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Clarity IIトーニングがアレキサンドライトとNd:YAG、2つの波長で色素を使い分ける仕組み

By Dr. Kim1 min read

Clarity IIは、色素レーザーのカウンセリングでよく耳にする名前です。ただ「デュアル波長」と聞くと、単にレーザーが2倍強いという意味だと誤解しやすいところがあります。実際には強さの問題ではなく、色素がある深さの問題です。

肌にできる色素は1つの層だけにあるわけではありません。そばかすや浅いシミは表皮、つまり肌の一番外側の層に集まっていることが多く、肝斑のように薄く広がった茶色は、それよりも深い真皮側の境界まで及んでいることが少なくありません。波長が1つだけでは、この2つの深さを同時に扱うのは難しいものです。Clarity IIが2つの波長を備えている理由はここにあります。

Clarity IIはなぜ波長が2つあるのか?

Clarity IIは、755ナノメートル(光の波長の長さを示す単位で、数値が小さいほど浅い層で吸収されます)のアレキサンドライトレーザーと、1064ナノメートルのNd:YAGレーザーを1台にまとめた機器です。どちらのレーザーもメラニン(肌の色をつくる茶色い色素)によく吸収されますが、吸収される深さが違います。

光は波長が短いほど組織の表面近くで大部分が吸収され、波長が長いほどより深くまで届きます。懐中電灯の光が薄い紙は透けやすくても厚い紙は透けにくいのと同じように、波長の長短によって届く深さが変わってくるわけです。そのため、浅い色素と深い色素を1つの波長だけで同じように扱うと、どちらか一方は力不足になったり過剰になったりしてしまいます。

755ナノメートルが表皮の色素を担当する理由

アレキサンドライト波長はメラニンへの吸収率が特に高く、比較的浅い層でエネルギーの大部分が消費されます。そのため、表皮に集まったそばかすやシミ、老人性色素斑のように境界が比較的はっきりした色素を狙うときに主に使われます。

色素細胞の中のメラニン顆粒がこの光を吸収すると、瞬間的に熱が上がって顆粒が細かく砕かれます。砕かれた破片は時間とともに、体の掃除役であるマクロファージ(老廃物を取り込む免疫細胞)に取り込まれ、少しずつ排出されていきます。表皮側の色素が比較的早く薄くなるのも、この排出経路が短いためです。

1064ナノメートルが真皮の色素を担当する理由

Nd:YAG波長はアレキサンドライトよりも深くまで届く一方、表皮で吸収される割合は低めです。そのため、肝斑のように真皮側の境界まで広がった色素を扱うときや、色の濃い肌に使って表皮のダメージリスクを抑えたいときに選ばれることが多くなります。

ただし真皮は表皮よりも血管や神経が多く、回復にも時間がかかる層です。そのため1064ナノメートルは、一度に強く照射するよりも、低いエネルギーを何度も重ねて照射する方法が主に使われます。深いところまで熱を少しずつ分けて届けることで、周囲の組織を傷めずに色素だけを選んで刺激できるからです。

トーニングは何が違うのか?

同じレーザーでも「トーニング」という名前がつくと、施術の方法自体が変わります。ほくろや老人性色素斑のように境界がはっきりした病変を取り除くときは、強いエネルギーを一度に照射してその部位を確実に破壊します。一方、肝斑のように浅く広く広がった色素は、低いエネルギーで顔全体を何度も繰り返し照射しながら整えていきます。

エネルギーを下げる理由は単純です。強いエネルギーで広い範囲を扱うと、回復の過程でかえって色素が濃くなる反応(炎症後色素沈着)が起きやすいからです。特にアジア人の肌は欧米人よりもメラノサイトが刺激に敏感に反応しやすく、強いエネルギーを広く当てると、むしろまだら模様の新しい色素斑ができてしまう副作用につながりやすいのです。

