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額のポツポツ、実はニキビじゃなく皮脂腺増殖症?違いと治し方

By Dr. Kim1 min read

鏡の前で額やこめかみをよく見ると、粟粒のように小さくて黄色みがかった粒がポツポツ触れることがあります。つぶしても何も出てこず、軟膏を塗っても2週間から4週間ほど経つのに、そのまま残っています。

多くの方はこれをニキビと勘違いしますが、実はこの粒の正体は、皮脂腺そのものが大きくなってできる皮脂腺増殖症であることが少なくありません。なぜその場所に、あの形でできるのか、そしてニキビとどう見分けて、どう取り除けるのかを一つずつ見ていきましょう。

皮脂腺は本来どんな働きをしているのか?

皮膚の中には、毛が生える毛包ごとに皮脂腺という小さな腺がついています。この腺は皮脂、つまり油分をつくり、毛包を通して皮膚の表面へ送り出す役割を担っています。皮膚に油分を行き渡らせて水分を逃がさないようにし、表面が乾燥しないよう守ってくれる、いわば小さな潤滑油工場のようなものです。

額や鼻、頬のように皮脂腺が特に多くて大きい部位はよくTゾーンと呼ばれますが、皮脂腺増殖症もこの部位にできやすいのが特徴です。

洗顔を終えても顔がひどく突っ張らないのは、この皮脂のおかげです。逆に皮脂がほとんど出ない部位は冬場にひび割れやすく、それだけ皮脂腺の一つひとつが毎日静かに働いているということでもあります。

皮脂腺が大きくなると、なぜぷっくりした粒ができるのか?

皮脂腺も他の細胞と同じように、古くなると自然に新しい細胞へと入れ替わります。ところが年齢を重ねるとこの入れ替わりのスピードが遅くなり、一つの皮脂腺の周りに小さな小葉、つまりぶどうの房のように集まった小さな袋状の構造がいくつも新たに増えて、まとまってしまうことがあります。

小葉の一つひとつが風船のように膨らみ、しかも数まで増えるため、皮膚の表面にぷっくりと盛り上がった黄色っぽい粒として触れるようになります。こうして腺そのものが量的に増える変化であることから増殖症という名前がついており、がんとは無関係な良性の変化です。

風船一つに空気を入れるのと、風船をいくつも束ねて一緒に膨らませるのとの違いを思い浮かべてみてください。小葉が一つ、二つと増えるほど束は太くなり、粒も次第に目立ってくるため、最初は小さかったものが5年から10年ほど経つと、ひと回り大きくなったように感じられることもあります。

真ん中がへこんでいるのはなぜか?

よく見ると、粒の真ん中が少しへこんでいるのがわかります。この場所はもともと皮脂が抜け出ていた通り道、つまり毛包の開口部があった場所です。

皮脂腺の小葉がこの通り道をぐるりと取り囲むように膨らみ、真ん中に穴だけを残してドーナツのように育つため、中心部が周りより低く押しつぶされたような形になります。この真ん中のくぼみは、皮脂腺増殖症を見分ける最も確実な手がかりの一つです。

ストローを何本も束ねると、真ん中の穴はそのまま残って周りだけが厚くなるのと似た理屈です。そのため指先でそっと押してみると、縁はぷっくりしていて真ん中はやや凹んでいるのが触れ、ルーペがなくても明るい照明の下で目で確認できることが少なくありません。

ニキビとは何が違うのか?

ニキビの丘疹も小さくぷっくりしているため、両者を混同する方が少なくありません。ただ、できる理由からしてまったく違います。ニキビは毛包が詰まり、そこで炎症菌が増えて赤く腫れる炎症性の変化であるのに対し、皮脂腺増殖症は炎症を伴わず腺そのものがゆっくり大きくなる変化です。次の3つの特徴で見分けることができます。

  • 色と赤み: ニキビは炎症のせいで赤く腫れますが、皮脂腺増殖症は黄色っぽいかアプリコットのような色味で、あまり赤くなりません。炎症の有無が色の違いを生むからです。
  • 中央の形: ニキビは中央が盛り上がっていたり膿がたまって尖った形をしているのに対し、皮脂腺増殖症は中央がへこんでいます。通り道を取り囲むように育つ構造そのものが違うためです。
  • つぶしたとき: ニキビはつぶすと皮脂や膿が出てきますが、皮脂腺増殖症はつぶしても何も出てこずそのままです。中に何かがたまっていたのではなく、腺の組織自体が増えたものなので、絞り出せるものがそもそもないのです。

この3つを確認するだけでも、両者は難なく見分けられます。たとえばニキビだと思って1週間から2週間待っても赤みが引かず、指でつぶしても何も出てこないなら、ニキビよりも皮脂腺増殖症である可能性のほうが高いと考えてよいでしょう。

なぜ中年以降、脂性肌にできやすいのか?

