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国産・ドイツ・イギリス・アメリカ、ボトックスの産地で菌株と精製方法、拡散特性が変わる仕組み

By Dr. Kim1 min read

病院では「ボトックス」と呼ばれることが多いですが、実はボトックスは特定の会社の製品名で、成分自体はA型ボツリヌストキシンという一つの物質です。ただ、カウンセリングを受けていると国産、ドイツ製、イギリス製、アメリカ製という言葉がよく出てきて、価格もそれぞれ違います。同じ物質なのに、なぜ産地によって紹介のされ方が違うのか、気になる方も多いはずです。

答えは原材料そのものよりも作り方にあります。ボツリヌストキシンはクロストリジウム・ボツリヌムという菌が作るタンパク質ですが、この菌をどの菌株で培養し、どのように精製するかによって最終製品の純度と構造が変わります。そのため、同じA型トキシンであっても国や会社ごとに細かな特性に差が生まれます。

ボトックスは本当に産地によって違うのか

核となる成分は同じでも、周辺の構成は異なります。トキシン分子だけを見れば、どの国の製品でも神経と筋肉の間の信号伝達を遮断する原理は同じです。筋肉を動かせという神経信号が届く前に、その伝達物質が出る通路をふさいで筋肉が過剰に収縮しないようにする仕組みです。

ただ、トキシン分子は単独で存在しているわけではなく、周りに複合タンパク質という付属のタンパク質が一緒についていることが多くあります。この複合タンパク質はトキシンを守る包み紙のような役割を果たします。この包み紙をどれだけ厚く残すか、それとも完全に剥がして送り出すかは、会社や産地によって異なる選択です。この違いが拡散範囲や抗体反応の起こりやすさに影響すると報告されています。

アメリカ製オリジナルトキシンの製造原理

アメリカで作られるオリジナルのボトックスは、ホール菌株を培養してトキシンを得て、精製の過程で複合タンパク質をかなり多く残したまま製品化します。重さで見ると、900キロダルトン前後の大きな複合体として流通しているとされています。

複合タンパク質が多く残っていると、分子自体が重く大きくなります。重い粒子は水に落としたインクのように軽く広がることはなく、注入した場所の近くに比較的長くとどまる傾向があります。そのため、狙った部位だけを緻密に調整したい施術では予測しやすいと評価されてきました。ただ、複合タンパク質そのものが体に異物として認識される余地も一緒に残るという点は考慮する必要があります。

また、オリジナル製品は長い期間同じ菌株と工程で生産されてきたため、ロットごとに有効トキシンの割合が表示単位から大きく外れないよう管理する、蓄積された製造データを持っている点も特徴として挙げられます。新しく市場に出た製品ほど、こうした製造データが相対的に短いという違いがあります。

ドイツ製トキシンはなぜ複合タンパク質を取り除いて作るのか

ドイツで作られるトキシンは、精製の過程で複合タンパク質をほぼすべて取り除き、純粋なトキシン分子だけを残す方式を採っています。そのため、ネイキッドトキシン、つまり裸のトキシンという呼び方をされることもあります。

このように作る理由は、複合タンパク質が体の免疫反応を刺激する可能性を減らすためです。体は見慣れないタンパク質が入ってくると抗体を作って防御しようとする反応を示しますが、繰り返しトキシン施術を受ける人ほどこの抗体が積み重なり、後になって効果が出にくくなることがあると指摘されてきました。付属タンパク質を最小限にすれば体が異物と感じる材料自体が減るため、長期的に繰り返し施術を受ける場合にこの方式が好まれることがあります。ただ、純粋に濾過する分、製品内の有効トキシンの割合を表示単位と正確に合わせる精製技術が重要になります。

イギリス製トキシンが特によく広がる理由

イギリスで作られるトキシンは、アメリカ製より軽くドイツ製より重い、中間サイズの複合体として知られています。おおよそ300から500キロダルトンの範囲の小さな複合体に分かれて存在するという特徴があります。

