クールスカルプティング脂肪冷却の仕組みとダイエット効果、脂肪吸引との違いや適切な回数は?
By Dr. Kim1 min read

運動をしても、わき腹やお腹まわり、太ももの内側のように、どうしても落ちにくい部位があります。体重は変わらなくても、そこだけすっきりさせたいと思ったときによく名前が挙がるのが、クールスカルプティングとして知られる脂肪冷却(cryolipolysis)です。メスを使わず、部位を冷やして脂肪を減らす施術です。
名前は聞き慣れなくても、仕組みはシンプルです。脂肪細胞は皮膚よりも寒さに弱いという性質を利用します。この性質をうまく使えば、表面の皮膚はそのままに、その下の脂肪だけを選んで減らすことができます。どんな仕組みで脂肪を冷やして減らすのか、一度でどれくらい減るのか、何回受ければいつ結果が見えてくるのか、脂肪溶解注射や脂肪吸引とは何が違うのか、そしてまれに話題になる逆説的脂肪増殖まで、実際の論文をもとに一つずつ見ていきます。

クールスカルプティングはどうやって脂肪を凍らせて減らすのでしょうか?
ポイントは、脂肪細胞が皮膚細胞よりも寒さに弱いという点です。脂肪は皮膚よりも高い温度で凍り始めます。そのため、部位を適度に冷やせば、表面の皮膚はそのままで、その下の脂肪細胞だけを選んでダメージを与えることができます。
施術はこのように進みます。脂肪をつまめる部位にカップ型の冷却装置を当て、内部を約マイナス10°C前後まで冷やします。この温度で脂肪細胞の中の脂質が凍り、細胞がゆっくりと死んでいく道筋に入ります。この過程はアポトーシスと呼ばれ、細胞が急に破裂するのではなく、静かに自然に消えていくとイメージするとわかりやすいです。
その後は、体が自然に後片付けをしてくれます。死んだ脂肪細胞は、体の掃除役であるマクロファージが数週間かけてゆっくりと取り込んでいきます。そうして凍った脂肪細胞が少しずつ姿を消し、その部位の脂肪層が薄くなっていきます。片付けがゆっくり進むぶん、結果もあわてず、じわじわと現れます。
大事なのは、この方法が表面を傷つけないという点です。皮膚と真皮は水分を多く含んでいるため、脂肪よりもずっと低い温度でないと凍りません。だから、脂肪だけを凍らせる温度なら、皮膚は無傷のまま通り過ぎます。針も切開も使わず、部位だけをピンポイントで扱える理由です。
韓国ではこの施術を脂肪冷却、または冷却脂肪分解と呼びます。最初に登場した正規品は、アメリカのZeltiq(ゼルティック)社のCoolSculpting(クールスカルプティング)ですが、韓国の病院で実際に最もよく使われているのは、韓国製であるClassys(クラシス)社のClatuu(クラトゥ)と、その最新モデルClatuu Alpha(クラトゥアルファ)です。ほかにCoolTech(クールテック)のような機器も使われています。装置の名前が違っても、部位を冷やして脂肪細胞を減らすという原理は同じです。名前よりも、自分の部位に合ったカップがあるか、施術者の経験は十分かを見るほうが大切です。

脂肪層は実際どれくらい薄くなるのでしょうか?
数字で見ると、イメージがつかみやすくなります。実際に複数の臨床データをまとめたレビューによると、一つの部位を一回施術した場合、脂肪層の厚みがはっきりと減っていました。超音波で測ると約20%から32%、キャリパーと呼ばれる測定器で測ると約15%から21%薄くなっていました。測定方法によって数字は多少変わりますが、一つの部位でおおよそ5分の1ほど減ると考えればよいでしょう。
この数値の意味は、現実的にとらえておくのがおすすめです。脂肪層の厚みが20%前後減るのであって、体重がその分減るわけではありません。ですから、体重計の数字というより、わき腹やお腹まわりのラインが少しすっきりする変化に近いといえます。ズボンのラインが楽になったり、横顔のシルエットが整ったりする程度で満足する人が多いです。
つまり、この施術は大きく痩せるためのものではなく、なかなか落ちない部位を整えるためのものと理解するのが正解です。体重は標準的なのに特定の部位だけぽっこりしている場合に、とくによく合います。逆に、全体的に体重を落とす必要がある場合は、食事と運動が先で、この施術は仕上げとして加えるイメージです。
変化を確認する方法も覚えておくと便利です。施術前後で、同じ姿勢、同じ照明のもとで写真を撮っておくと、じわじわ現れる変化を比べやすくなります。あわせて、周囲径を測っておくのも役立ちます。

