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ナイアシンアミドは美白から毛穴、バリアまで何をしてくれる成分なの?

By Dr. Kim1 min read

スキンケア成分の中でも、niacinamideは根拠がしっかりしていて守備範囲がとにかく広い。バリアを整えて、トーンを明るくして、皮脂や毛穴をひきしめて、赤みを落ち着かせる。それをひとつの成分がまとめてやってくれます。しかも刺激が少なく、敏感肌でも比較的使いやすいのが嬉しいところ。

ビタミンCやretinolと一緒に使えるかどうか、どの濃度を選べばいいか、といった疑問も多いと思います。この記事では、各効果の仕組みと実際の研究データを一つひとつ整理しました。

niacinamideは皮膚細胞のエネルギー補酵素として働き、バリア強化・美白・皮脂コントロール・抗炎症・抗酸化まで複数の効果をもたらす
niacinamideは皮膚細胞のエネルギー補酵素として働き、バリア強化・美白・皮脂コントロール・抗炎症・抗酸化まで複数の効果をもたらす

niacinamideは何をしてくれる成分なの?

これだけ多くの効果がある理由は、ひとつの根っこから来ています。niacinamideは皮膚細胞の中で、エネルギー代謝に欠かせない補酵素(NAD)の原料になります。細胞がこの補酵素を十分につくれると、皮膚がもともと持っている機能をしっかり発揮できるようになり、それが複数の効果として現れます。

具体的には5つ。まずbarrierを支えるceramic類の合成を促して水分の蒸散を防ぐこと。次に、melaninが皮膚表面の細胞へ届けられる経路を遮断してトーンを明るくすること。3つ目は皮脂分泌を抑えて毛穴をひきしめること。4つ目は炎症反応を鎮めてニキビや赤みに対応すること。そして5つ目、抗酸化作用で小じわや弾力にもアプローチすること。

肌悩みがバラバラでも、niacinamideなら的を外しにくい。乾燥・敏感肌にはバリア効果、くすみが気になるならトーンアップ、テカリが多い肌には皮脂コントロール。複数の悩みをひとつの成分でまとめてケアできるので、スキンケアのルーティンをシンプルに保ちたい方にも向いています。これらの効果は複数のランダム化比較試験で確認されており、根拠という面でも信頼できます。

niacinamideはmelaninが皮膚細胞へ移行する工程を35から68%ブロックしてトーンを明るくし、シミの研究ではhydroquinoneに近い効果が確認された
niacinamideはmelaninが皮膚細胞へ移行する工程を35から68%ブロックしてトーンを明るくし、シミの研究ではhydroquinoneに近い効果が確認された

美白の仕組みはどうなっているの?

美白へのアプローチが、ビタミンCとは違います。ビタミンCはmelaninをつくる酵素を抑えますが、niacinamideはすでにつくられたmelaninが色素顆粒(メラノソーム)として表皮の細胞へ受け渡される段階を妨げます。つまり、色素が上がってくる手前の「受け渡し口」をふさぐイメージです。

数値でも裏付けがあります。細胞実験ではniacinamideがメラノソームの移行を約35から68%抑制することが確認されています。5%のniacinamideを8週間塗布した研究では、色素沈着の範囲が減って肌が明るくなる変化が観察されました。シミを対象にした研究では、4%のniacinamideが美白の定番として知られる4%のhydroquinoneと同程度の効果を示し、副作用は少なかったという結果も出ています。

ビタミンCとniacinamideは仕組みが異なるぶん、うまく補い合えます。色素が「つくられる段階」と「届けられる段階」をそれぞれカバーするので、組み合わせることでより多角的なアプローチができます。刺激が少ないので、美白成分の中では敏感肌でも使いやすい部類です。くすみや色ムラが気になりはじめた方にも、負担が少なく始めやすい成分といえます。

niacinamideはceramic合成を4から5.5倍促してbarrierを強化し、皮脂分泌と毛穴を縮小させ、ニキビでは抗生剤ゲルに近い改善が確認された
niacinamideはceramic合成を4から5.5倍促してbarrierを強化し、皮脂分泌と毛穴を縮小させ、ニキビでは抗生剤ゲルに近い改善が確認された

バリアや毛穴、ニキビにも効果があるの?

niacinamideは特にバリア強化で効果が出やすい成分です。肌の潤いを保つceramic類の合成を増やすためです。ある研究ではceramic合成が約4から5.5倍に増え、水分の蒸散が抑えられたことが確認されています。バリアが整うと外からの刺激にも強くなり、乾燥によるつっぱり感も落ち着きます。季節の変わり目に赤みやつっぱりが出やすい肌なら、このバリア効果だけでも取り入れる価値があります。

