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そばかすと老人性色素斑の違い、原因と見分け方、治療まで

By Dr. Kim1 min read

そばかすと老人性色素斑は、どちらも肌に茶色いシミとして現れるため、同じものだと誤解されがちです。しかし実際には、できる理由も肌の中で起きていることもまったく異なります。そばかすは色素をつくる細胞(メラノサイト)自体の数は変わらないまま、その細胞がつくり出すメラニンの量が増える現象です。一方、老人性色素斑は色素をつくる細胞の数そのものが増える現象です。

この違いひとつで、できる年齢や季節による変化、治療への反応まですべてが変わってきます。見た目は同じような茶色いシミでも、肌の中ではまったく別のことが起きているわけです。

そばかすと老人性色素斑は大きさと場所がどう違う?

そばかすは基本的にサイズが小さめです。直径数ミリほどの小さな点が、鼻や頬を中心に数十個から数百個ほど散らばって現れます。色は薄い茶色から濃い茶色までさまざまで、境界線ははっきりせずぼんやりしているのが特徴です。

老人性色素斑は反対にサイズが大きめです。直径数ミリから1センチを超えるものもあり、数はそばかすよりずっと少ないぶん、ひとつひとつがくっきりと目立ちます。色は茶色から濃い黒褐色まで比較的均一で、境界もはっきりしています。表面がわずかに盛り上がって触れることもありますが、これは色素をつくる細胞だけでなく、表皮自体が厚くなっているためです。

できる場所も異なります。そばかすは顔の中心部、特に鼻や頬に集中しやすい一方、老人性色素斑は顔だけでなく手の甲や腕、肩など、長年紫外線を浴びてきた部位ならどこにでも現れます。長い年月をかけて積み重なった紫外線量が、それだけ広い範囲に痕跡を残すためです。

数で見るとその差はさらにはっきりします。そばかすはひとりの顔に数十個から多いときには数百個とびっしり現れるのに対し、老人性色素斑は同じ顔でも通常数個から十数個ほどと数自体が少なめです。細胞の数が増えるという変化は、刺激を受けた場所にひとつずつできる仕組みのため、色素の生産量だけが増えるそばかすよりも数が少なくなるのです。

そばかすを左右するのは色素細胞の数ではなく、MC1Rという遺伝子の変異です。この変異を1つ持つ人はそばかすができるリスクが3倍、2つ持つ人では11倍まで跳ね上がります。紫外線を浴びた量とは別に遺伝子があらかじめ決めている反応なので、幼いうちから現れ、紫外線を避けても完全には消えないわけです。
そばかすを左右するのは色素細胞の数ではなく、MC1Rという遺伝子の変異です。この変異を1つ持つ人はそばかすができるリスクが3倍、2つ持つ人では11倍まで跳ね上がります。紫外線を浴びた量とは別に遺伝子があらかじめ決めている反応なので、幼いうちから現れ、紫外線を避けても完全には消えないわけです。

そばかすはなぜできる?

そばかすは遺伝的な影響が大きいと考えられています。両親のどちらかにそばかすが多いと子どもにも出やすい傾向があり、特に色白で赤みがかった肌の人に多く見られます。これはMC1R遺伝子(メラニン色素の種類を決める遺伝子)の特定の変異と関係があるとされています。

この遺伝子を持つ人のメラノサイトは、紫外線を浴びるとメラニンを普段より多くつくり出す特徴があります。メラノサイトの数自体はほかの人と変わりませんが、細胞ひとつひとつがつくるメラニンの量と、それを周囲の表皮細胞へ受け渡す量が増えるのです。同じ数の工場があるなかで、片方の工場だけが生産量を大きく増やしたようなイメージに近いといえます。

そのためそばかすは、幼少期、紫外線を浴び始める時期からすでに現れることが多くなります。メラノサイトが生まれ持った遺伝子どおりに反応し始めると、そのまま目に見える形で現れるため、年齢を重ねるまで待つ必要がないのです。

34か国で48,000人以上を対象に行われた国際的な調査では、全体の27%が老人性色素斑があると答えました。ところが50歳以上だけを取り出すと、この割合は90%を超えます。年齢とともに紫外線を浴びた時間が積み重なり、色素細胞の数そのものが増えていくため、若いうちはまれで中年以降に急に増えるというパターンになります。
34か国で48,000人以上を対象に行われた国際的な調査では、全体の27%が老人性色素斑があると答えました。ところが50歳以上だけを取り出すと、この割合は90%を超えます。年齢とともに紫外線を浴びた時間が積み重なり、色素細胞の数そのものが増えていくため、若いうちはまれで中年以降に急に増えるというパターンになります。

