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目の下に入れたフィラーが時間とともに青く透けて見えるチンダル現象の仕組みと予防法

By Dr. Kim1 min read

目の下にフィラーを入れて数日経った頃、鏡を斜めから見ると目の下がうっすら青みがかって見えることに気づく方がいます。あざができているわけでも、腫れているわけでもないのに、その部分だけ青灰色に透けて見える感覚です。

この現象には名前があります。チンダル現象です。肌の中に入ったフィラーの粒子に光が当たって散乱することで起こる、光学的な現象です。目の下の肌はとりわけ薄く敏感な部位なので、この現象が特に目立ちやすくなります。なぜよりによって青く見えるのか、どんな条件でよく起こるのか、その仕組みをひとつずつ見ていくと、予防やケアの方向性も自然と見えてきます。

目の下にフィラーを入れるとなぜ青く透けて見えるのか?

光はさまざまな色の波長が混ざった状態で目に入ります。青い光は波長が短く、赤い光は波長が長いという性質があります。この光が肌の中の小さな粒子にぶつかると、波長が短いほど散乱しやすい性質があります。

肌の下に浅く入ったフィラーの粒子は、この散乱を引き起こす障害物の役割を果たします。波長の長い赤い光は粒子をそのまま通過するか吸収されるのに対し、波長の短い青い光は粒子にぶつかって四方八方に跳ね返ります。跳ね返った青い光の一部が再び肌の外に出てくることで、目にはその部分が青く映るのです。空が青く見えるのと同じ原理で、光が空気中の小さな粒子にぶつかって散乱する現象を思い浮かべると理解しやすいと思います。

チンダル現象、光が散乱する仕組み

この散乱現象は物理学でチンダル現象と呼ばれています。牛乳や霧のように小さな粒子が浮かんでいる液体や気体に光を当てると、光がまっすぐ進めずに粒子にぶつかっていろいろな方向に散らばります。懐中電灯を霧の中で照らすと光の筋がぼんやりと広がって見えるのと同じ理屈です。

ヒアルロン酸フィラーも水分を含んだゲル状の粒子でできています。肌の中に入ったこの粒子が、霧の中の水滴と似た役割を果たします。粒子の大きさが可視光線の波長と同じか、それより小さいほど散乱が起こりやすいため、フィラー粒子そのものの物理的な特性がこの現象の出発点になります。粒子が大きく粗くまとまっていれば光の通り道がふさがれにくく散乱も抑えられますが、きめ細かく密な粒子は光を捕まえて散らす力がより強くなります。

目の下の肌がとりわけ透けやすい理由

同じフィラーを別の部位に入れても、この現象はあまり見られません。目の下の肌だけがとりわけ敏感に反応する理由は、肌の厚みにあります。

目の下の肌は顔の中で最も薄い部位のひとつです。頬や額の肌と比べると、その下にある組織を覆い隠す厚みそのものがずっと薄いのです。肌が厚ければその下にあるフィラーの粒子をある程度覆い隠してくれますが、目の下のように薄い肌ではその遮蔽の役割を十分に果たせません。フィラーが肌の表面に近い位置にとどまりやすい構造だといえます。さらに目の下は表情筋の動きが多く、血管も浅いところを通っている部位なので、その下に置かれたフィラーが表に透けて見える条件がほかの部位よりもいくつも揃っています。

フィラーを入れる深さが色を左右する理由

同じ製品でもどの深さに入れるかで透け具合が大きく変わります。深さがこの現象の重要な変数になる理由は、光が肌を通過する距離に関係しています。

フィラーが骨に近い深い層に入ると、その上を覆う組織の厚みが増します。光が肌の表面に届くまでにいくつもの組織の層を通過しなければならないため、散乱した青い光が外に出る前に再び吸収されたり方向がそれたりする確率が高くなります。逆にフィラーが真皮のすぐ下、つまり肌に近い浅い層に入ると、散乱した光がほぼそのまま外に出てきます。薄いカーテンの後ろに置かれた物はシルエットが透けて見えるのに、厚い壁の後ろに置かれた物は見えないのと似た理屈です。だからこそ目の下のように薄い部位では、注入する深さをどれだけ正確に合わせるかが結果を大きく左右します。