低いエネルギーを何度も分けて使えば、1回ごとの刺激は弱くても、繰り返すことで効果は積み重なっていきます。強く一度押す代わりに、そっと何度も押してドアを開けるのに似ています。1回ずつの力は弱くてもドアは結局開き、その過程で手を傷める危険は減ります。この繰り返しの低出力方式こそがトーニングの核心です。

色素が薄くなる仕組み

トーニングは1回だけで色素が目に見えて薄くなるわけではありません。低いエネルギーがメラニン顆粒を少しずつ細かく砕き、砕かれた破片がマクロファージによって徐々に排出される過程が毎回積み重なって、ようやく変化が現れます。パン生地を一度に大きくちぎるのではなく、小さくちぎって何度も取り除くのに近いイメージです。

この過程で、色素をつくる細胞であるメラノサイト自体はほとんど残っています。つまり色素細胞をなくすのではなく、すでにできてしまった色素顆粒を細かく砕いて、体が自らそれを片づけるように促す方法なのです。そのため、紫外線を浴びたりホルモンの変化があったりしてメラノサイトが再び活発になると色素は再発することがあり、維持のためのケアも必要になる理由がここにあります。

肝斑は特に女性ホルモンと紫外線の影響を合わせて受ける色素なので、レーザーで既存の顆粒をどれだけ細かく砕いても、メラノサイト自体が再び活性化する条件が繰り返されれば色素はまたつくられてしまうことがあります。そのためトーニングは、色素を完全に終わらせる施術というより、つくられる速さよりも片づける速さを上回らせて色を薄く保つ方向に近いといえます。

コラーゲンまで刺激される理由

低いエネルギーを繰り返し照射するトーニングは、色素だけでなく肌のきめにも影響を与えます。熱が真皮までわずかに伝わると、その場所の線維芽細胞(コラーゲンをつくる真皮の中の細胞)が弱い刺激を受けて反応します。傷ができると体が回復反応をオンにするように、ごくわずかな熱刺激にも細胞が似たような反応を起こし、コラーゲンの生成を少し増やすのです。

この反応は、色素をなくす目的で使ったエネルギーの副次的な効果に近いものです。そのためコラーゲンの変化の度合いは色素改善ほどはっきりしませんが、何回か施術を重ねるうちに毛穴や肌のきめまで一緒に整ったという声がよく聞かれる理由でもあります。

ただしコラーゲンが目に見えて増えるにはある程度の刺激の積み重ねが必要なため、1〜2回のトーニングだけで毛穴やハリまで大きく変わることを期待するのは難しいでしょう。色素改善を目標に地道に回数を重ねていくうちに、自然についてくるきめの変化程度に受け止めるのが現実的です。

施術後のケアと維持期間

トーニングは回復が比較的早い施術ですが、繰り返し受ける施術だからこそ、施術と施術の間のケアが結果に影響します。

  • 紫外線対策: トーニング直後の肌は刺激に対してより敏感になっているため、紫外線にさらされるとメラノサイトが再び活発になり、色素が戻ってくることがあります。施術前後の数日は特に気をつける必要があります。
  • 保湿: 浅い層に繰り返し熱刺激が加わるため、肌のバリア機能が一時的に弱まることがあります。十分に保湿してバリアの回復を助けてこそ、次の回も安定して進められます。
  • 施術間隔: 色素が少しずつ砕かれて排出されるには時間が必要なため、間隔を詰めすぎると排出が終わる前にまた刺激を与えることになってしまいます。一般的には2週間から4週間の間隔で行われることが多いです。
  • 刺激の強いケアは控える: 施術直後の角質ケアや強いマッサージは、敏感になった肌にさらなる刺激となる可能性があるため、数日は避けることが勧められます。

色素は1回の施術で完全になくなる性質のものではなく、つくられることと排出されることが繰り返される性質のものです。そのためClarity IIトーニングも、単発の施術というより、ケアとともに続けていく過程として捉えると結果を理解しやすくなります。

References

Korean Dermatological Association, American Academy of Dermatology (AAD), and Ministry of Food and Drug Safety (MFDS).

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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

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