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首やわきのスキンタッグ除去、エルビウムヤグとCO2レーザー、電気焼灼と凍結療法の選び方とケア

By Dr. Lee1 min read

首やわき、まぶたに肌色の小さくてやわらかいできものが少しずつ増えることがあります。最初は粟粒ほどの大きさでも、いつの間にか茎ができてぶら下がったような形になることも珍しくありません。ネックレスや襟に擦れたり、手が触れるたびに引っかかったりして気になるものです。こうした病変の多くはスキンタッグです。

スキンタッグは軟性線維腫とも呼ばれ、摩擦や加齢によって皮膚がたるみ、突起状になった良性のできものです。幸い健康を損なうものではなく、きちんと処置すればほとんどの場合きれいに整います。ただ、自宅で糸で縛ったり爪でむしったりして出血や跡を残してしまうケースも多いので、仕組みを理解してから対処するほうが安心です。そこで今回は、スキンタッグがどんな病変でなぜできやすいのか、稗粒腫やイボとの見分け方、エルビウムヤグとCO2レーザー、電気焼灼、凍結療法のうちどれを選ぶべきか、色素沈着のケア方法、そして糖尿病や代謝症候群との関係を、実際の研究データをもとに一つずつ整理しました。

スキンタッグの構造を示す図。表皮の下にやわらかい線維組織と血管が茎のように伸びている

スキンタッグとは一体何でしょうか?

スキンタッグは皮膚がやわらかく伸びて茎のようにぶら下がる良性のできものです。表面は肌色か薄い茶色で、触るとやわらかい感触があります。大きさは1から5mmほどの小さなものがほとんどですが、長い間放置すると大きくなることもあります。表面の角質が厚くなるイボとは違い、スキンタッグの中身はやわらかい線維組織と血管で満たされているため、指でつまむとかすかに揺れます。

できやすい場所はある程度決まっています。首やわき、まぶた、脚の付け根、胸の下など、皮膚が折り重なって擦れ合う部位です。摩擦が繰り返される場所にできやすいのが特徴です。そのため、ネックレスやブラジャーの紐が当たる部分、肌が重なり合う部分に特に多く見られます。

スキンタッグはとても一般的です。成人の半数以上が一生に一度は経験するといわれていて、40代を過ぎると数が増える傾向があります。男女ともにできるもので、年齢とともに自然に増えていきます。一つ安心できる点は良性だということです。健康を害したりがん化したりすることはありません。ですから、見た目の気になる部分をいかにきれいに整えるかが重要になります。

稗粒腫やイボとはどう見分ければいいのでしょうか?

首や顔にぽつぽつと出てくるものには稗粒腫やイボも多く、スキンタッグと見間違えやすいものです。ただ、それぞれ性質がまったく違うので、まずどれなのかを見極めることが治療方針を決める第一歩になります。

稗粒腫は角質が表皮の下に閉じ込められてできる小さな嚢腫です。白か薄い黄色のなめらかな粒状で、少し切開すると中から白い角質が出てきます。一方、イボはヒトパピローマウイルス、いわゆるHPVの感染によってできるもので、表面がざらざらしています。ウイルスが原因のため、掻くと周囲に広がったり、人にうつったりすることもあります。扁平イボはその中でも平らな形をしていて、肌色か薄い茶色のものが複数まとまってできる傾向があります。

スキンタッグはこの二つとは異なります。ウイルスとは無関係なのでうつったり広がったりせず、角質が出てくることもありません。やわらかい肉のかたまりが茎状にぶら下がって揺れるのが決定的な見分け方です。白い角質が出れば稗粒腫、ざらざらして広がるならイボ、やわらかく揺れる茎状ならスキンタッグ、という具合に分けて考えるとわかりやすいでしょう。見た目だけで判断がつきにくいときは拡大鏡で確認したり、必要であれば組織検査を行ったりします。何であるかを先に見極めることで、不要な施術を減らすことができます。

項目スキンタッグ稗粒腫イボ
原因摩擦と加齢角質の嚢腫HPV感染
感染性なしなしうつる
形状やわらかい茎状白い粒ざらざらした丘疹
好発部位首とわき目元と頬手足、顔
見分け方揺れる茎押すと白い角質掻くと広がる

エルビウムヤグやCO2などのレーザー機器でスキンタッグを浅く精密に蒸散させて除去する

どの方法で除去するのがいいのでしょうか?

スキンタッグを除去する方法はいくつかありますが、今主流になっているのはレーザーです。中でもエルビウムヤグとCO2レーザーが代表的です。ごく細い光で病変だけを浅く焼き切る仕組みなので、まわりの正常な皮膚をあまり傷つけずにきれいに仕上がります。特にエルビウムヤグは熱が横に広がりにくく、まぶたのような薄くて繊細な部位や小さな病変を精密に扱うのに向いています。CO2レーザーも原理は似ていますが、熱が少し深くまで作用するため、根元がふっくらした病変に力を発揮します。

電気焼灼は微細な電気熱で病変を焼き切る方法です。切除と同時に止血もできるので、出血しやすい部位や根元が広く付いた病変に向いています。凍結療法は液体窒素で病変を凍らせて脱落させる方法で、複数の病変を素早く処理できるため数が多いときによく使われます。ただ、凍結の強さによっては周囲の正常な皮膚にも影響が及ぶので、地黒の肌では色素が薄くなったり濃くなったりする変化に注意が必要です。

どの方法を選んでも、スキンタッグ自体が浅くやわらかい病変なので、根が深い他の病変に比べると回復は比較的楽です。大切なのは、方法ごとに向いている状況が違うということです。病変の大きさや部位、数、肌の色に合わせて選べば問題ありません。

方法向いているケース特徴
エルビウムヤグレーザーまぶた、小さな病変浅く精密、熱の広がりが少ない
CO2レーザー根元がふっくらした病変やや深く作用
電気焼灼広く付着、出血しやすい部位止血も同時
凍結療法数が多いとき色素変化に注意

大きさや部位によってどう選べばいいのでしょうか?