老人性色素斑ができる原因

老人性色素斑は遺伝よりも、長い時間をかけて積み重なった紫外線ダメージのほうが大きく関わっています。長期間紫外線を浴び続けた肌では、メラノサイトの数そのものが増える変化が起こると報告されています。色素をつくる工場の生産量ではなく、工場の数自体が増えるわけです。

このプロセスには、表皮の下の真皮にある線維芽細胞や肥満細胞(肌の中で免疫反応に関わる細胞)がつくり出すさまざまなシグナル物質も関わっているとされています。これらのシグナル物質がメラノサイトと周囲の表皮細胞を刺激し、メラノサイトの数が増えると同時に表皮が厚くなる反応も引き起こすのです。

一度増えたメラノサイトは、定着すると自然には減りません。細胞の数そのものが変化しているため、紫外線刺激が減ったからといって増えた細胞数が元に戻るわけではないのです。そのため老人性色素斑は、一度できると消えることなく、徐々に増えていく傾向があります。

冬に薄くなるのはそばかすと老人性色素斑のどちら?

そばかすは季節によって濃さが変わります。夏に紫外線が強くなるとメラノサイトが反応してメラニンを多くつくり出すため色が濃くなり、冬に紫外線が弱まるとメラニンの生産が減って色が薄くなります。刺激に応じて生産量が上下する、いわば機能的な変化だからです。

一方、老人性色素斑は季節に関係なく色がほぼそのまま維持されます。メラノサイトの数自体が増えるという構造的な変化のため、紫外線が弱まったからといって増えた細胞数が減るわけではないのです。工場の生産量は季節によって上下しても、工場の数自体は冬だからといって自然に減らないのと同じ理屈です。

こうした季節による変化の有無は、実際の診療現場でも両者を見分ける手がかりのひとつとして使われています。

そばかすと老人性色素斑の見分け方

見た目で両者を区別する際に参考になる特徴は次のとおりです。

  • できる時期: そばかすは幼少期から現れ、老人性色素斑は多くの場合40代以降から出始めます。遺伝子の反応は幼い頃から働きますが、細胞の数が増える変化は紫外線が長く積み重なって初めて起こるためです。
  • 季節による変化: そばかすは夏に濃くなり冬に薄くなりますが、老人性色素斑は一年を通じて大きな変化がありません。機能的な変化と構造的な変化の違いがそのまま表れる部分です。
  • 大きさと境界: そばかすは小さく境界がぼんやりしていて数が多く、老人性色素斑は比較的大きく境界がはっきりしていて数は少なめです。
  • 表面の状態: そばかすは肌の表面が滑らかですが、老人性色素斑は表皮自体が厚くなることで表面がわずかに盛り上がることがあります。

これらの特徴が重なるケースもあるため、判断に迷う場合は皮膚科での診察を受けたほうが確実です。

治療法と紫外線対策はどう違う?

そばかすはメラノサイトの数自体が正常なので、レーザーで色素だけを薄くしても細胞そのものは残っています。そのためレーザートーニングやピコレーザーで色を薄くすることはできますが、再び紫外線を浴びると同じ細胞がメラニンを多くつくり出すため、再発しやすい傾向があります。施術後の回復期間はおおむね4週間から8週間ほどとされることが多いです。

老人性色素斑は増えたメラノサイトそのものを取り除く必要があるケースが多く、Qスイッチレーザーやピコ秒レーザーでメラノサイトのある層までエネルギーを届ける方法が主に使われます。細胞数が減る変化のため、一度除去すれば同じ部位には再発しにくいと報告されていますが、ほかの部位に新しい老人性色素斑ができるのを防ぐことまではできません。回復期間は施術部位や方法によって異なりますが、おおむね4週間から12週間ほどとされています。

どちらの場合も、紫外線対策が再発を遅らせるうえで最も重要なケアとして挙げられます。紫外線はそばかすのメラニン生産と老人性色素斑の細胞増殖、この両方を刺激する共通の原因だからです。

日焼け止めをこまめに塗り直す習慣、日差しの強い時間帯を避ける習慣、帽子や日傘で物理的に紫外線を遮る習慣がそろうと、どちらの再発ペースも遅らせるのに役立つとされています。メラノサイトは刺激が繰り返されるほど反応を強める傾向があるため、紫外線を浴びる量そのものを減らすことが、メラニン生産と細胞増殖という異なる二つのメカニズムをまとめて抑えることにつながるのです。

References

Korean Dermatological Association, American Academy of Dermatology (AAD), and Ministry of Food and Drug Safety (MFDS).

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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

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