粒子が小さいほど組織の間に染み込む速度が速くなります。絵の具を水に溶いたとき、粒子が細かいほど広く広がるのと似た理屈です。そのため、このトキシンは広い部位にやわらかく力を抜きたい施術、たとえば額や頬骨の下のように筋肉が広く分布している部位で、比較的少ない量でも広く作用すると評価されています。逆に、ごく狭い範囲だけを緻密に狙う必要がある部位では、意図した境界の外に力が広がる可能性も併せて考慮する必要があります。

施術者の立場では、こうした拡散特性をあらかじめ把握したうえで注入ポイントと量を調整することが重要です。同じ部位でも拡散が広い製品を使うときは注入ポイントの間隔を広げ、拡散が狭い製品を使うときは細かく分けて打つというように計画が変わってくるためです。

国産トキシンの菌株と精製方式

韓国で作られるトキシンは、会社ごとに独自に確保した菌株を使う場合が多く、精製方式も少しずつ異なります。複合タンパク質をかなり残す方式を採る製品もあれば、できる限り取り除く方式を採る製品もあり、アメリカ型とドイツ型のちょうど中間のどこかに位置する製品が混在しています。

国産トキシンの価格負担が比較的低い理由は、成分そのものが安いからというよりも、生産規模と流通構造の違いによる場合が多くあります。国内の複数の会社が競争しながら生産することで、単位当たりの供給単価が下がっている側面が大きいということです。国内の食品医薬品安全処の品質基準と許可手続きを通過した製品であるという点で、安全性審査そのものは海外製品と同じ枠組みに従っています。

施術を受ける前に産地を比較する際、確認しておくと役立つ点を整理すると次の通りです。

  • 複合タンパク質の含有量:多く残っているほど局所的に長くとどまる傾向があり、少ないほど広く拡散しにくく抗体形成の懸念が低いと評価されています。
  • 分子の大きさ:重い複合体は広がりにくく、軽い複合体は広く広がるという原理が施術部位の選択と結びついています。
  • 許可の有無:どの産地であっても食品医薬品安全処の許可を受けた正式な製品かどうかが、安全性の基本条件になります。
  • 施術部位との相性:狭く緻密な部位なのか、広く力を抜きたい部位なのかによって、適した拡散特性は変わります。

産地よりも大切な選び方の基準

産地の名前そのものよりも、その製品がどのような精製方式を採り、どのような特性を持っているかのほうが実際の結果に大きく影響します。同じアメリカ製であっても会社が違えば製造工程が違い、同じ国産であっても会社ごとに菌株と精製方式が異なるためです。

そのため、施術を受ける際にはどの国の製品かよりも、どの部位にどのような特性のトキシンが合うのかをカウンセリングで確認するほうが実質的です。広く小じわを伸ばしたい額と、狭くエラの筋肉だけを小さくしたい四角い顎とでは、必要な拡散範囲そのものが違うため、産地よりもその特性が実際の結果を左右します。

量や施術の間隔についても、製品よりも個人の筋肉量や肌の状態によって調整される部分が大きくなります。そのため、産地だけでどのトキシンが優れていると決めつけるのは難しく、それぞれの特性を理解したうえで自分の状況に合わせて選ぶアプローチのほうが合理的です。

効果がどのくらい持続するかについても、産地よりも注入の深さや量、個人の筋肉の使用量に大きく左右されるといわれています。よく使う筋肉の部位ほど神経と筋肉の間の結合が新しく伸びる速度が速く、効果が比較的早く薄れる傾向があり、これはどの産地の製品を使っても共通して見られる現象です。そのため、産地を選ぶ際には特性の違いを参考にしつつ、実際の施術経験が豊富な医師と相談して部位ごとに合わせるほうが、結果を左右するより大きな要素になります。

References

Korean Dermatological Association, American Academy of Dermatology (AAD), and Ministry of Food and Drug Safety (MFDS).

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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

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