首のスキンブースターの効果と回数、首のしわにも合う?
By Dr. Kim1 min read

首のしわは、顔よりも先に目立ってきます。ケアを怠っているからではなく、そもそも皮膚の構造そのものが違うからです。そのため、顔で効果のあったスキンケアをそのまま首に持ち込んでも、なかなか結果が出ません。
首のスキンブースターは、この違いを埋めるために生まれた施術です。フィラーのようにボリュームを足すのではなく、非常にゆるいヒアルロン酸を真皮のあちこちに細かく置いて、皮膚そのものの力を底上げする方法です。なぜ首にはこうした専用の施術が必要なのか、そして皮膚の中で実際に何が起きているのか、順番に見ていきます。
首のしわはなぜ顔より先にできる?
首の皮膚は顔の皮膚より薄いのが特徴です。皮脂腺(皮脂をつくり肌の潤いを保つ小さな腺)の数も顔よりずっと少ないため、自力で水分を抱え込む力が弱いのです。
しかも首は、一日に何千回も曲げ伸ばしされています。下を向いてスマートフォンを見るたびに首の前側の皮膚が折れ曲がり、この動きが積み重なると、折れる線に沿ってしわが定着してしまいます。紫外線も顔と同じくらい浴びているのに、ケアは顔より後回しにされがちで、結果として首は実年齢より老けて見えやすい部位になってしまいます。
ところが首は、日焼け止めやクリームといった塗るケアだけでは限界がはっきりしています。肌表面に塗る成分の多くは角質層までしか届かず、コラーゲンや水分を抱え込む場所である真皮まではなかなか浸透しないからです。そこで、真皮の中に直接材料を届けるスキンブースターが選択肢として使われています。
首のスキンブースターはフィラーと何が違う?
フィラーは架橋(HA分子同士を化学的に結びつけて強度を高めたもの)処理をしっかり施し、一か所にボリュームをつくる材料です。ゼリーのように形を保ちながら、へこんだ部分を埋める役割を持ちます。
一方、スキンブースターは架橋をほとんど、あるいはごく弱くしか行わないヒアルロン酸を使います。粘度が低いため一か所に固まらず、真皮全体に薄く広がります。そのためフィラーのようにふっくら盛り上がることはなく、肌のキメと水分状態を変えることに重点が置かれています。首のようにボリュームよりもキメやハリが問題になる部位で、スキンブースターがよく選ばれるのはこのためです。
注入の仕方も違います。フィラーは一点に比較的多い量を深く入れますが、スキンブースターはごく細い針で浅い真皮層に少量ずつ、複数の地点に分けて置いていきます。畑全体に水をまんべんなく撒くように、広い面積に均一に行き渡らせるのが目的です。そのため施術後も特定の部分だけが目立つことなく、肌全体のトーンとキメがなめらかに整った印象になります。
スキンブースターは肌の中で何をする?
ヒアルロン酸には、自分の重さの数百倍もの水を引き寄せて抱え込む性質があります。スポンジが水を吸うように、真皮に入ったヒアルロン酸の周りに水分が集まり、肌が内側から潤いを取り戻していきます。
同時にもうひとつの働きも起こります。ヒアルロン酸は線維芽細胞(コラーゲンをつくる皮膚内の細胞)表面の受容体と結合し、コラーゲンをもっとつくるようにという信号を送ります。さらに、細い針で真皮に何度も微細に注射すること自体が小さな刺激となり、修復反応のスイッチを入れる一助にもなります。傷ができると体が自然にそこを修復しようとするのと同じ仕組みですが、はるかに弱い強度で真皮のあちこちに少しずつ起きているというイメージです。
首の横じわによく合う理由
首の横じわは、皮膚が薄くハリが落ちることで、折れ曲がる線がそのまま跡として残ってしまう現象です。皮膚を下から支えるコラーゲンと水分が不足すると、曲げ伸ばしの力に耐えきれず、その位置に固定されたしわができてしまうのです。
スキンブースターで水分とコラーゲンが補われると、肌が再びハリを取り戻し、折れる力をある程度吸収できるようになります。そのため、深く刻まれたしわを消すというより、浅い小じわを目立たなくし、肌のキメそのものを整えるのに向いています。

首のスキンブースターの回数と持続期間
一度受けただけで、効果がすぐに長続きするわけではありません。ヒアルロン酸が水を抱え込む効果は比較的早く現れますが、コラーゲンが実際に蓄積するまでには時間がかかるためです。そのため、一般的には次のような流れで進められます。
- 初期シリーズ: 2週から4週の間隔で3回程度受け、コラーゲンの反応を十分に引き出します。一度の刺激だけでは、修復反応が長く続かないためです。
- メンテナンス施術: その後は6か月から12か月の間隔で追加施術を受け、効果をつないでいきます。コラーゲンも時間とともに再び分解されていくたんぱく質なので、維持が必要になります。
- 個人差: 肌の老化スピードや紫外線量、喫煙の有無によって、維持できる期間は人それぞれ変わります。コラーゲンが分解される速さ自体に個人差があるためです。
施術後数日間のケア方法
施術直後は、針の跡に沿って小さな赤みや腫れが出ることがあります。真皮に何度も細かく注射した部位に起こる自然な反応で、たいてい数日のうちに落ち着きます。
- 施術当日は、首を強くこすったりマッサージしたりしないことが勧められます。まだ定着していないヒアルロン酸が移動してしまう可能性があるためです。
- 小さな内出血が数日残ることがありますが、時間とともに自然に薄れていきます。
- 日焼け対策は回復期間だけでなく普段から続けることが、コラーゲンを守るうえで役立ちます。
全体の回復期間は、短くて4週間、長ければ12週間ほどかけて肌のキメとハリが徐々に良くなっていくと報告されています。腫れや赤みといった目に見える反応は数日で落ち着きますが、コラーゲンが実際に定着して肌がしっかりしてくるまでには、それよりもずっと長い時間がかかるということです。
たるんだ首にも効果はある?
首のしわといっても、原因は一つではありません。すでに深くたるんだ皮膚や二重あごのように、垂れ下がった組織そのものが問題であれば、スキンブースターだけでは限界があります。スキンブースターは肌自体のキメや水分、浅いしわに働きかける施術であり、たるんだ組織を引き上げる施術ではないからです。
こうしたケースでは、糸リフトや高周波施術のように組織を直接引き上げたり支持力をつくったりする方法を合わせて検討する方が向いています。ただし、どの方法を選ぶにしても、首の皮膚そのものの水分とハリを満たしておくと、他の施術の仕上がりもよりなめらかにつながるといわれています。
副作用と安全に受ける条件
スキンブースターはフィラーより浅く細く注入するため、全体としては安全性の高い施術に分類されます。ただし、針が皮膚を何度も通過する施術であるため、次のような反応は珍しくありません。
- 一時的な腫れと赤み: 真皮にごく細かい刺激が加わった部位のため、数日のうちに自然に落ち着きます。
- 小さな内出血: 浅い血管をかすめることで起こることがあり、時間とともに薄れていきます。
- まれに小さな粒(結節): ヒアルロン酸が一か所に集まると、小さな粒のように触れることがありますが、時間の経過や必要に応じて分解酵素で溶かせるとされています。
また、首には顔よりも血管が浅い位置を走っている部分があるため、経験豊富な医師が解剖学的な位置を踏まえたうえで注入の深さと位置を調整することが大切です。施術当日はサウナや強いマッサージなど、熱や圧力がかかる行動を避けることが回復の助けになります。

References
Korean Dermatological Association, American Academy of Dermatology (AAD), and Ministry of Food and Drug Safety (MFDS).
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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
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