二の腕や太ももにできるブツブツ、keratosis pilarisのケア方法と完治が難しい理由
By Dr. Kim1 min read

二の腕の外側や太もも、頬を触るとブツブツとした小さな突起がサンドペーパーのように感じられることがあります。赤みを帯びたり色素が残ったりするためニキビや吹き出物と勘違いしやすいのですが、ほとんどはkeratosis pilarisです。この肌は10代の半数以上に見られるほどごくありふれたもので、つぶしたり皮をむいたりしても消えることはありません。
keratosis pilarisがなぜできるのか、自宅で使う角質ケア成分はどう選べばよいか、レーザーはどこまで役立つのかを順番に見ていきます。まず知っておきたいのは、keratosis pilarisは一度で治る病気ではなく、ケアで抑えていく肌質だという点です。この性質を知れば、なぜ成分選びと継続が重要なのか、なぜ完治を保証するような言葉には注意が必要なのかが理解できます。

二の腕のブツブツ、keratosis pilarisはなぜできるのか?
keratosis pilarisは毛穴の入り口で角質が通常より厚く積み重なることで生まれます。本来肌は古い角質細胞が自然に剥がれ落ちていくものですが、毛穴の入り口でこの過程がうまくいかないと、角質が栓のように毛穴をふさいでしまいます。この小さな角質の栓の1つ1つがブツブツとした突起として触れ、その中に細く巻いた産毛が閉じ込められているケースも多く見られます。
なぜ角質がこのように積み重なるのかは、まだ完全には解明されていません。長らく角質の栓そのものを原因と考えてきましたが、最近の研究では毛穴の隣にある皮脂腺が萎縮している所見が早い段階から観察されるという報告が出ています。皮脂腺から出る成分が不足すると角質がうまく剥がれ落ちず、その結果角質が積み重なり産毛が異常に成長するという説明です。
keratosis pilarisは乾燥肌やアトピー性皮膚炎、魚鱗癬とよく一緒に見られます。これらは肌のバリアを作るfilaggrinというタンパク質と関係しており、遺伝的に肌が乾燥しやすい人に多い傾向があります。実際に10代の50–80%がこの肌質を持っているほどありふれています。病気というより体質に近い、ごく一般的な肌の特徴です。

年齢を重ねると自然に良くなるのか?
keratosis pilarisはたいてい幼少期や思春期に現れ、年齢とともに徐々に薄くなる傾向があります。10代で始まった場合、20代半ば頃に目に見えて良くなる人が多く、30歳前後になるとかなりの割合で薄くなります。上のグラフのように10代では有病率が高く、成人では40%程度まで下がります。
ただし全員が完全に消えるわけではありません。人によっては成人してからも、さらに年齢を重ねても腕や太ももに残ります。特に腕の外側や太ももの前面のように、もともと角質がたまりやすい部位に長く残る傾向があります。良くなったあとも冬の乾燥する季節に再び目立つこともあります。そのためkeratosis pilarisは一度で治る病気ではなく、良くなる流れを後押しし、再発を抑えるケアの対象と考えるものです。
この点をまず知っておくことが大切です。完治を保証する広告や、1回の施術でなくせるという言葉には注意したほうがよいでしょう。実際には、こまめにケアを続けることで肌のきめが目に見えて柔らかくなり、赤みも和らいで、時間とともに自然に薄くなっていく変化を期待するのが現実的です。なくすというより、目立たないように整えると考えるほうが気持ちも楽になり、対処法としても合っています。