フィラーの種類と粒子の特性が与える影響

すべてのヒアルロン酸フィラーが同じ程度に透けるわけではありません。製品ごとに粒子の作り方や水分を引き寄せる性質が異なるためです。

水分を多く引き寄せる親水性の強い製品は、時間が経つにつれて周囲の水分を吸収して体積が徐々に大きくなる特性があります。最初は適度に深い層に入っていても、体積が大きくなることでその位置が相対的に表面に近づくことがあります。そのため施術直後は問題なくても、数週間経ってから透けが現れる場合もあります。一方、粒子が大きく粗く架橋された比較的硬い製品は、目の下のような薄い部位ではかえって表面で輪郭が触れたり、塊のような凹凸が目立ったりすることがあるため、この部位には柔らかく薄く広がるように作られた製品を少量使う方法がよく勧められます。

架橋の方式も影響します。ヒアルロン酸の鎖を密に編み込むほどゲルは硬くなり、形を長く保ちますが、その分粒子の境界がはっきりして光を捕まえて散らす面も増えます。逆に鎖を粗く編んで柔らかく仕上げたゲルは、周囲の組織との境界がなだらかになり、光が比較的滑らかに通過します。目の下専用の製品が別に作られているのもこうした理由からです。薄くて動きの多い部位に合わせて、最初から散乱が起こりにくいように設計されているのです。

チンダル現象を前もって防ぐ方法

チンダル現象は予防のほうが対処よりずっと簡単です。予防のポイントは、これまで説明してきた仕組みを逆に応用することにあります。

  • 目の下専用に作られた柔らかい製品を選ぶこと:親水性が低くきめ細かく広がる製品ほど、時間が経っても体積が急に増えず、浅い位置で透ける危険が減ります。
  • 適切な深さに正確に注入すること:骨に近い深い層や筋肉の下の脂肪層を狙って入れれば、その上の組織がフィラーを十分に覆い隠してくれます。
  • 一度に入れる量を控えめに調整すること:量が多いほどフィラーが収まる空間が足りなくなり、浅い層まで押し出される可能性が高まります。
  • 時間を空けて少しずつ補正すること:一度に多く入れるより、結果を確認しながら少しずつ足していく方法が、過充填による透けを抑えてくれます。

すでに青く透けている場合、元に戻せるのか?

すでに目の下が青く透け始めていても、取り返しのつかない状態ではありません。ヒアルロン酸フィラーはもともと体内で分解される成分だからです。

ヒアルロニダーゼという酵素を透けている部位に正確に注射すると、その場所のヒアルロン酸フィラーだけを選択的に分解して除去できます。その部位全体をあらためて触ることなく、透けが目立つ箇所だけをピンポイントで溶かす方法が可能なのです。フィラーが分解され散乱を起こしていた粒子そのものがなくなれば、光が散らばる対象がなくなるため青みも一緒に薄れていきます。

ヒアルロニダーゼはヒアルロン酸の鎖を細かく切って水に溶けやすい状態に変える酵素です。鎖が切れたフィラーはもはや光を散乱させるほど大きな粒子として固まっていられず、体内の代謝過程を経て徐々に吸収され消えていきます。そのため反応の速度は比較的早いとされており、透ける程度が目に見えて薄くなる変化を数日のうちに実感するケースもあります。時間が経つにつれて自然に薄れるのを待つ場合もありますが、目に見えて気になるようなら担当医と相談して状態に合った方法を決めるのが安心です。

References

Korean Dermatological Association, American Academy of Dermatology (AAD), and Ministry of Food and Drug Safety (MFDS).

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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

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