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男性のニキビの原因、なぜ大きくなって痕も長く残る?

By Dr. Kim1 min read

ニキビは思春期にできて自然に治まるものというイメージが強いです。ですが男性の場合は事情が少し違います。20代後半、30代に入ってもあごや背中にニキビが残っている男性は少なくありません。しかも同じニキビでも、男性のほうが大きく硬い形で、より広い範囲にできる傾向があります。

この違いは怠けているとか、ケアを怠っているせいではありません。男性ホルモンが皮脂腺に働きかける仕組み、ひげ剃りという男性特有の習慣、そして皮膚科を訪れるタイミングそのものが違うからです。男性ニキビがなぜ女性と違う経過をたどるのか、順番に見ていきます。

男性のニキビはなぜ大きくて硬い?

ニキビの出発点は皮脂腺です。皮脂腺は皮膚の中で油分である皮脂を作り出す、小さな工場のような組織です。この工場の稼働率を大きく左右するのがテストステロンのような男性ホルモンです。

思春期以降、男性は女性よりテストステロンの分泌量がはるかに多くなります。テストステロンは皮膚の中でDHT(ジヒドロテストステロン、テストステロンが酵素によってより強力な形に変わったもの)に変換され、このDHTが皮脂腺を直接刺激して皮脂の生産量を増やします。皮脂が増えると毛穴が油分と角質でふさがりやすくなり、その詰まった箇所にニキビの原因菌が定着しやすい環境ができてしまいます。

女性も男性ホルモンを持っていますが、絶対量そのものが男性より少ないです。そのため思春期を過ぎると女性の皮脂分泌は比較的落ち着くのに対し、男性は成人後もその刺激が長く続くケースが多くなります。男性ニキビが20代、30代まで長引く理由は、結局このホルモン刺激が消えることなく働き続けているからだと説明されています。

皮脂腺の反応が人によって違う理由

同じ量の男性ホルモンがあっても、ニキビの重さは人によって違います。その理由は皮脂腺自体が持つアンドロゲン受容体(男性ホルモンを受け取る細胞内タンパク質)の密度と感受性が人それぞれ異なるためです。

アンドロゲン受容体を鍵穴、テストステロンとDHTをその鍵穴に合う鍵だと考えるとわかりやすいです。鍵穴が多く敏感な肌ほど、同じ量のホルモンという鍵でも皮脂腺が強く反応し、皮脂をたくさん作ってしまいます。この受容体の密度は遺伝の影響を大きく受けると言われていて、両親や兄弟にニキビが重かった人がいる場合、自分もそうなる可能性が比較的高くなります。

さらに男性は肌そのものも女性より厚く、コラーゲン密度が高い傾向があります。肌が厚いと毛穴の入り口も相対的に深く狭くなり、皮脂や角質が内側に溜まりやすくなります。薄い肌では皮脂が表面へ抜けやすい一方、厚い肌では内側に蓄積して炎症がより深いところに定着しやすいと説明されています。

ヒゲ剃りの跡と埋没毛の炎症

男性ニキビには、ひげ剃りという女性にはない変数がもう一つ加わります。カミソリの刃が肌の表面を繰り返しこすると、すでにニキビで弱くなっているバリア機能に微細な傷ができます。この傷から細菌が侵入しやすくなり、炎症のある部分を刺激してかえって赤く腫れ上がらせることがあります。

さらにひげの流れと逆に剃ったり短く剃りすぎたりすると、切れたひげの先端が毛穴の内側に食い込む埋没毛(皮膚の中で曲がって伸びる毛)が起こることもあります。この埋没毛の周りに体が異物と認識して炎症反応を起こすと、ニキビと似た赤いブツブツ、つまり毛嚢炎が一緒に現れることもあります。ニキビとひげ剃りによる毛嚢炎が混ざると、どの病変が本物のニキビなのか見分けがつきにくくなり、刺激が刺激を呼ぶ悪循環に陥りやすくなります。

背中や胸のニキビはなぜできる?

男性ニキビは顔だけにとどまらないのが特徴です。背中や胸、肩まで広く広がるケースが女性より多く見られます。この部位はもともと皮脂腺の密度と大きさそのものが顔に負けないくらい大きいため、男性ホルモンの刺激を受けると顔と同じくらい強い反応が現れます。

そこに運動、汗、服装という条件が重なります。体をよく動かす運動を楽しむ男性ほど、汗と皮脂が服に押しつけられたまま長く残る時間が長くなります。体にぴったりしたトレーニングウェアや通気性の悪い服を長時間着ていると毛穴が押さえつけられてふさがりやすく、その中で細菌が繁殖しやすい蒸し暑い環境ができてしまいます。背中や胸のニキビはよく体幹ニキビと呼ばれますが、この部位は自分の目に入りにくいため、治療のタイミングを逃しやすいという面もあります。

イギリスの二次医療皮膚科の患者1,906人を分析した研究で、体幹ニキビは男性76.1%、女性54.1%に見られました。背中や胸のように広い範囲に広がるニキビは、女性より男性ではるかに多く観察されるということなので、顔だけ確認して終わらせず、背中や胸もあわせて見ておく必要があります。
イギリスの二次医療皮膚科の患者1,906人を分析した研究で、体幹ニキビは男性76.1%、女性54.1%に見られました。背中や胸のように広い範囲に広がるニキビは、女性より男性ではるかに多く観察されるということなので、顔だけ確認して終わらせず、背中や胸もあわせて見ておく必要があります。

痕はなぜ長く残る?