何回受ければ、いつ結果が見えてくるのでしょうか?
まず時期から見ていきます。クールスカルプティングは、施術直後にすぐ変化が出るわけではありません。凍らせた脂肪細胞を体が片付けるまでに時間がかかるためです。最初の2週間から3週間は、冷やした部位にむくみやしびれが出て、このころからマクロファージが脂肪を片付け始めます。脂肪が減っていく過程は数週間にわたって続き、たいてい2か月から4か月のあいだに最終的な輪郭が定まります。
そのため、判断は十分に時間をおいてから行うのがよいでしょう。1か月で変化が少ないからといって、がっかりする必要はありません。その代わり、3か月ほど経ってはじめて、きちんとした結果が見えてくる施術です。
回数は部位や脂肪の厚みによって変わります。脂肪がほどよい厚みの部位なら1回で満足する場合もありますし、もっと減らしたければ、同じ部位に2回から3回ほど繰り返します。1回で脂肪層の5分の1前後が減るため、より確実な変化を望むなら、最初の結果を確認したうえで、もう一度受けるかたちで結果を積み重ねていきます。同じ部位をもう一度行うときは、前回の結果が落ち着くまで、通常2か月から3か月ほど間隔をあけます。
うれしいポイントとして、凍らせてなくなった脂肪細胞は、二度と生えてこないという点があります。そのため結果が長く続きやすいです。ただし、残った脂肪細胞自体はなくなるわけではないので、施術後に体重が大きく増えると、その細胞が膨らんで効果が見えにくくなることがあります。施術後に体重を安定して保てば、結果を長く楽しめるということです。
脂肪溶解注射や脂肪吸引とは何が違うのでしょうか?
3つの施術は目的が似ているように見えても、方法は大きく異なります。クールスカルプティングは、部位を冷やして脂肪細胞をなくす非侵襲の施術です。針も切開も使わないためダウンタイムがほとんどなく、施術中に本を読んだりスマートフォンを触ったりできるほど楽な部類です。その代わり結果はゆっくり現れ、一回で減る量は部位あたり20%前後と、控えめです。
脂肪溶解注射は、薬剤を脂肪層に直接注射して溶かす方法です。針で何度かに分けて打つため腫れが数日続き、狭い部位に少量ずつ繰り返し行うのに向いています。脂肪吸引は、静脈麻酔や全身麻酔のもとでチューブを入れ、脂肪を物理的に吸い出す手術です。一度に多くの量を減らせますが、回復に1週間から2週間かかり、体への負担がもっとも大きくなります。
下の表にまとめると、次のようになります。
| 項目 | 脂肪冷却 | 脂肪溶解注射 | 脂肪吸引 |
|---|---|---|---|
| 方法 | 冷やして減らす | 薬剤で溶かす | 管で吸引 |
| 侵襲 | 非侵襲 | 針注射 | 手術 |
| 麻酔 | 不要 | 局所麻酔 | 静脈麻酔か全身麻酔 |
| ダウンタイム | ほぼなし | 数日の腫れ | 1週間から2週間 |
| 脂肪減少 | 部位あたり約20% | 少量ずつ繰り返す | 一度に多め |
| 結果が出る時期 | 2か月から4か月 | 複数回繰り返す | 手術直後 |
どれか一つが正解というわけではありません。回復なしで部位をやさしく整えたいならクールスカルプティング、狭い部位をピンポイントで扱いたいなら脂肪溶解注射、多くの量を一度に減らしたいなら脂肪吸引が向いています。部位と希望する程度に合わせて選べば十分です。

むしろ脂肪が増えることもあるらしいけれど、本当でしょうか?
クールスカルプティングについて調べていると、逆に脂肪が増えてしまうこともあるという話を耳にします。そしてこれは実際に本当のことです。ごくまれに、脂肪を減らそうと冷やした部位が、逆にぽっこりと大きくなってしまうことがあるからです。多くは施術から数か月後に、その部位に硬い脂肪のかたまりとして現れます。医学用語ではparadoxical adipose hyperplasia(逆説的脂肪増殖、奇異性脂肪過形成)と呼ばれ、文字どおり期待とは逆に脂肪が増えてしまう現象です。ただし、なぜ起こるのかはまだはっきりと解明されていません。
幸いなのは、この副作用がとてもまれだという点です。大規模な調査でも発生率は約0.2%前後で、100人に1人にも満たない頻度です。ただ一つ特徴的なのは、この現象がとくに男性に多く起こるという点です。実際にある調査では、患者全体のうち男性はわずか15%だったにもかかわらず、この現象を経験した人のうち半数を超える55%が男性でした。
技術の進歩とともに、発生頻度も下がってきています。新しい冷却装置が登場してから、発生率が以前より75%以上低くなったという報告もあります。それでもゼロではないため、あらかじめ知ったうえで施術を受けるのがおすすめです。
もしこの現象が起きても、元に戻す方法があります。できてしまった脂肪のかたまりは自然には消えませんが、後から脂肪吸引などで整えることができます。施術前にこうした可能性をきちんと説明し、経過をしっかり見てくれる病院を選んでおけば、まれなことが起きても落ち着いて対応できます。

では、どんな人に向いているのでしょうか?
クールスカルプティングは、体重は標準的な範囲なのに、わき腹やお腹まわり、太ももの内側のように特定の部位だけがぽっこりして気になる人によく合います。メスを使わず、回復期間もなしに部位を整えたいときに良い選択肢です。施術中はゆったり過ごせて、終わればすぐに日常生活に戻れる点も大きな魅力です。
期待値は前向きに、しかし現実的に持っておくのがおすすめです。一度で体が大きく変わる施術ではなく、部位ごとに脂肪を少しずつ減らしてラインを整える施術です。気になる部位が複数あったり、多くの量を減らす必要があったりする場合は、ほかの方法のほうが合うこともあるため、希望する程度を病院と相談してみると方向性が見えてきます。
施術後のケアも、結果を大きく左右します。凍らせてなくした脂肪細胞は二度と生えてきませんが、体重が増えると残った細胞が膨らみ、効果が見えにくくなることがあります。施術後も食事と運動で体重を安定させておけば、整ったラインを長く保つことができます。
クールスカルプティングは、なかなか落ちない部位を無理なく整えたい人に向いている施術です。控えめでも、二度と戻らない変化を求めていて、2、3か月待つ余裕があるなら、十分に検討する価値があります。部位や脂肪の状態を見ながら、経験豊富な病院と相談して決めれば、満足できる結果につながります。
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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
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