毛穴と皮脂にも働きます。2%のniacinamideを4週間使った研究で、皮脂分泌が減って毛穴が小さく見えるようになりました。テカリが落ち着き、毛穴が目立ちにくくなる効果です。低濃度の2%でも確認された結果なので、オイリー肌でも気軽に試しやすいです。

ニキビへの効果も研究で出ています。4%のniacinamideゲルを8週間使った試験では、抗生剤のクリンダマイシンゲルと同程度に炎症性ニキビが改善されました。抗生剤と違って耐性の心配がない点も、長期的に使いやすい理由のひとつです。バリア、毛穴、ニキビと幅広くカバーできるので、肌質を選ばず使いやすい成分です。

光老化した肌に5%のniacinamideを12週間塗布した研究で、小じわ、弾力、色素沈着、赤みがすべて統計的に有意な改善を示した
光老化した肌に5%のniacinamideを12週間塗布した研究で、小じわ、弾力、色素沈着、赤みがすべて統計的に有意な改善を示した

効果はどのくらい期待できるの?

複数の効果を一度に検証した研究があります。光老化が進んだ肌に5%のniacinamideを12週間塗布したダブルブラインド研究で、小じわ、弾力、色素沈着、赤み、くすみがすべて統計的に有意な改善を示しました。ひとつの成分でエイジングの複数の指標が同時に改善された、という点が注目されます。

濃度の選び方について。多くの研究で効果が確認されているのは2から5%の範囲です。皮脂コントロールは2%でも確認されており、美白・抗炎症・エイジングケアは主に4から5%で検証されています。一般的な製品なら4から5%がバランスよく、敏感肌なら2%から始めて様子を見るのが安心です。

10%以上の高濃度製品も出回っていますが、効果が比例して大きくなるという根拠は今のところはっきりしておらず、刺激や一時的なほてりのリスクが少し上がる可能性もあります。むやみに高濃度を選ぶよりも、肌が受け入れやすい濃度でコツコツ続けることが大切です。効果は8から12週間ほど継続して初めて実感できてくるので、焦らず習慣にするのがポイントです。

niacinamideはビタミンC、retinol、hyaluronic acidと相性がよく、ビタミンCと一緒に使ってはいけないという話は古い誤解だった
niacinamideはビタミンC、retinol、hyaluronic acidと相性がよく、ビタミンCと一緒に使ってはいけないという話は古い誤解だった

ビタミンCやretinolと一緒に使っても大丈夫なの?

ほとんどの組み合わせで問題ありません。「niacinamideとビタミンCを一緒に使うと赤みの原因になる物質ができる」という話がインターネット上でよく見かけますが、これは1960年代の実験条件から来た話です。当時は100度近い高温で何時間もかけ、化粧品とは比較にならない高濃度で反応させた結果でした。常温・通常濃度の実際の製品では、問題になるような物質は生成されません。

むしろ2つの成分は相性がいいです。美白へのアプローチが異なるため互いを補い合えます。実際、両方を配合した製品も多く市販されています。retinolとの組み合わせも優秀で、niacinamideがバリアを守ることでretinolの刺激をやわらげ、慣らしやすくなります。

niacinamideはビタミンC、retinol、hyaluronic acid、ペプチドなどほとんどの成分と相性がよいです。肌が非常に敏感な場合は、最初はひとつずつ試してから組み合わせていくと安心です。必ず別々に使わなければならないというルールに科学的根拠はないので、過度に心配しなくても大丈夫です。

niacinamideは刺激が少なく敏感肌にも使いやすく、朝でも夜でも保湿剤の前後に気軽に取り入れられる

どうやって使うのがいいの?

niacinamideはほぼすべての肌タイプに合います。乾燥・敏感肌にはバリア強化、くすみが気になる肌にはトーンアップ、テカリが多い肌には皮脂コントロールと、それぞれ違う角度から肌をサポートしてくれます。刺激の強い美容成分が合わなかった方にとっても、根拠がしっかりしたマイルドな選択肢になります。

使い方はシンプルです。朝でも夜でも、洗顔後の保湿剤の前か、美容液のステップで塗ればOK。刺激が少ないので毎日2回使っても問題なく、他の成分と重ねてもおおむね安心です。初めて使うなら4から5%の製品を1日1回から試して、肌が慣れてきたら回数を増やしていくのがおすすめです。

効果は少しずつ積み重なっていきます。8から12週間ほど毎日続けると、トーンが明るくなって肌のキメが整い、全体的に落ち着いた肌になる変化を感じられてきます。刺激が少なく長く続けやすく、他の成分とも組み合わせやすいのがこの成分の良さです。刺激が心配なら2%から始めるだけで十分です。肌が慣れてきたらビタミンCやretinolを少しずつ足していくと、無理なくルーティンを育てていけます。

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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

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