男性ニキビは治った後も跡が長く残るケースが多いです。理由は大きく二つに分けられます。

一つは病変自体の深さです。男性ニキビはしこりや嚢腫のように、肌の深い層まで炎症が入り込む形で現れる割合が比較的高くなります。炎症が真皮(皮膚の中でコラーゲンが存在する層)まで深く広がると、その部分を埋める修復過程でコラーゲンが不均一に作られてしまい、これが凹んだ痕として残ります。

もう一つは治療を始めるタイミングです。男性は女性より皮膚科を訪れる時期が遅い傾向があると報告されています。ニキビを軽く考えたり、時間が経てば自然に治ると期待したりするケースが多いためです。ですがニキビは炎症が長く続くほど痕につながるリスクが高まる性質があるため、治療開始が遅れるほど痕が残る確率も一緒に上がっていきます。

サプリメントとステロイドニキビ

トレーニングに熱心な男性の中には、筋肉量を増やすために男性ホルモン系のサプリやステロイドを使う人がいます。こうした成分は体内のテストステロン濃度を人為的に大きく引き上げます。その結果、皮脂腺が普段よりはるかに強く刺激され、背中や胸を中心に急に重いニキビが広がる事例が報告されています。

このタイプのニキビは一般的なニキビ薬ではうまくコントロールできないことが多いです。根本原因であるホルモン濃度そのものが正常範囲を外れているためです。ですから急に体幹ニキビが悪化した場合は、最近服用したサプリや薬があるかどうかを診察時に伝えることが、正確な原因を突き止める助けになります。

筋肉増強ステロイドを使用した1,189人と使用していない11,890人を比較した研究で、皮膚疾患で薬を処方された割合はステロイド使用群で23%、非使用群で14%でした。プロテインやステロイドを使い始めた後に急に体幹ニキビが悪化した場合、この成分が原因である可能性もあわせて考える必要がある理由です。
筋肉増強ステロイドを使用した1,189人と使用していない11,890人を比較した研究で、皮膚疾患で薬を処方された割合はステロイド使用群で23%、非使用群で14%でした。プロテインやステロイドを使い始めた後に急に体幹ニキビが悪化した場合、この成分が原因である可能性もあわせて考える必要がある理由です。

男性のニキビ治療はどう違う?

男性の肌は先ほど説明したように皮脂の分泌量が多く、角質層も厚めのため、治療方法にもいくつかの違いが反映されます。

  • 外用レチノイドの濃度: 男性の肌は角質層が厚く成分が浸透しにくいため、retinoid系の外用薬を比較的根気強く、十分な期間使ってようやく効果が現れるケースが多いです。刺激が心配な場合は低濃度から始めて徐々に上げる方法がすすめられます。
  • イソトレチノインの用量: 内服のニキビ治療薬であるイソトレチノインは、体重と皮脂分泌量を合わせて考慮して用量を決めます。男性は体重が重く皮脂腺の活動も高い傾向があるため、総服用量が女性より多く設定されることがよくあります。
  • 体幹部位の治療: 背中や胸のように広い部位は外用薬だけでは手が届きにくくケアが煩雑なため、内服薬や抗生剤の併用など全身的な治療を一緒に検討することが多いです。
  • 治療の継続期間: 男性ホルモンの刺激が長く続く分、目に見えるニキビが減った後も再発防止のために4週から12週以上維持治療を続けることが一般的です。

再発を減らす生活習慣

治療と並行して生活習慣を整えると、再発を減らすのに役立ちます。

  • ひげ剃り前に肌を温かいお湯で十分に濡らして角質をやわらかくし、切れ味の落ちたカミソリはすぐに交換することが肌への刺激を減らすのに役立ちます。切れ味の悪い刃は一度で剃り切れず何度もこすることになり、傷が増えるためです。
  • 運動後は汗で濡れた服をそのまま着続けず、できるだけ早く着替えることがすすめられます。濡れた服が肌に長く触れていると、蒸れてふさがった環境が続いてしまうためです。
  • 洗顔は1日2回程度が適量で、手でこすらずやさしく洗い流す方法がすすめられます。頻繁に強く洗いすぎるとバリア機能が損なわれ、かえって皮脂分泌が代償的に増えてしまうことがあるためです。
  • niacinamideやsalicylic acidが配合された低刺激の製品は、毛穴の中の角質を整えるのに役立つとされているので、継続して使ってみる価値があります。

ニキビ自体は4週から12週ほどの継続的なケアでかなり落ち着くことが多いです。ただし男性ニキビは原因となるホルモン刺激がすぐには消えないため、症状が落ち着いた後もケアを続けることが、再発と痕を同時に減らす方法になります。

References

Korean Dermatological Association, American Academy of Dermatology (AAD), and Ministry of Food and Drug Safety (MFDS).

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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

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