがどれほど重かったかによって大きく変わります。

軽い小さなニキビが残した跡は、たいてい1、2ヶ月で薄くなります。ニキビ自体がきちんとケアされていれば、通常3ヶ月から6ヶ月の間に目に見えて薄くなります。しかし化膿する嚢胞性ニキビを大きく患った場合、赤みが1年から2年続くこともあります。そして一部はケアをせずに放置すると、数年単位で残ることもあります。ここには肌の色や紫外線を浴びる量も影響します。色白の肌ほど赤みがよく透けて長く目立ち、紫外線をよく浴びるほど回復が遅れます。

ですから数日で消えないからといって焦る必要はありません。赤い跡はもともとゆっくり消えていく跡です。ただ、その時間を早めたい場合や赤みが特に長引く場合は、この後で説明するレーザーや生活ケアで回復を助けることができます。何より、赤みが薄くなっていく間は、同じ場所に新しいニキビが再びできないように防ぐことが先決です。

エクセルVやVビームなどの血管レーザー機器

赤い跡はどうやって治療するのか?

赤い跡は毛細血管が透けて見える問題なので、血管を狙うレーザーで対処します。原理ははっきりしています。広がった血管の中の赤い血は特定の光をよく吸収するため、この光を照射すると、光を吸収した血管だけが熱を持って縮み、周囲の皮膚は保たれます。赤く透けていた血管だけをピンポイントで整理するわけです。

国内でよく使われる代表的な機器にVビーム(Vbeam)があります。595nmの黄色い光を使うPDL、つまり色素レーザーで、赤み治療の基本とされています。エクセルV(Excel V)は532nmと1064nmの二つの光を組み合わせて使い、赤みとシミを同時に扱います。クラリティ2(Clarity II)は755nmと1064nmで、血管と色素の両方をケアします。下の表に波長と特徴をまとめました。

機器波長特徴
Vビーム(Vbeam)595nm赤み治療の標準、冷却スプレー
エクセルV(Excel V)532 / 1064nm血管とシミを同時に
クラリティ2(Clarity II)755 / 1064nm血管と色素の両方に対応

赤い跡に再生レーザーだけを使った場合と、それに血管を狙うPDLを組み合わせた場合を比較した研究です。再生レーザーだけでは10人中およそ7人で赤みが落ち着きましたが、PDLを組み合わせると10人中9人近くまで上がりました。赤い跡には、血管を直接狙うPDLが大きな役割を果たすということです。
赤い跡に再生レーザーだけを使った場合と、それに血管を狙うPDLを組み合わせた場合を比較した研究です。再生レーザーだけでは10人中およそ7人で赤みが落ち着きましたが、PDLを組み合わせると10人中9人近くまで上がりました。赤い跡には、血管を直接狙うPDLが大きな役割を果たすということです。

効果は論文でも確認されています。595nmのVビーム系PDLでニキビの赤い跡を2回治療した研究では、参加者20人のうち90%で改善が見られました。ですから赤い跡は一度で全部取ろうとするより、数週間おきに分けて受けながら少しずつ薄くしていくのがよいでしょう。

自宅ではどうケアすればいいのか?

レーザーに劣らず、自宅でのケアが赤い跡の薄くなる速さを左右します。何より大切なのは紫外線対策です。紫外線は炎症と血管を再び刺激して赤みを長引かせ、さらに茶色い色素まで加わらせることがあります。ですから曇りの日や室内でも毎日日焼け止めを塗り、こまめに塗り直す必要があります。

塗る成分も助けになります。ナイアシンアミド(niacinamide)やツボクサから抽出したセンテラ(centella)成分は、赤みと刺激を和らげます。アゼライン酸(azelaic acid)は炎症と色素の両方を鎮めます。ただし、こうした成分も紫外線対策が伴ってこそ本来の力を発揮します。

反対に、避けるべきこともはっきりしています。まず赤い跡を手で潰したりはがしたりすると、赤みがより濃くなります。そして強い角質ケアや熱いサウナのように皮膚を刺激してほてらせる習慣も、赤みを悪化させます。下の表に、助けになるものと避けるべきものをまとめました。

助けになるもの避けるべきもの
毎日の紫外線対策手で潰す、はがす
ナイアシンアミド、センテラでの鎮静強い角質ケア
アゼライン酸熱いサウナ

ニキビの赤い跡をPDLで治療すると、1回より2回、回数を重ねるほど改善することを示した図です。1回受けたときは跡が約25%減り、2回目まで受けると約58%と半分以上減りました。一度で全部取ろうとするより、数週間おきに分けて受けながら少しずつ薄くしていくのがよいでしょう。
ニキビの赤い跡をPDLで治療すると、1回より2回、回数を重ねるほど改善することを示した図です。1回受けたときは跡が約25%減り、2回目まで受けると約58%と半分以上減りました。一度で全部取ろうとするより、数週間おきに分けて受けながら少しずつ薄くしていくのがよいでしょう。

瘢痕になる前になぜケアすべきなのか?

赤い跡そのものは、ほとんどの場合瘢痕ではありません。ですが、その赤い部分を長く放置すると瘢痕につながることがあります。赤みが残っているというのは、その下の炎症が完全には治まっていないサインであることがあります。同じ場所でニキビと炎症が繰り返されると、皮膚の中のコラーゲンが壊れ、へこんだ瘢痕として固まってしまうことがあります。赤い跡とへこんだ瘢痕はこうして一本の線でつながることがあり、両者を完全に無関係と見るのは難しいのです。

ですから、まだ赤いうちにケアするほうが有利です。皮膚がへこまず色だけ赤い段階なら、紫外線対策と鎮静だけでも改善する余地が大きくあります。赤みが長引いたり濃かったりする場合は、先ほど紹介した血管レーザーで回復を早めることができ、治療効果は回数を重ねるほど積み重なっていきます。

むしろ危ういのは、焦って行う自己流のケアです。赤いからといって刺激の強い製品をむやみに塗ったり、跡を何度も触ったりすると、かえって炎症が悪化して瘢痕のリスクが上がります。そして赤みが引き切る前に刺激の強い施術を重ねることも、皮膚を再び刺激して回復を遅らせます。赤い跡は潰さず、紫外線を防ぎ、必要であれば診察を受けて、瘢痕になる前にケアするのが最も近道です。

この記事は参考になりましたか?

About this article

診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

Read next

Acne

額のポツポツ、実はニキビじゃなく皮脂腺増殖症?違いと治し方

額や頬にできて、つぶしても消えない黄色っぽい粒があれば、それはニキビではなく皮脂腺増殖症かもしれません。皮脂腺が大きくなって中央がへこんだ丘疹ができる仕組みと、ニキビとの違い、電気焼灼で取り除く方法や再発しやすい理由まで、わかりやすくまとめました。

By Dr. Kim

Skincare

レーザー後にかえって黒ずんだ原因と炎症後色素沈着(PIH)の段階別ケア

レーザーやピーリング後にかえって黒ずむ炎症後色素沈着(PIH)がなぜ起きるのか、どの施術と肌タイプでリスクが高いのか、紫外線対策がなぜケアの半分を担うのか、エビデンスのある外用成分は何か、そして焦った再施術がなぜいちばん危険なのかを、誇張なしに説明します。

By Dr. Kim

Back to articles