Blue Rose Forte糸リフトの360度バラのトゲ状コグが引き上げてコラーゲンを作る仕組み
By Dr. Kim1 min read

Blue Rose Forteは、糸リフトに使う糸の中でも表面にトゲのような突起、つまりコグ(cog)が密に並んだ糸です。よく「バラのトゲ」のような形の糸と呼ばれますが、この形は単なるデザインではなく、組織をつかむ力に直結しています。なぜそうなるのか、一つずつ見ていきます。
この糸はPDO(polydioxanone、手術用縫合糸としても長く使われてきた、体内で自然に溶ける糸の素材)で作られています。そのため、引き上げる力とコラーゲンを作る力、この二つが同時に働きます。引き上げる力は施術直後からすぐに感じられ、コラーゲンを作る力は数か月かけてゆっくり積み重なっていきます。
Blue Rose Forteのコグ構造
糸の表面には360度方向に細かい突起が並んでいます。従来の糸が片方向にしか引っかからない釣り針の返し(バーブ)構造だったのに対し、この糸はどの角度から引いても組織をつかめるよう、突起が密に配列されています。
さらに、突起と突起の間隔も従来のBlue Rose系の糸より狭く作られています。間隔が狭いほど、単位長さあたりで組織をつかむポイントが増えるため、同じ長さの糸でも引き上げる力をより均等に分散させて支えることができます。額縁を釘一本で吊るすより、釘を数本に分けて吊るしたほうが重さが一か所に偏らないのと同じ理屈です。
突起一つひとつが負担する力が小さくなれば、その分特定のポイントに力が集中して組織が裂けたり、糸が空回りしたりする問題も減ります。つまり密なコグ構造は、単に強くつかむというより、つかむ力を広く分散させて安定的に保つ仕組みに近いといえます。
どのように顔を引き上げるのか?
糸を皮膚の下の脂肪層に入れて引くと、突起が周囲の組織をつかんだまま一緒に引き上げられます。この糸は両面に突起があるため、糸が通る道全体で上下の組織を同時につかむことができます。
そのため、片面にだけ突起がある糸より力を受ける面積が広がり、たるんだ頬の肉やフェイスラインまわりの組織がより安定して定着しやすくなります。施術直後にフェイスラインがすっきり整って見えるのは、この物理的につかんで引き上げる力によるものです。
従来のBlue Roseとの違い
Forteは従来のBlue Rose系の糸を改良した製品です。コグの間隔をさらに狭め、両面構造に変えることで、糸が切れずに耐える力である引張強度と、組織をつかむ固定力を同時に高めています。
糸が簡単に切れないほど施術中の扱いも安定し、固定力が強いほど引き上げた組織が長くその位置にとどまります。そのため、同じ本数の糸を入れても組織を支える力がより強いとされています。ただし糸の素材自体はPDOで変わらないため、溶けるスピードやコラーゲンを作る仕組みは他のPDO糸と大きく変わりません。
つまり、Forteの改良点は糸が何で作られているかではなく、その糸の表面をどう削るかにあります。素材が同じでも突起の向きと間隔を変えれば組織をつかむ方式自体が変わるため、同じPDO糸でも世代によって感じる固定力に差が出ることがあります。
糸が溶けながらコラーゲンを作る仕組み
PDOは体内の水分と酵素によって時間とともに徐々に分解され、水と二酸化炭素に変わる素材です。体はこの糸を異物として認識し、糸が通った場所に小さな修復反応を起こします。
この過程で線維芽細胞(皮膚の中でコラーゲンを作る細胞)がその場所に集まり、新しいコラーゲンを作り始めます。指先にトゲが刺さったとき、その周りが少し赤くなって腫れ、体が自ら治そうとする反応が働くのと似ています。ただし、糸が通った場所ではこの反応がずっと弱い強さで静かに起こると考えればよいでしょう。
ここでコグ構造がもう一度役割を果たします。突起が密であるほど糸と組織が触れ合う面積が広がり、体が反応を起こすポイントもその分増えます。つまり、コグの間隔を狭めた設計は引き上げる力だけでなく、コラーゲンが作られる場所を増やすことにも関わっているといえます。
コラーゲン刺激が実際に起こるという根拠
動物実験や組織検査を用いた複数の研究で、PDO糸を挿入した部位の真皮でコラーゲン線維の密度が増加した所見が確認されたとの報告があります。糸の周囲で新しい血管とコラーゲン線維が一緒に増えた様子が観察されたという報告もあります。
この過程では、古いコラーゲンを分解する酵素の働きと新しいコラーゲンを作る働きが同時に起こり、組織が徐々に編み直されると説明されています。ただし、こうした反応がどれほど強く起こるかは年齢や肌の状態、挿入した糸の本数や深さによって人ごとに差があるため、何%という数字で言い切るのは難しいところです。
持続期間を決める要因は何か?
Blue Rose Forteを入れたあと、効果がどれくらい長持ちするかは一つの要因だけで決まるわけではありません。次のような要因が一緒に働くと考えられています。
- 糸の本数と太さ: 糸が多く太いほど物理的に引き上げる力とコラーゲンが作られる面積が同時に増え、効果が長く持続する傾向があります。刺激を受ける組織の範囲そのものが広がるためです。
- 挿入する深さと方向: 組織をつかむポイントが顔の動きの方向とよく合うほど、突起が緩む速度は遅くなります。噛んだり笑ったりするときの動きの方向とずれてかかると、その分早く力が緩んでしまうためです。
- 個人の肌の老化スピード: 紫外線への曝露、喫煙、もともとのコラーゲンを作る能力によって、新しく作られたコラーゲンがどれくらい長く保たれるかが変わります。コラーゲンも結局は時間が経てば再び分解されるタンパク質だからです。
- 施術後のケア: 回復初期に無理なマッサージや強い圧迫を受けると、まだ定着していない糸と組織が動いてしまうことがあります。組織が定着する前に物理的な刺激が加わると、つかんだ力がその分ゆるみやすくなるためです。
一般的にPDO系の糸の効果は数か月から1年前後持続すると報告されるケースが多いものの、上記のような理由で個人差の幅は広くなります。
施術後のケアで大切なこと
コラーゲンが作られる過程を邪魔しないことがケアの要です。施術直後の数日間は、サウナや岩盤浴のように熱の多い場所を避けることが勧められます。熱を受けると組織がむくんで緩み、まだ定着していない糸が動いてしまうことがあるためです。
また、顔を強くこすったり、うつ伏せなど圧迫される姿勢も数日間は避けたほうがよいでしょう。糸が定着する前に動くと位置がずれることがあるためです。初期のむくみやあざは時間が経てば自然に落ち着くことが多く、回復のスピードには個人差があります。
紫外線対策はコラーゲンが再び分解されるスピードを遅らせるのに役立つとされているため、施術の有無にかかわらずこまめに続けることをおすすめします。
こうしたケアの期間は、糸が定着してコラーゲンが少しずつ積み重なっていく数か月と重なります。ですから、最初の数日だけ気をつけて終わりにするより、回復が進む間ずっと刺激を減らす習慣を続けるほうが、糸のつかむ力と新しく作られるコラーゲンの両方を守るのに役立ちます。
References
Korean Dermatological Association, American Academy of Dermatology (AAD), and Ministry of Food and Drug Safety (MFDS).
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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
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