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ノバステム幹細胞培養液ブースターが成長因子で肌再生を助ける仕組みとケア方法

By Dr. Kim1 min read

皮膚科や形成外科の診察室で「幹細胞培養液」という言葉を聞くと、生きた幹細胞を肌に注入するイメージを思い浮かべる方が多いかもしれません。ですが、ノバステムのような幹細胞培養液ブースターは、細胞そのものではありません。細胞を培養する間、その周囲の液体、つまり培養液の中に細胞自らが放出した物質を集めて濃縮した製品です。

細胞は成長する過程で、成長因子やサイトカイン、エクソソームといった物質を絶えず周囲に分泌します。これらはもともと細胞同士が信号をやり取りするための道具です。ノバステムのブースターは、この信号物質だけを選び取って集め、肌に塗布したり浅く注入したりして届ける製品です。細胞そのものは含まれていませんが、細胞が残した再生シグナルはそのまま詰まっているというわけです。

幹細胞培養液とは正確には何なのでしょうか?

幹細胞培養液とは、培養皿の中で細胞を育てる際に使う栄養液のことを指します。細胞はこの栄養液の成分を吸収しながら、同時に自ら作り出した物質をその液体の中へ放出します。

一定期間細胞を育てた後、細胞だけを取り除いて残った液体が培養液です。この液体には、細胞が生きている間に分泌した成長因子やさまざまな信号物質が溶け込んでいます。この液体を精製し濃縮して化粧品や施術用ブースターに仕上げたものが、ノバステムのような製品です。

わかりやすく例えるなら、家庭菜園で植物を育てた後、その土に残った肥料水だけを集める作業に似ています。植物(細胞)は取り除き、植物が残した栄養分(信号物質)だけを再び活用する方式です。

生きた細胞移植とは異なるアプローチ

生きた幹細胞を体に直接注入する施術は、細胞そのものが定着して分裂しながら組織を再生することを期待するものです。この場合、細胞が生きたまま働く必要があるため、採取や培養、保管、注入まで条件が厳しくなります。

一方、培養液ブースターは細胞ではなく、細胞がすでに作り出した成果物だけを利用します。細胞の生存を気にする必要がなく、保管や流通も比較的簡単です。その代わり、細胞自らが分裂して組織を新しく作り出す効果までは期待しにくいという面があります。

例えるなら、生きた細胞移植は職人を直接連れてくる方式で、培養液ブースターはその職人が残した作業指示書だけを持ってくる方式に近いと言えます。指示書だけでも周囲の細胞に仕事をさせることはできますが、指示書そのものが新しい組織へと育つわけではありません。

成長因子が肌で果たす役割

成長因子とは、細胞に特定の行動を促すたんぱく質の信号です。鍵が鍵穴に合わないと扉が開かないように、成長因子も肌の細胞表面にある受容体(信号を受け取る鍵穴のような構造)に合致して初めて反応が始まります。

代表的には、次のような成長因子が培養液の中に含まれているとされています。

  • EGF(上皮成長因子): 肌の表面を構成する上皮細胞に分裂するよう信号を送ります。傷ができたときに新しい皮膚が早く再生されるのと似た仕組みで働きます。
  • FGF(線維芽細胞成長因子): コラーゲンを作る線維芽細胞を刺激します。線維芽細胞が活発になると、コラーゲンやエラスチンといった支持たんぱく質の生成が増えると説明されています。
  • TGF-β: 傷の修復とコラーゲン合成の過程全体を調整する信号です。複数の細胞が順序よく働くよう指揮する役割に近いといえます。
  • VEGF(血管内皮成長因子): 肌の中の小さな血管が新しく作られるのを助けます。血管が増えると栄養と酸素の供給が良くなり、再生がより順調に進むとされています。

これらの成長因子は一度にまとめて現れるわけではなく、正常な傷の治癒過程でも順番に現れる信号です。培養液ブースターは、この信号をあらかじめ集めておいて肌に届けるというわけです。