方法を選ぶ基準は、病変の大きさと部位、数、そして肌の色です。まぶたのように皮膚が薄く繊細な部位や、ごく小さな病変にはエルビウムヤグレーザーで浅く精密に扱うほうが有利です。熱が横に広がりにくく、周囲の皮膚への負担が少ないためです。反対に根元がふっくらして大きさのある病変は、CO2レーザーや電気焼灼で根元までしっかり処理するほうがきれいに仕上がります。電気焼灼は止血も同時にできるので、出血しやすい部位には特に便利です。

首やわきに粟粒のような病変がたくさんある場合は、凍結療法で一度に複数を処理することもあります。ただ、凍結は強さによって色素変化が起きることがあるため、地黒の肌なら強度を下げて浅めにかけるほうが安心です。結局、どれか一つが正解というより、病変の状態や部位に合わせて選ぶのがいいでしょう。小さくて繊細ならエルビウムヤグ、大きくてふっくらしていればCO2か電気焼灼、数が多ければ凍結療法、と考えるとわかりやすいです。

もう一つ大事なのは、無理をしない強さで進めることです。一度に強く処理して跡を残すより、浅く何回かに分けて行うほうが肌にはやさしい方法です。目立ちやすい部位ほど、この原則が重要になります。

状況おすすめの方法
まぶた、薄い部位、小さな病変エルビウムヤグレーザー
根元がふっくらした大きな病変CO2レーザー、電気焼灼
出血しやすい部位電気焼灼
数が多いとき凍結療法
地黒の肌強度を下げて浅く

傷跡と色素沈着は施術の強さとアフターケアでかなり抑えられる

傷跡や色素沈着はどうすれば抑えられるのでしょうか?

スキンタッグの除去でとりわけ気になるのが色素沈着です。病変を取った跡に茶色いシミが残ることがあり、アジア人の肌はこうした色素沈着ができやすい傾向があるので、あらかじめケアを意識しておくと安心です。特に施術の強さが強いほど跡が残るリスクも上がります。そのため、病変だけを浅く処理する強度調整が最初のポイントになります。

色素沈着を抑えるポイントは二つです。一つは無理のない強さで病変だけを浅く処理すること、もう一つはアフターケアです。施術後は小さなかさぶたができてから自然に取れますが、このとき無理にはがすと跡が残るので、自然に落ちるまで待ちます。そして紫外線は色素を濃くする最大の原因なので、回復期間中は日焼け止めをこまめに塗ることが大切です。

ほとんどの色素沈着は時間とともに薄くなっていきますが、消えるまでの期間には個人差があります。一度に強く処理して跡を残すより、数が多いなら分けてやさしく処理するほうが色素の面では有利です。過度に心配する必要はなく、強度調整とアフターケアで十分にコントロールできます。特に目元や首のように目立つ部位ほど、無理のない施術と紫外線対策を組み合わせれば、きれいな仕上がりが期待できます。

スキンタッグが多い人と少ない人の糖尿病の割合を比較した棒グラフ
スキンタッグが多い人と少ない人の糖尿病の割合を比較した棒グラフ

糖尿病や代謝症候群と関係があるのでしょうか?

スキンタッグそのものは健康を損なわない良性の病変です。ただ、体のあちこちに数多くできてくる場合は、単なる皮膚の問題ではなく体からのサインである可能性があります。スキンタッグが多いことと血糖や代謝との関連を示す研究が、これまでにいくつも報告されているからです。鍵を握るのはインスリンです。インスリンは食後に上がった血糖を下げるホルモンですが、体がインスリンに反応しにくくなると、その分インスリンがより多く分泌されます。ところがインスリンは細胞を増殖させるシグナルも同時に送るため、このシグナルが長く強く続くと皮膚の組織が増えてスキンタッグができやすくなると考えられています。

実際に、スキンタッグが多い人とほとんどない人を比較した研究があります。スキンタッグが複数ある人たちを集めてみると、糖尿病がある人がおよそ半数(52%)に上りました。一方、スキンタッグがほとんどない人たちでは10人に1人(10%)ほどで、その差はかなり大きなものでした。血圧が高い人もスキンタッグが多いグループでより多く見られ、空腹時血糖やコレステロール、中性脂肪といった数値も総じて高めでした。

スキンタッグが多い人と少ない人の高血圧の割合を比較した棒グラフ
スキンタッグが多い人と少ない人の高血圧の割合を比較した棒グラフ

同じ研究では高血圧を持つ割合も、スキンタッグが多いグループで19%と、少ないグループの6%より3倍以上高い結果でした。体重が大きく増えたときや2型糖尿病があるとき、妊娠のように体の代謝が大きく変化するときにスキンタッグが増えるという報告も、複数の研究から見られます。とはいえ、スキンタッグがあるからといって過度に心配する必要はありません。摩擦の多い部位に年齢とともに自然にできる、ごくありふれた病変だからです。ただ、急に数が増えてきたときは、美容目的での除去とは別に血糖やコレステロールを一度チェックしてみると安心につながります。体からの小さなサインとして受け止めれば十分です。

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About this article

診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

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