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ほくろ除去CO2レーザーの気化原理と再発率、傷跡、色素沈着のケア、悪性黒色腫を疑うABCDEサインまで

By Dr. Kim1 min read

顔や首、手の甲にあるほくろを取るかどうか迷う方は少なくありません。メイクでもうまく隠れず、髭剃りや洗顔のたびに引っかかると、どうしても気になってしまいます。そしてほくろ除去を調べ始めると、まず出てくるのがCO2レーザーという言葉です。

ほくろのほとんどは健康に害のない良性の病変なので、原理を理解して臨めばきれいに整えられます。ただ、ほくろといってもすべて同じではなく、浅いほくろと深いほくろでは取り方も変わってきます。そしてごくまれに、悪性黒色腫のような危険な病変がほくろのように見えることもあるため、むやみに取る前にまず見極めるべきサインがあります。

そこで、ほくろがどんな病変なのか、老人性色素斑やスキンタッグとはどう違うのか、CO2レーザーがどうやってほくろを消すのか、再発や傷跡はどうケアするのか、深いほくろはどう対応するのか、そしてどんなときに必ず受診すべきなのかを、実際の研究データをもとに一つずつ整理しました。

ほくろとはいったい何でしょうか

ほくろは、メラニンを作るメラノサイトが一か所に集まってできる良性の病変です。医学的にはメラノサイト母斑と呼ばれます。簡単に言えば、色素を作る細胞が集まって住み着いたようなもので、ほとんどの場合、健康への影響はありません。

ほくろは、細胞がある深さによって3つに分けられます。細胞が表皮と真皮の境目に浅く存在すると境界母斑と呼ばれ、平らで色が濃いのが特徴です。細胞が境界から真皮にかけて広がっていると複合母斑で、少し盛り上がってきます。そして細胞が真皮の深い部分まで入り込んでいると真皮内母斑と呼ばれ、肌色や薄い茶色でふっくらとドーム状に盛り上がります。

ほくろは生まれつきあることもあれば、年齢を重ねたり紫外線を長く浴びたりする中で新しくできることもあります。そのため数は人によって異なり、大人になるにつれて増えていく傾向があります。

この深さが重要な理由があります。ほくろが浅い位置にあれば、レーザーで浅く取り除くだけできれいになりますが、真皮深くまで根を張ったほくろは表面だけ取っても下に細胞が残り、再びできやすくなります。そのため、取る前に自分のほくろが浅いのか深いのかを見極めることが最初のステップになります。

種類深さ
境界母斑表皮と真皮の境目平ら濃い茶色から黒
複合母斑境界から真皮やや盛り上がる茶色
真皮内母斑真皮の深い部分ふっくらしたドーム状肌色から薄い茶色

ほくろと老人性色素斑、スキンタッグ、いぼはどう見分けるのでしょうか

顔や首にできる茶色い病変が、すべてほくろというわけではありません。老人性色素斑やスキンタッグ、いぼもよく見られるため混同しやすいのですが、原因も性質もそれぞれ違うので、何なのかを見極めることで取り方も決まってきます。

ほくろは先ほど触れたメラノサイト母斑で、色素を作る細胞が集まってできます。一方、老人性色素斑は紫外線と老化によって表皮が厚くなってできる茶色いしみで、色素細胞ではなく角質と表皮の問題です。そしてスキンタッグは摩擦や老化で皮膚がたるみ、突起のようにぶら下がる肌色のできものなので、色素とは関係ありません。いぼはヒトパピローマウイルス、いわゆるHPV感染によってできるもので、表面がざらざらしていて、かくと横に広がり、人にうつることもあります。

見分けることが大切な理由は、対処法が違うからです。ほくろは深さに応じてレーザーや切除で、老人性色素斑は色素専用レーザーで、スキンタッグはレーザー焼灼で、いぼは凍結療法や焼灼で対応します。見た目だけで判断がつきにくいときは、拡大して観察したり、必要であれば組織検査で確認したりします。まず何であるかを見極めることで、不要な施術を減らせます。