エクソソームとサイトカインが担う役割

成長因子のほかにも、培養液にはエクソソームとサイトカインという物質も含まれています。エクソソームは細胞が放出する、とても小さな水風船のような構造物です。その中にさまざまな信号物質を包み込み、隣の細胞へまるごと届ける宅配ボックスのような役割を果たします。

サイトカインは主に炎症と回復反応の強さを調整する信号物質です。傷ができたときに炎症反応が適度に起こり、その後落ち着いていくよう調整するのもサイトカインの役目です。

成長因子が個別の指示だとすれば、エクソソームはその指示を安全に包んで届ける宅配便の箱、サイトカインは回復全体のペースを調整する信号機に例えられます。この三つが一緒に働くことで、肌の回復反応がバランスよく進むと説明されています。

肌まで届けられる仕組み

培養液に含まれる信号物質は分子のサイズがかなり大きいため、そのまま肌に塗るだけでは角質層を通過しにくいという性質があります。そのため、実際の施術では届け方も合わせて工夫されます。

クリニックでは、マイクロニードルによる刺激(MTS)や浅いレーザーで肌表面にごく小さな通り道を作ってから培養液を塗布する方法がよく使われます。通り道ができると、成分が真皮側までより浸透しやすくなります。あるいは、メゾセラピーのように細い針で肌の浅い層に直接注入する方法も活用されます。

つまり培養液ブースターは、単独で塗布するよりも、ほかの施術と組み合わせて使うほうが浸透効率が高まる性質を持つ製品といえます。

ブースターとしての活用方法

ノバステムのような培養液ブースターは、通常単独の施術というよりも、ほかの施術の補助的な役割として使われます。レーザートーニングやマイクロニードル施術の後、刺激を受けた肌に塗布して回復を助ける使い方が代表的です。

  • 施術直後の鎮静ケア: レーザーやマイクロニードルで肌のバリア機能が一時的に緩んでいる状態で塗布すると、吸収が良くなるとされています。このとき成長因子の信号が回復反応を早める助けになる可能性があります。
  • ホームケアアンプルとして: 低濃度に調整し、洗顔後に使うアンプル製品としても活用されます。毎日少しずつ信号物質を補い、肌のコンディションを整えるという考え方です。
  • ほかのブースターとの併用: ヒアルロン酸系のスキンブースターやコラーゲン刺激施術と組み合わせて使われることもあります。作用の仕組みがそれぞれ異なるため、併用することで信号伝達と水分補給を同時に狙えます。

期待できる変化と限界

培養液ブースターを使うと、肌のきめが整い、赤みや刺激が落ち着く感覚を得るケースが多いとされています。成長因子が上皮細胞や線維芽細胞を刺激し、回復を助けるという仕組みに沿った反応だといえます。

ただし培養液は細胞ではないため、深い組織の欠損や明らかなたるみを元に戻す効果までは期待しにくいのが実情です。また、培養液に含まれる信号物質の種類や濃度は製造方法によって差が出ることがあり、製品ごとに体感が異なる場合があります。

そのため培養液ブースターは、劇的な変化を狙うというより、ほかの施術の回復を助けたり、普段の肌のコンディションを整えたりする補助的な手段として理解するのが自然です。

使うときに見落としてはいけないことは?

培養液製品を選ぶ際には、いくつかのポイントを合わせて確認しておくと役立ちます。

  • どの細胞由来の培養液か、精製と濃縮の過程を経ているかを確認するとよいでしょう。原料の出どころがはっきりしているほど、成分構成を信頼しやすくなります。
  • 施術と組み合わせて使う場合は、肌のバリア機能が緩んでいる間、ほかの刺激の強い製品を重ねて使わないことが勧められます。回復途中の肌に複数の刺激が重なると、かえってトラブルにつながることがあるためです。
  • 紫外線対策は、培養液を使うかどうかに関わらず日頃から欠かさないほうがよいでしょう。紫外線は新しく刺激を受けた細胞やコラーゲンを再び傷つけるおそれがあるためです。

References

Korean Dermatological Association, American Academy of Dermatology (AAD), and Ministry of Food and Drug Safety (MFDS).

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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

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