自宅で使う角質ケア成分、何を選べばよいのか?
自宅でのケアの中心となるのが、角質をやわらかく溶かしてくれる角質ケア成分です。代表的な成分は大きく4つに分かれます。
1つ目はureaです。角質をやわらかくすると同時に水分を抱え込む働きがあり、乾燥してざらつくkeratosis pilarisに合っています。保湿剤には10%前後、角質が厚い部位には20–40%まで使われます。urea 20%を使った研究では、肌のきめと満足度がはっきりと改善しました。
2つ目はsalicylic acidです。油に溶ける性質のため毛穴の中の角質を溶かすのに有利で、通常2–5%で使われます。3つ目はlactic acidとammonium lactateで、角質細胞同士の結びつきを緩めながら保湿もできる成分のため、10–12%の製剤が多く使われます。
4つ目は外用レチノイド(tretinoin、adapalene)です。角質細胞が生まれて剥がれ落ちる周期を正常に戻す働きがあり、なかなか良くならない場合に追加します。ただし刺激が出ることがあるため、少量から始めるのがよいでしょう。どの成分も最初から強く使うより、低濃度から始めて肌が慣れてきたら増やしていく方法が安全です。
成分ごとにどうケアすればよいのか?
成分によって働き方や合う肌質が少しずつ異なります。以下の表にまとめました。
| 成分 | 主な濃度 | 働き方 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| urea | 10–40% | 角質を柔らかくし水分を保持 | 高濃度は刺激の可能性、低濃度から |
| salicylic acid | 2–5% | 毛穴の角質を溶かす | 広範囲の使いすぎに注意 |
| lactic acid、ammonium lactate | 10–12% | 角質の結合を緩め保湿 | ピリつきや匂いが出ることがある |
| tretinoin、adapalene | 低濃度 | 角質のターンオーバーを正常化 | 刺激の可能性、tretinoinは妊娠中注意 |
実際に使うときは、1つを選んでこまめに使い続けるほうが、複数を交互に強く使うよりも効果的です。角質ケア成分は入浴後、肌にまだ水分が残ってしっとりしているうちに塗ると吸収が良く刺激も少なくなります。塗ったあとに保湿剤を重ねてバリアを守ると、ピリつきも軽減します。
1つ注意すべき点があります。ブツブツしているからといってナイロンタオルや強いスクラブでこすると、かえって刺激になり赤みと色素沈着が増えるだけです。物理的にこすり落とすのではなく、成分でやさしく溶かしていくのが正解です。

レーザーでブツブツをなくせるのか?
塗るケアだけでは赤みやざらつきがなかなか改善しないとき、レーザーが選択肢になります。レーザーはkeratosis pilarisの2つの問題、つまり赤みとブツブツした肌のきめを分けて扱います。
赤みが目立つタイプには、血管に反応する色素レーザーやKTPレーザーが使われます。拡張した微小血管の赤みを抑える方式です。ざらつきにはロングパルス1064nmのNd:YAGレーザーが研究されています。ある研究では片腕だけを3回、4週間おきに治療したところ、反対側の腕に比べて赤みと角質性の丘疹がはっきりと減少しました。別の研究でも4回の治療後に肌のざらつきが有意に減少し、火傷や色素変化のような副作用は見られませんでした。
ここではっきりさせておきたい点があります。レーザーは赤みときめを改善してくれますが、keratosis pilarisを完治させる治療ではありません。原因となる角質や肌質はそのまま残るため、ケアをやめると時間が経ってまた目立つことがあります。そのためレーザーは塗るケアの代わりではなく、なかなか良くならない赤みやざらつきを後押しする選択肢と考えるのが正しいでしょう。

完治しないなら、どうケアすればよいのか?
keratosis pilarisケアの基本は3つです。保湿、やさしい角質ケア、そして掻いたりつぶしたりしないことです。
最も重要なのは継続です。上のグラフのように角質ケア成分を1日2回、12週間続けて塗った研究では、lactic acidは約66%、salicylic acidは約52%の改善が見られました。どちらの成分も効果があり、数週間単位で少しずつ良くなっていきました。数回塗って途中でやめてしまうと、元の状態に戻りやすくなります。
乾燥すると角質がさらにたまりやすくなるため、保湿を怠らないことが大切です。特に入浴後3分以内に保湿剤を塗ると、水分を閉じ込めるのに役立ちます。熱いお湯で長時間洗ったり、強くこすったりするのは避けましょう。赤みや色素が残っている場合は紫外線で色素が濃くなることがあるため、日光の当たる部位には紫外線対策もあわせて行います。
keratosis pilarisはなくすべき欠点ではなく、うまく付き合っていくごく一般的な肌質です。完治という言葉に焦るよりも、自分の肌に合う成分を見つけてこまめにケアを続ければ、きめは目に見えて柔らかくなり、赤みも和らいでいきます。年齢とともに自然に薄くなっていく流れも味方になってくれます。
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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
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