区分ほくろ老人性色素斑スキンタッグいぼ
原因メラノサイト母斑紫外線と老化摩擦と老化HPV感染
平らまたは盛り上がる平らな茶色いしみやわらかい突起ざらざらした丘疹
感染性なしなしなしうつる、広がる
対処法深さに応じてレーザーや切除色素専用レーザーレーザー焼灼凍結療法や焼灼

ほくろを浅く気化させて取り除くCO2レーザー機器

CO2レーザーはどうやってほくろを消すのでしょうか

CO2レーザーは、ほくろ除去でもっとも基本となる機器です。波長10,600nmの光を照射しますが、この光は水に非常によく吸収されます。私たちの皮膚組織はほとんどが水分でできているため、レーザーのエネルギーが当たると、その部分の水分が瞬間的に沸騰して組織が蒸発します。これを気化と呼びます。簡単に言えば、ほくろがある薄い層を焼き飛ばすようなイメージです。

この気化の利点は、ごく薄く削り取れることです。レーザーが一度通るたびに表面が少しずつ蒸発していくので、ほくろの深さに合わせて浅く何回かに分けて処理できます。浅い境界母斑なら1、2回で十分ですし、盛り上がった複合母斑はもう少し削ります。さらに熱の作用で細かい血管も同時に焼き固めるため、出血が少なく仕上がりもきれいです。

ただし、深さの調整が結果を左右します。一度に深く焼くとほくろは確実に取れますが傷跡が残りやすく、逆に浅すぎると細胞が残って再発します。そのため、ほくろの種類と深さを見ながら強さを合わせる施術者の判断が重要になります。施術直後はその部分に小さいかさぶたができますが、これがはがれ落ちながらほくろが整っていく自然な経過です。結局、機器の原理と施術者の技術、そして施術後のケアがそろって初めて良い結果につながります。

ほくろ除去後、なめらかで明るくなった肌の様子

ほくろを取った後、色素が再び現れる割合を方法別にまとめたものです。メスで切り取る手術切除は約2%と最も低く、CO2レーザーは約13%とそれより高くなります。ただしレーザーは傷跡がずっと少ないため、再発リスクと傷跡のどちらを重視するかでほくろの深さに合わせて選ぶことになります
ほくろを取った後、色素が再び現れる割合を方法別にまとめたものです。メスで切り取る手術切除は約2%と最も低く、CO2レーザーは約13%とそれより高くなります。ただしレーザーは傷跡がずっと少ないため、再発リスクと傷跡のどちらを重視するかでほくろの深さに合わせて選ぶことになります

ほくろを取ると再発するのでしょうか

ほくろを取った後、もっとも気になるのが再発と傷跡です。正直にお伝えすると、CO2レーザーは再発が全くない方法ではありません。複数の研究をまとめた分析では、CO2レーザーで取ったほくろが再び現れた割合は約13%でした。一方、メスで切り取る手術切除は約2%と最も低く、レーザーはそれより高い数字でした。

だからといって、レーザーが悪いわけではありません。同じ分析で傷跡が残った割合は、手術切除が21%と最も高く、CO2レーザーは5%とはるかに低い結果でした。つまりレーザーは再発リスクを少し抱える代わりに傷跡を大きく減らせる方法で、切除は再発をしっかり防ぐ代わりに傷跡を受け入れる方法です。そのため、ほくろの深さや位置、そして傷跡が目立つ場所かどうかによって選択が分かれます。

再発と同じくらいよく見られるのが色素沈着です。アジア人の肌は刺激を受けると茶色い跡が残りやすく、CO2レーザー後の色素沈着は約9%報告されています。この跡はほとんどの場合、時間とともに薄くなっていきますが、紫外線を浴びると濃くなり長引きます。そのため、かさぶたを無理にはがさず、回復期間中は紫外線対策を続けることが結果の半分を左右します。もし浅く取った後も細胞が残って再びできた場合は、回復を見ながらもう一度整えることもあります。

