肉割れレーザー治療は赤い肉割れと白い肉割れで違う?
By Dr. Kim1 min read

肉割れは、皮膚が短期間で急激に伸びることでできる跡です。思春期の成長期や妊娠、急な体重変化の時期にできやすく、一度できると自然には消えません。そのためレーザー治療を検討する人が多いのですが、実際には肉割れの状態によって使うレーザーも仕組みも変わってきます。
赤みや紫がかった初期の肉割れと、白っぽく銀色に落ち着いた古い肉割れとでは、皮膚の中で起きていること自体が違います。ですから、同じレーザーを同じように当てても、同じ効果が出るわけではありません。肉割れレーザーが実際に皮膚の中で何に働きかけているのか、その仕組みを一つずつ見ていきます。
肉割れができるしくみ
皮膚は表皮(いちばん外側の層)、真皮(その下の厚い層)、皮下脂肪の順に重なっています。真皮の中では、コラーゲンとエラスチン(elastin、伸びた皮膚を元に戻す弾力繊維)が網目のように絡み合って皮膚を支えています。
成長や体重の変化で皮膚が短期間に急に伸びると、この網目構造が伸びるスピードに追いつけず、ところどころ切れてしまいます。輪ゴムをゆっくり伸ばせば伸びるだけで済みますが、急に強く引っ張ると切れてしまうのと同じ理屈です。
こうして切れた部分には、正常な真皮の代わりに薄くて弱い瘢痕組織が入り込みます。肉割れが周りの皮膚より薄く、触るとわずかにへこんだ感触があるのはこのためです。
赤い肉割れはなぜ白く変わる?
できたばかりの肉割れは、たいてい赤みや紫がかった色をしています。この時期はストリエ・ルブラ(striae rubra、赤い肉割れ)と呼ばれます。真皮が裂ける際にその部分の血管が増えたり広がったりするため、皮膚の下の血管が透けて見えるのです。
時間が経つとこれらの血管は徐々に減っていき、裂けた部分はコラーゲンが不足したまま瘢痕のように硬くなっていきます。この段階はストリエ・アルバ(striae alba、白い肉割れ)と呼ばれます。血管が減って赤みが引き、コラーゲン密度そのものが低いため、周囲の皮膚より白っぽく、あるいは銀色に見えるのです。
色が違うということは、皮膚の中でレーザーが働きかける対象そのものが違うということです。ですから、レーザーを選ぶ際にもまず、今の肉割れがどの段階にあるのかが優先して考慮されます。
赤い肉割れにはどのレーザーを使う?
赤い肉割れには主にパルス色素レーザー(pulsed dye laser、585から595nmの波長を使うレーザー)が使われます。このレーザーの光には、ヘモグロビン(血液中で酸素を運ぶ赤い色素)によく吸収されるという特性があります。
光が皮膚の中で拡張した血管に当たると、血管壁が熱を受けて少しずつ縮んでいきます。血管が細くなればそのぶん赤みが減り、施術後は肉割れの部分が徐々に周りの肌色に近づいていきます。膨らんだゴムホースを押しつぶして細くするのと似た仕組みです。
同時に、この熱刺激は真皮の中の線維芽細胞(コラーゲンを作る細胞)も刺激するため、赤みを減らすだけでなく、新しいコラーゲンが作られる反応も引き出すと報告されています。ただし、このコラーゲン刺激効果は、後で説明するフラクショナルレーザーに比べるとやや弱めです。
白い肉割れにはどのレーザーを使う?
