REJUVIELフィラーがヒアルロン酸の架橋とラインナップ別の物性でボリュームと弾力を満たす仕組み
By Dr. Kim1 min read

REJUVIELは、パルマリサーチが手がけるヒアルロン酸(HA)フィラーのラインです。ヒアルロン酸はもともと肌の中にも存在する成分ですが、この原料を架橋という化学的な処理で網目状につなぎ合わせ、体内ですぐに分解されないようにしたものがフィラーです。
ただ、REJUVIELは一つの製品ではなく、物性の異なる複数のラインナップに分かれています。おでこや頬のような広い部位と、唇やほうれい線のような繊細な部位とでは、必要なフィラーの性質がそれぞれ違うからです。しかも、同じヒアルロン酸でも架橋の度合いによって結果が大きく変わるという点は、あまり知られていません。なぜ架橋という工程が必要で、ラインナップごとに何が違うのか、その仕組みを一つずつひも解いていきます。
REJUVIELフィラーとはどんな製品なのか
REJUVIELを手がけるパルマリサーチは、再生注射で広く知られている会社です。ただ、REJUVIELはその再生注射とは成分そのものが異なります。ヒアルロン酸を原料とする別系統のフィラーラインと考えればよいでしょう。
原料は国産ではなく、フランスの企業が製造した医療グレードのヒアルロン酸を輸入して使用しています。眼科手術など精密な医療分野で使われてきた高純度の原料で、フィラーに加工しても体が異物として強く拒絶反応を示しにくいと説明されています。国内(韓国)の食品医薬品安全処の承認を受けて施術に使われている製品です。
そしてREJUVIELは一つの製品だけではなく、V、W、Cといった名称の違うラインナップに分かれています。この名称の違いは単なる表記ではなく、フィラーの粒子の大きさと硬さが実際に異なることを意味します。そのため、どの部位に注入するかによって選ぶラインナップも変わってきます。
ヒアルロン酸がボリュームを満たす仕組み
ヒアルロン酸は水分を引き寄せて抱え込む性質が強い多糖類です。スポンジが水を含むと膨らむ様子を思い浮かべると分かりやすいでしょう。ヒアルロン酸1分子は自身の重さの数百倍にあたる水分を保持できるといわれています。
この性質があるため、ヒアルロン酸を皮膚の下に注入すると、その場所に周囲の水分が集まってボリュームが生まれます。落ちくぼんでいた部位が満たされ、そのボリュームが上側の皮膚を支えることで表面が滑らかに伸びるのです。単に異物を詰め込むのではなく、もともと体内にある水分を抱き込むことで体積を作るという仕組みになります。
さらにヒアルロン酸は、組織の間を満たすクッションのような役割も果たします。そのため、ボリュームを作ると同時に肌が押されたり折れ曲がったりするときの緩衝作用も担い、表情を動かしても自然な動きにつながると説明されています。硬い異物を埋め込む方式ではなく、柔らかく押されるジェル状であるため、笑ったり話したりするときも顔の筋肉の動きを大きく妨げない点も、ヒアルロン酸フィラーが広く使われている理由の一つです。
架橋構造がフィラーを長持ちさせる仕組み
問題は、架橋していない純粋なヒアルロン酸は体内で非常に速く分解されてしまうことです。そのまま注入すると数日のうちに吸収されて消えてしまいます。そのため、フィラーとして使うには分解速度を遅らせる処理が必要になります。
そこで用いられるのが架橋です。ヒアルロン酸の鎖と鎖を化学的につなぎ合わせ、密な網目構造にする工程です。糸1本は簡単に切れますが、何本もの糸を編んで作った網はずっと丈夫でほどけにくいのと同じ原理です。
こうして編まれた網目構造は、体内の酵素が一気に切断するのが難しくなります。そのため、架橋していないヒアルロン酸よりもはるかに長くその場にとどまり、ボリュームを維持できます。架橋が密であるほど硬く長持ちする一方で硬さが増し、緩いほど柔らかいものの持続期間は短くなる傾向があるといわれています。
ラインナップごとに硬さと粒子が違う理由
REJUVIELのラインナップが分かれているのも、この架橋の度合いと粒子の大きさの違いに由来します。部位ごとに必要な支持力と動きの自然さが異なるため、一つの物性だけではすべての部位を満足させることが難しいのです。
- 柔らかいライン: 架橋が比較的緩く、粒子が小さいタイプです。唇や目元のように薄くよく動く部位に注入したとき、固まらず自然に広がるよう設計されています。
- 中間ライン: 硬さと粒子の大きさが中程度のタイプです。ほうれい線のように、ある程度の支持力が必要でありながら表情の動きもある部位に主に使われます。
- 硬いライン: 架橋が密で粒子が太いタイプです。頬骨や顎のように骨格に近い構造を作る必要がある部位で、力が加わっても崩れないように支える必要があるためです。
また、一部のラインナップには局所麻酔成分であるリドカインがあらかじめ配合されています。注入時に感じるチクチクとした痛みを和らげるためのもので、フィラー自体の効果とは別に、施術時の快適さのための配合です。フィラーを何回にも分けて注入するほど針が通る回数も増えるため、麻酔成分が入っていると施術中に感じる不快感が相対的に軽減されると案内されています。
施術部位はどのように決まるのか
施術部位は、院長が顔の骨格やたるみの程度、希望する印象を総合的に見極めたうえで決定します。同じほうれい線でも、脂肪が落ちて生じたものなのか、皮膚自体がたるんで生じたものなのかによって、必要なフィラーの量と硬さが変わってくるためです。
広い部位にボリュームを立ち上げる必要があるときは、硬いラインナップを深い層に少量ずつ分けて注入する方法が使われます。逆に、目の下や唇のように薄い部位には柔らかいラインナップを浅い層に少しずつ注入し、固まりなく自然な質感を生かします。
そしてヒアルロン酸フィラーは、他のフィラー素材と違って元に戻す方法があるという点も特徴です。ヒアルロニダーゼという酵素の注射を打つと、架橋でつながっていた網目構造をほどいてフィラーを溶かすことができます。仕上がりが気に入らなかったり固まりができたりした場合にも調整できる余地があるという点で、フィラーを初めて試す人にとっても負担の少ない選択肢とされています。
施術後はどのように過ごせばよいのか
フィラーが定着するまでの数日間は、過ごし方によって結果が変わることがあります。
- 施術直後は、その部位を強く押したりマッサージしたりしないことが勧められます。まだ定着していないフィラーが予定していた位置からずれてしまうことがあるためです。
- 汗蒸幕やサウナのように熱の多い場所は数日間避けたほうがよいでしょう。熱を受けると組織が腫れて緩み、フィラーが広がったり位置がずれたりすることがあります。
- 初期に現れる腫れや内出血は、時間が経てば落ち着くことが多いと案内されており、回復の速さには個人差があります。
- お酒を多く飲むと血管が広がり、内出血や腫れが長引くことがあるため、施術前後は控えることが勧められます。
架橋でつながったヒアルロン酸も、時間が経てば体内の酵素によって少しずつほどけて吸収されていきます。そのため、フィラーの種類や部位によって差はあるものの、おおむね6ヶ月から1年ほどかけてボリュームが自然に減っていくといわれています。硬さの強いラインナップほど、また広く深い層に多く注入されるほど分解速度が相対的に遅く、もう少し長持ちする傾向があると説明されています。持続期間が終わりに近づくと、再度注入して整えるケースが多く見られます。
References
Korean Dermatological Association, American Academy of Dermatology (AAD), and Ministry of Food and Drug Safety (MFDS).
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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
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