DermaVレーザーが顔の赤み血管を狙う仕組み、532nmと1064nm波長の役割
By Dr. Lee1 min read

顔がすぐ赤くなってなかなか引かないという場合、原因は肌表面よりもその下の血管にあることが多いです。DermaVレーザーはこうした赤みを作る拡張した血管を直接狙う施術で、532nmと1064nmという性質の異なる二つの波長を備えています。なぜ一つではなく二つの波長が必要なのか、その理由を順に整理しました。
顔が赤くなりやすいのはなぜ?
顔の赤みは、肌のすぐ下にある毛細血管が広がって透けて見えることで生じます。もともと血管は温度や刺激によって一時的に広がってはまた元に戻るものですが、この戻る力が弱くなると血管が広がったまま固定されてしまいます。
紫外線に長くさらされると、血管の壁を支えているまわりのコラーゲンが減っていきます。すると血管は伸びきったゴムひものように弾力を失い、広がった状態のまま透けて見え続けます。そこに温度の変化や刺激が繰り返し加わると、血管はますます広がりやすい方向へと固まっていきます。
そのため、赤みは肌表面を落ち着かせるだけではなかなか解決しません。鎮静クリームや保湿は刺激を減らして一時的に赤みを和らげることはできますが、すでに広がって固まった血管そのものを縮めることはできません。結局、血管自体を縮めなければ赤みは目立って引かないため、ここで血管を直接狙うレーザーが必要になります。
DermaVレーザーが血管を標的にする仕組み
DermaVレーザーは、光が特定の色素にだけ強く吸収されるという原理を利用します。血管の中のヘモグロビン、つまり赤血球を赤く見せる色素は、特定の波長の光を特に強く吸収します。この光がヘモグロビンに吸収されると熱に変わり、その熱が血管壁を凝固させます。
虫眼鏡で黒い紙だけを焦がし、白い紙はそのままにしておく様子を思い浮かべるとわかりやすいです。黒い色ほど光を多く吸収して熱くなるように、ヘモグロビンの多い血管部分だけが選択的に熱を受け、まわりの肌は比較的熱くなりにくいのです。
ただし熱は時間がたつとまわりに広がっていきます。そのためレーザーを当てる時間、つまりパルス幅を血管が熱を保持している時間に合わせる必要があります。この時間が短すぎると血管壁まで熱が十分に伝わらず、長すぎると熱がまわりの肌に漏れ出して腫れや刺激につながることがあります。熱いお玉を短く浸してすぐ引き上げれば柄まで熱が伝わりにくく、長く浸けたままにすると柄まで熱くなるのと似た理屈です。DermaVはこのパルス幅を血管の太さに合わせて調整できるよう設計されており、細い血管と太い血管に対してそれぞれ異なる強さで反応させることができます。
532nm波長が扱う血管
532nmは緑色に近い波長で、ヘモグロビンが特に強く吸収する帯域です。そのぶん少ないエネルギーでも血管にはっきりとした反応を作ることができます。
ただしこの波長は肌の浅い部分でほとんど吸収されてしまうため、深くまでは届きません。そのため肌表面近くにある毛細血管や、クモの巣状に細く広がった血管を扱う際に主に使われます。鼻の横や頬に赤い細い線が透けて見える部位が、これに当たります。
一点注意したいのは、この波長がメラニン色素にもある程度吸収されるということです。日焼けした肌や色素の多い部位では、熱が血管だけでなくメラニンにも分散して入り込むため、施術前後の紫外線対策が特に重要になる理由でもあります。
1064nm波長が扱う血管
1064nmは目に見えない近赤外線の領域で、532nmよりヘモグロビンへの吸収は弱いものの、その分肌のはるかに深いところまで届きます。吸収されずに通過する割合が高いということは、それだけ深い層までエネルギーが減衰せずに到達するということでもあります。
そのためこの波長は、表面からは見えない、より深い場所にある太い血管を扱う際に使われます。表面の赤い細い線の下でその血管に血液を送り続けている太い血管、いわゆる供給血管まで届くことができるのが1064nmの強みです。
メラニンへの吸収度も532nmより低いため、色素の多い肌でも比較的安全に使うことができます。また比較的長いパルスで運用されるため、短いパルスのレーザーでよく見られる紫斑、つまり施術部位が内出血のように見える反応が少ない傾向にあると言われています。
二つの波長を併用すると良い理由とは?
赤みは一つの深さだけにとどまるものではありません。表面近くに細い毛細血管があると同時に、その奥にその毛細血管へ血液を送り込む太い血管が一緒にある場合が少なくありません。
532nmだけを使うと、表面の血管は縮んでも、深い場所の供給血管はそのまま残ります。木の枝だけを切って根を残しておくと、時間がたってまた枝が伸びてくるのと似ています。深い血管が残っていると表面の血管に再び血液が満たされ、赤みが繰り返される可能性があります。
そのためDermaVは、状況に合わせて二つの波長を組み合わせて使えるように作られています。浅い血管は532nm、深い供給血管は1064nmで分けて扱えば、一回の施術の中で異なる深さの血管をまとめて縮めることができます。赤みの範囲が広かったり、複数の深さに血管が混在していたりするほど、この併用方式が役立つと言われています。
反対に赤みの範囲が狭く、表面の毛細血管が中心であれば、532nm単独でも十分な場合が多いです。どの波長をどの程度組み合わせるかは、目に見える血管の分布と肌の状態を見ながら決めるのが自然です。
施術前後に気をつけたいこと
血管を扱う施術であるだけに、施術前後のケアが結果に影響します。いくつかまとめると以下の通りです。
- 施術前の紫外線対策と美白ケア: 肌が日焼けしていると、メラニンが光を分けて吸収してしまい血管に伝わる熱が減るうえ、色素沈着のリスクも一緒に上がります。そのため施術数日前からの紫外線対策が特に重要です。
- 施術直後の冷却: 熱が加わった部位を冷やすことで、表面の肌への負担を減らすことができます。血管はすでに凝固反応が始まっているため、表面の冷却がその反応自体を妨げることはありません。
- 施術後数日はサウナや温浴を避ける: 熱を受けると血管は再び広がる方向に反応します。凝固したばかりの血管まわりの組織が落ち着く前に熱刺激が加わると、回復が遅れることがあります。
- 結果は徐々に現れることを理解しておく: 凝固した血管はすぐに消えるわけではなく、体がその血管を少しずつ吸収しながら数日から数週間かけて赤みが薄れていきます。深い血管ほどこの過程に時間がかかる傾向があります。
血管一本一本の太さや深さは人によって異なるため、数回に分けて施術しながら反応を見ていく方法がよく勧められます。表面と深い血管を両方持つ場合ほど、複数回にわたって二つの波長を交互に使うほうが結果をより緻密に仕上げると言われています。
施術の間隔も結果に影響します。血管が完全に吸収される前に次の施術を急ぐと、まだ反応の途中にある組織に刺激が重なる可能性があるため、通常は数週間の間隔を空けて経過を見ながら次の施術時期を決めます。この間隔は血管の太さや個人の回復速度によって変わることがあります。
References
Korean Dermatological Association, American Academy of Dermatology (AAD), and Ministry of Food and Drug Safety (MFDS).
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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
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