皮脂腺増殖症は主に40代以降、そしてもともと皮脂の分泌が多い脂性肌の方によく見られます。年齢とともに男性ホルモンに対する皮脂腺の反応性が変わり、古い細胞が新しい細胞に入れ替わるスピード、つまり細胞のターンオーバーも遅くなるためです。

紫外線に長くさらされた肌や、長期間免疫抑制剤を服用している方にもできやすいという報告があります。遺伝的に家族歴がある場合もあり、両親や兄弟に似たようなものがあるなら、少し気をつけて見ておくとよいでしょう。

わかりやすく言えば、若いうちは古い細胞が素早く新しいものに入れ替わってその場を整理しますが、年齢を重ねるほどこの整理のスピードが遅くなり、古い小葉がその場に積み重なっていくということです。だからこそ20代よりも40代以降の顔に、この粒が目立って増えるのです。

複数まとめて一気にできたら、他のサインではないか?

ほとんどの皮脂腺増殖症は、それ自体で心配するような病気ではありません。年齢とともに顔に1つ2つ、多くても5個から10個ほどできる程度のありふれた変化です。

ただ、ごくまれに、若い年齢で顔や体幹の複数箇所にわたって異常に多くの皮脂腺の腫瘍が一度に現れることがあります。こうしたパターンは、マー・トーレ症候群という遺伝性疾患と関連する可能性があると報告されています。この症候群は大腸がんや子宮内膜がんといった他の臓器のがんのリスクも一緒に高まることが知られているため、家族歴があり皮脂腺の病変が特に多い場合は、皮膚科の診察で一度確認しておくと安心です。もちろんこうしたケースは非常にまれで、ほとんどは年齢と肌質だけでできるありふれた変化ですので、過度に心配する必要はありません。

電気焼灼で取り除く仕組み

皮脂腺増殖症のほとんどは健康に害のない良性の変化なので、必ず取り除かなければならないわけではありません。ただ、見た目が気になる場合は、電気焼灼、つまり電気で組織を焼いてなくす施術で取り除くことができます。

細い電極に高周波電流を流して熱を発生させ、その熱で大きくなった皮脂腺の小葉組織だけを焼いて凝固させる方法です。通り道の周りを浅く焼くと、膨らんでいた小葉がしぼんで粒が平らになります。

風船のように膨らんでいた組織に、針の代わりに熱を当てて空気を抜くようなものだとイメージするとわかりやすいでしょう。ただし実際に針で刺すわけではなく、小葉の細胞を加熱して固める方法なので、傷が化膿したり出血したりすることなく、組織だけが静かに縮んでいきます。

レーザー、炭酸ガスレーザーやエルビウムヤグレーザーのように組織を精密に焼いたり削ったりする機器でも、同じ原理で取り除くことが可能です。数が多く広範囲に広がっている場合は、イソトレチノイン、つまりビタミンA系の成分で皮脂腺そのものを小さくする内服薬を低用量で使うこともあります。

施術直後は焼いた部分に小さなかさぶたができ、5日から7日ほどで自然に取れて、その下から滑らかな肌が新しく現れます。焼いてなくした小葉組織はその場所で再び生えてくることはないため、同じ位置に同じ粒が再発することはまれです。

再発しやすい理由とケア方法

電気焼灼やレーザーで取り除いた部分はきれいに治ることがほとんどですが、問題は別の場所に新しくできやすいという点です。施術はすでに大きくなった小葉を取り除くものであって、皮脂腺がまた大きくなろうとする体質そのものを変えるわけではないからです。

脂性肌、紫外線への露出、年齢によるホルモンの変化といった原因はそのまま残っているため、時間が経てば別の部位に似たような粒が再びできることがあります。そのため一度の施術で完全に終わらせるというよりも、新しくできたものを2年から3年の周期で一つずつ整理していくという気持ちで向き合うほうが現実的です。

たとえば額にできたものをきれいに取り除いたとしても、それがこめかみや頬に新しくできるのを防いでくれるわけではありません。雑草を一本抜いたからといって隣に別の雑草が生えなくなるわけではないのと似ていて、体質そのものは変わらず残っているためです。

  • 紫外線対策を続ける理由: 紫外線への露出が皮脂腺増殖症のリスクを高めるという報告があり、日頃からの紫外線対策が新しい発生を減らすのに役立ちます。
  • 無理につぶしてはいけない理由: つぶしても何も出てこないだけでなく、無理に押し出そうとすると肌に傷や跡だけが残ることがあります。
  • 急に増えたら受診したほうがよい理由: まれに似たように見える他の皮膚病変と紛らわしいことがあるため、短期間に複数できたり形がおかしいと感じたら、皮膚科で確認してもらうほうが安心です。

ですから皮脂腺増殖症は、急いで取り除くべき病気というよりも、ニキビとしっかり見分けたうえで、気になる部分だけ必要なときに整理すれば十分な変化です。

References

Korean Dermatological Association, Ministry of Food and Drug Safety (MFDS), American Academy of Dermatology (AAD), and U.S. Food and Drug Administration (FDA).

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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

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