ほくろの部分にCO2レーザーを浅く当てながら施術している様子

真皮の深いほくろや大きなほくろはどう取るのでしょうか

すべてのほくろをレーザーだけで取るわけではありません。真皮の深いところに根を張ったふっくらしたほくろや大きなほくろは、レーザーで表面だけ取ると下に細胞が残り、再びできやすくなります。そのため、こうしたほくろは最初から根元までしっかり取り除く切除のほうがきれいに仕上がります。

小さくて丸いほくろにはパンチ切除を使います。丸い刃でほくろを根元まで切り取ってから1、2針縫うという方法で、深いほくろでも細胞を残さず一度に取り除けます。局所麻酔をして行うため痛みは大きくなく、小さいほくろであれば施術自体は数分で終わります。ほくろがもっと大きい、あるいは細長い場合は、紡錘形に長く切除して縫合します。こうして切り取った組織は検査に出せるので、万が一の異常な細胞を確認できるという利点もあります。

もちろん切除は数日後に抜糸して治癒するまでの過程が必要で、細い傷跡が残ります。それでも根元までしっかり取り除くので、再発はずっと少なくなります。そのため、浅いほくろはレーザーで傷跡なく、深く大きいほくろは切除で再発なく取るのが基本の考え方です。どちらか一方が絶対に優れているというより、ほくろの深さや大きさ、位置に合わせて選べばよいものです。特に、以前からあったほくろが急に大きくなったり形が変わったりした場合は、美容目的で取る前に、組織確認ができる切除をまず検討するほうが安全です。

ほくろの数が多いほど悪性黒色腫のリスクも一緒に高まることを示す値です。ほくろがほとんどない人を1とすると、16個から40個ほどある場合は約1.5倍、100個を超えると約7倍まで上がります。特に形が不規則な非典型ほくろが5個以上あると約10倍に跳ね上がるため、数が急に増えていないか注意して見ておくとよいでしょう
ほくろの数が多いほど悪性黒色腫のリスクも一緒に高まることを示す値です。ほくろがほとんどない人を1とすると、16個から40個ほどある場合は約1.5倍、100個を超えると約7倍まで上がります。特に形が不規則な非典型ほくろが5個以上あると約10倍に跳ね上がるため、数が急に増えていないか注意して見ておくとよいでしょう

どんなときに受診すべきで、悪性黒色腫はどう見分けるのでしょうか

ほとんどのほくろは、一生おとなしい良性の病変のままです。ただ、ごくまれに悪性黒色腫という皮膚がんがほくろのように見えることがあるため、取る前に必ず見極めるべきサインがあります。このサインを覚えやすくまとめたのがABCDEルールです。

Aは非対称性で、ほくろを半分に折ったときに左右が異なる場合です。Bは境界で、縁がギザギザしていたり、にじんでぼやけていたりする場合です。Cは色で、一つのほくろの中に茶色や黒、赤が混ざって均一でない場合です。Dは大きさで、直径が6mmを超える場合です。そしてEは変化で、もともとあったほくろが最近大きくなったり、色が変わったり、かゆみや出血がある場合です。

実際の悪性黒色腫の様子で、色にむらがあり境界が不規則で非対称な特徴が見られる

このなかで最も重要なのが変化です。長い間そのままだったほくろよりも、急に変化するほくろのほうが危険だからです。ほくろの数が多いこと自体も悪性黒色腫のリスクと関係があり、ほくろが100個を超えるとリスクが約7倍、形が不規則な非典型ほくろが複数あると約10倍まで上がるという分析もあります。ですから、こうしたサインが一つでも見られたり、ほくろが急に増えたりした場合は、美容目的で取る前に必ず受診することが安全です。怖がる必要はありませんが、確認してから取るのと、知らずに取るのとでは明らかに違います。

項目意味疑うべきサイン
A 非対称性Asymmetry半分に折ると左右が違う
B 境界Border縁がギザギザ、ぼやける
C 色Color複数の色が混ざる
D 大きさDiameter直径6mm超
E 変化Evolving最近大きくなる、変化する

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About this article

診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

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