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引っ込み顎を整えるフィラーとインプラント、仕組みと持続期間、元に戻せるかまで比較した選び方の基準

By Dr. Kim1 min read

引っ込み顎とは、下顎が顔の他の輪郭よりも後ろに引っ込んで見える状態を指します。横から見たときに顎先が唇よりも内側にあると顔のラインがのっぺりとした印象になり、首と顎の境目があいまいになって二重顎のように見えることもあります。こうした引っ込み顎を整える方法は、大きく分けてフィラーとインプラントの二つです。

どちらも顎を前に出して立たせるという目的は同じですが、顎が立ち上がる仕組みや持続する期間、あとで元に戻せるかどうかはそれぞれ異なります。この違いを知っておくと、自分に合った方法を選びやすくなります。

引っ込み顎はなぜできるのか?

引っ込み顎は、顎の骨自体が小さかったり後方に位置していたりすることで起こる場合が多いです。生まれつき下顎骨が小さく育つケースもあれば、成長の過程で上顎と下顎の伸びるスピードが合わず、下顎が相対的に短く見えるケースもあります。

顎周りの筋肉や脂肪、皮膚といった軟部組織の厚みも影響します。骨自体は標準的な大きさでも、顎先を覆う組織が薄いと顎がより引っ込んで見えることがありますし、反対に骨がやや小さくても組織が厚ければ、外見上はあまり目立たないこともあります。

そのため引っ込み顎を整える際には骨の位置そのものを変える方法まで検討されることもありますが、この記事では骨を直接切らずに顎先のボリュームを足して横顔のラインを立たせる二つの方法、フィラーとインプラントを比較します。

フィラーが顎を立てる仕組み

フィラーは顎先の皮膚の下、骨のすぐ上のスペースにヒアルロン酸成分のジェルを注入する方法です。ヒアルロン酸はもともと私たちの皮膚や関節にも存在する成分で、水分を引き寄せてその場でボリュームを作り出します。

細い針や先端が丸いカニューレ(細い管状の注入器具)を使い、顎の骨を覆う薄い膜の近くにジェルを置くと、そのジェルが骨の前面に薄いクッションのように乗って顎先が前に出て見えるようになります。骨には触れず、その上に足していくイメージだと分かりやすいでしょう。

ジェルの硬さによって仕上がりの印象も変わります。やわらかいジェルは自然に広がりますが立たせる力は弱く、硬いジェルは顎先をくっきりと立たせる力が強くなります。そのため、顎をどれくらい際立たせたいかによって使うジェルの種類が変わってきます。

インプラントが定着する仕組み

インプラントはシリコンや多孔性ポリエチレン(小さな穴が密に空いた合成素材)といった固形の素材を、顎の骨の前面に直接乗せる方法です。皮膚と筋肉を切開して骨が見えるスペースを作ったあと、あらかじめ削っておいたインプラントをそこにはめ込み、骨に固定します。

シリコン製インプラントは表面が滑らかで骨の上にすべり込むように定着しますが、周囲の組織と強く癒着することはありません。一方、多孔性ポリエチレンは小さな穴の間から体の組織や血管が入り込んで育つため、時間が経つと骨や組織と一体化するように固定されます。そのため位置が安定して保たれる力は強い一方、あとで位置を変えたり抜去したりする必要が出た場合はその分手間のかかる手術になります。

インプラントは骨の上に丸ごと乗せる固形の塊なので、フィラーのように少しずつ分けて入れたり部位ごとに細かく調整したりするのは難しいです。その代わり、一度定着すると形が崩れずに保たれる点が特徴です。

持続期間に差が出る理由

フィラーが時間とともに吸収されるのは、ヒアルロン酸という成分そのものの性質によるものです。体内にはもともとヒアルロン酸を分解する酵素が存在しており、この酵素が注入されたジェルを少しずつ分解し、水分とともに体の外へ排出させていきます。