白い肉割れは、血管よりもコラーゲン不足そのものが中心の問題なので、血管を狙うパルス色素レーザーだけでは効果が限られます。そのためこの段階では主にフラクショナルレーザー(fractional laser、CO2やエルビウムヤグなど、微細な点単位で照射するレーザー)が使われます。
フラクショナルレーザーは皮膚全体を焼くのではなく、髪の毛より細い微細な穴を密に開けていきます。布全体を焼く代わりに、針で小さな穴をいくつも開けるようなイメージです。こうして小さな損傷だけを与えた部分は回復が早い一方で、傷を修復しようとする体の反応はしっかり起こります。
この小さな穴の周りに線維芽細胞が集まり、新しいコラーゲンとエラスチンを作り出します。薄く弱かった瘢痕組織の部分に新しいコラーゲンが満たされることで、肉割れの部分は周囲の皮膚に近い厚みときめへと徐々に変わっていきます。白っぽく落ち着いた色の原因がコラーゲン不足だったのですから、コラーゲンが満たされれば色も質感もあわせて改善していくのです。

肉割れレーザーは何回受ける?
コラーゲンが新しく作られる過程は、数日で終わるものではありません。傷ができてもすぐに新しい組織が満たされるわけではなく、炎症反応、新しい組織の形成、そして組織が整理されるリモデリングまで、いくつもの段階を順番に経ていくためです。この一連の流れは、通常4週間から12週間ほどかけて進みます。
一回の施術で作れる微細な穴の数や刺激の量には限りがあります。そのため、一回の刺激だけでは瘢痕のように薄くなった組織全体を満たすのは難しく、4週間から6週間ごとに分けて施術を重ね、コラーゲンを少しずつ積み上げていく方法がとられます。壁にペンキを薄く何度も重ね塗りしてこそ、色むらなく仕上がるのと同じ理屈です。
施術の間隔をあまりに詰めて行うと、皮膚が回復しきる前に再び刺激を受けることになり、かえって炎症だけが積み重なってしまうことがあります。回復に必要な時間の間隔を守ることが、コラーゲンを安定して積み上げるうえで重要だとされています。
効果の持続期間と再発の可能性
レーザーで新しく満たされたコラーゲンは、その後6か月から12か月ほどかけてゆっくりと定着し、肉割れ部分の厚みと色が少しずつ安定していきます。ただしこのコラーゲンも、時間が経てば徐々に分解され、また作られるというサイクルを繰り返すタンパク質なので、一度良くなった状態が一生そのまま固定されるわけではありません。
また、レーザーはすでにできた肉割れを改善する施術であって、これから新しい肉割れができるのを防ぐ施術ではありません。妊娠や急激な体重変化のように皮膚が再び急に伸びる状況になれば、それまで何もなかった場所に新しい肉割れができることもあります。皮膚が伸びるスピードと真皮が耐えられるスピードの差が根本的な原因なので、この条件が再び起これば結果も同じように繰り返されるのです。
そのため、クリニックでは施術前に今後の予定も一緒に確認するのが一般的です。たとえば妊娠を控えている場合は出産後まで時期を延ばすことが多いのですが、これは妊娠中にお腹が大きくなる過程で、せっかく満たしたコラーゲンの部分が再びダメージを受ける可能性が高いためです。体が再び急に伸びる時期を過ぎてから施術を受けたほうが、効果を長く保つうえで有利だとされています。
施術後の注意点とケア方法
コラーゲンが定着していく過程を邪魔しないことが、アフターケアの基本です。
- 施術直後の数日間は、肌が赤くなったり、少し腫れたりする反応が出ることがあります。レーザーが作った微細な損傷部分で、正常な回復反応が始まったサインだからです。
- 紫外線対策は施術後、特に気をつける必要があります。回復中の肌は色素を作る細胞が敏感になっているため、紫外線にさらされるとその部分だけ色が濃くなる色素沈着が残ることがあるからです。
- トレチノイン(tretinoin)のようなレチノイド系成分の角質ケア製品は、施術直後は刺激になることがあるため、再開のタイミングは皮膚科と相談して決めることが勧められます。回復中の薄い肌には、同じ刺激でもより強く感じられることがあるためです。
- 強くこすったり、垢すりをしたりする習慣は避ける必要があります。まだ定着しきっていない新しい組織に物理的な刺激が加わると、回復が遅れることがあるためです。
References
Korean Dermatological Association, American Academy of Dermatology (AAD), and Ministry of Food and Drug Safety (MFDS).
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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
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