ジェルがどれくらい硬く作られているか、どれくらい深く入れたかによって分解のスピードは変わりますが、いずれ時間が経つにつれてボリュームは少しずつ減っていきます。そのためフィラーで立てた顎は、ある時点で改めて注射を追加してボリュームを補わないと、最初の形を保てなくなります。

一方インプラントは、シリコンでも多孔性ポリエチレンでも体内の酵素では分解されない合成素材です。骨にネジや縫合糸で固定までしているため、組織がたるんだり老化が進んだりすることとは別に、インプラント自体のボリュームはほぼそのまま保たれます。そのため一度入れると長く形が維持されると説明されています。

回復期間と痛みの違い

フィラーは針やカニューレで注入する施術のため、皮膚に残る傷はごく小さいです。その分回復も早い傾向にあり、腫れや軽い内出血も数日ほどで落ち着くことが多いとされています。痛みについても局所麻酔クリームやジェル自体に含まれる麻酔成分のおかげで、施術中に強く感じることは少ないようです。

インプラントは切開と剥離(組織を持ち上げてスペースを作る過程)を伴う手術のため、話は変わってきます。歯茎の内側や顎の下の皮膚を切開し、骨が見えるところまで組織を広げないとインプラントを入れるスペースができないため、腫れや内出血はフィラーより長引きます。切開部位が治るまでにも時間がかかり、感覚が鈍くなる感じが数週間続くこともあると言われています。

元に戻せるかどうかの違い

この点が二つの方法の最も大きな違いです。フィラーに使われるヒアルロン酸は、ヒアルロニダーゼという酵素の注射で比較的すばやく溶かして取り除くことができます。ジェルを分解するその酵素を人工的に注入し、分解のスピードを一気に引き上げる仕組みです。そのため、仕上がりが気に入らなかったり副作用が出たりしたときに、比較的簡単に元に戻す方法があります。

インプラントはそう簡単には取り除けません。固形の素材を抜き出すには、最初に入れたときと同じように切開と剥離を伴う手術をもう一度受ける必要があります。特に多孔性ポリエチレンのように組織が入り込んで育った素材は骨や組織と強く絡み合っているため、除去手術自体が最初の挿入よりも難しくなる場合があると言われています。そのためインプラントを選ぶときは、最初から慎重な判断がより重要になります。

自分に合った選び方は?

引っ込み顎の程度や自分の生活スタイル、元に戻せる余地をどれくらい残しておきたいかに応じて方法を選ぶと役立ちます。

  • 引っ込み具合が軽い場合: 骨の上に少し足すだけで横顔のラインが整うことが多く、負担の少ないフィラーから始めてみるのが自然な選択です。少しずつ入れながら、希望する仕上がりを目で確かめられるためです。
  • 顎がはっきりと引っ込んでいる場合: フィラーだけで補うには何度も、多くの量が必要になることがあり、インプラントのほうが効率的な選択になり得ます。固形の塊一つで足りないボリュームを一度に補えるためです。
  • 回復に十分な時間が取れない場合: 日常への復帰が早いフィラーのほうが負担は少なくなります。切開がなく、腫れが引くスピード自体が違うためです。
  • 形を変えたり元に戻したりする余地を残したい場合: フィラーが有利です。酵素で溶かせるということは、試行錯誤できる余地があるという意味だからです。
  • 一度決めた形を長く安定して保ちたい場合: インプラントが目的に合っています。骨に固定されてぐらつかない構造だからです。

決める前には、実際に顎を立てたい部分がどれくらい不足しているか、骨の状態と組織の厚みを診察で正確に確認する過程が先になります。同じ引っ込み顎でも原因と程度は人によって異なるため、その診断によってフィラーとインプラントのどちらがより合っているかが分かれます。

References

Korean Dermatological Association, American Academy of Dermatology (AAD), and Ministry of Food and Drug Safety (MFDS).

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About this article

診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

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