LDM超音波の鎮静ケア、赤みと敏感肌の水分バリア回復から施術後のむくみケアまでの仕組み
By Dr. Kim1 min read

施術を受けた翌日に顔が特に赤く見えたり、普段からほてりや赤みが出やすい肌だったりすると、刺激を鎮めるケアが欲しくなります。LDM超音波は、こうした場面でクリニックとエステサロンの両方でよく使われる鎮静ケアの方法です。Local Dynamic Micro-massageの略で、異なる2つか3つの超音波周波数を組み合わせ、肌にとても穏やかな振動を伝えます。ラジオのチャンネルを低い周波数と高い周波数で交互に合わせるように、深い層と浅い層を一緒に整えるやり方です。痛くも熱くもないのに赤みや敏感さが落ち着き、肌の中の水分が逃げにくくなるという結果が実際の研究でも確認されています。

LDM超音波とは、具体的にどんなケア?
LDMはLocal Dynamic Micro-massageの略で、局所的かつ動的な微細マッサージという意味です。名前はマッサージですが、手ではなく超音波で振動を伝える機器を使ったケアです。超音波は人の耳では聞こえないとても高い音の波ですが、ラジオのダイヤルを低いチャンネルと高いチャンネルに交互に合わせるように、異なる周波数を組み合わせて使う点が特徴です。
通常は1MHzと3MHzを組み合わせて使う2波長式機器が基本で、最近はこれに10MHz帯を加えた3波長式機器もクリニックで使われています。スマートLDM(Wellcomet)のように、3つの帯域を1つのヘッドから交互に出力する機器がこれに当たります。低い周波数は振動が比較的深く届き、10MHz帯の高い周波数は浅い層をきめ細かくやさしく刺激します。この2つの帯域を組み合わせることで、深い層と浅い層を一緒に整えられるというのが基本的な考え方です。

帯域ごとに働き方が少しずつ異なります。周波数が低いほど振動は深く届き、高いほど浅い層にきめ細かくとどまります。1MHzは皮下に近い深い層まで届き、3MHzは真皮の中間を、10MHz帯は表皮と真皮上部の浅い層をやさしく整えます。2波長式機器は1MHzと3MHzで中間層と深い層を扱い、スマートLDMのようにこれに10MHz帯を加えた3波長式機器は、浅い層まで1つのヘッドで一緒にケアできます。表皮の鎮静と深い層への刺激を交互に与えられる点が3波長式の強みです。
施術自体は、ジェルを塗った肌の上で機器のヘッドをゆっくり滑らせる方法なので、痛みはほとんどなく、熱感もわずかです。そのため、レーザーやピーリング直後の刺激を受けた肌や、もともと赤みや敏感さが出やすい肌に、鎮静目的でよく使われます。

赤みと敏感肌、なぜ落ち着く?
経表皮水分喪失(TEWL)という言葉は聞き慣れないかもしれません。簡単に言うと、肌が1日でどれくらい水分を外へ逃がしているかを測る値です。水が入ったコップのふたが緩いと水が蒸発しやすいように、肌のバリアが弱くなるとこの値が高くなります。紅斑指数は肌がどれくらい赤いかを機器で測った数値で、値が低いほど赤みが少ないことを意味します。
酒さ(rosacea)やにきびで顔の赤みがある成人26人を対象にした研究で、2波長式のLDM超音波を週1回、4週間にわたって両頬に受けてもらいました。6週目に確認したところ、経表皮水分喪失は開始時より約22%減少し、紅斑指数は8.6%、医療スタッフが評価した赤みスコアは約36%低下しました。どちらの指標も統計的に意味のある変化でした。
施術を受けた人たちの満足度スコアも一緒に上がり、施術中や施術後に重い副作用は報告されませんでした。酒さのようにもともと赤みが出やすい肌のグループでも同じ方向の改善が見られ、敏感でデリケートな肌にも気軽に試しやすいケアだといえます。
微細な振動は肌の中で何をしている?
仕組みを一言でまとめると、穏やかな振動とごく弱い温熱が一緒に細胞へ信号を送るということです。細胞は物理的にわずかな揺れを感知すると、それに合わせて反応を調整すると考えられており、この過程で炎症を強める信号は減り、回復を助ける信号が増える方向に働くとされています。
同時に微細な振動は、肌の中の細かな血流とリンパの流れを軽く刺激します。循環がよくなると、むくみやほてりの原因になる物質が排出されやすくなり、水分を保湿成分と一緒に浸透させる効果も高まります。低周波と高周波が担う役割は、下のように分けて考えられます。
| 区分 | 低周波 1~3MHz | 高周波 10MHz帯 |
|---|---|---|
| 到達する深さ | 真皮の深い層 | 表皮と真皮上部 |
| 主な役割 | 循環と代謝の刺激 | きめ細かく繊細な刺激 |
| 感覚 | やわらかな響き | 軽く穏やかな振動 |
この2つの帯域を交互に使うと、深い層では循環を、浅い層ではバリア機能の回復を同時に狙えることになります。刺激がとても弱いため、施術直後に赤くなったりむくんだりすることもまれです。

施術後のむくみやあざ、回復をどれくらい早める?
施術後ケアとしてのエビデンスは、鼻の手術を受けた患者を対象にした研究でよくわかります。鼻形成術と鼻中隔矯正を受けた48人を半分ずつに分け、一方は手術翌日から5日間毎日LDM超音波を受け、もう一方はアイシングだけを行いました。
結果を見ると、むくみが引くまでにかかった期間はLDMグループが平均1.9日、アイシングだけのグループが4.5日でした。あざが消えるまでの期間もLDMグループは2.8日、アイシングだけのグループは7.4日と、大きな差が見られました。どちらの結果も統計的に意味があり、満足度スコアもLDMグループのほうがはっきりと高くなりました。
この研究は鼻の手術後の回復を見たものですが、むくみやあざが血液循環と炎症反応に由来することを考えると、同じ仕組みはレーザーやフィラーといった他の施術後のケアにも当てはまります。そのため多くのクリニックが、レーザートーニングやピーリング、施術直後の鎮静ケアにLDM超音波を取り入れています。
他の鎮静ケアとは何が違う?
アイシングは、むくみやほてりを鎮めるために昔からよく使われてきた方法です。冷たい温度で血管を収縮させてむくみを抑える方式で、家でも簡単にできるのが長所です。LDM超音波は、これに臨床エビデンスと一定の強さを加えた方法だと考えるとわかりやすいです。
| 項目 | LDM超音波 | アイシング |
|---|---|---|
| 方式 | 多周波の微細振動 | 冷却による血管収縮 |
| 回復エビデンス | 臨床研究で確認 | 経験的に広く使用 |
| 刺激の強さ | とても弱い | 冷たく感じることがある |
LDM超音波は、アイシングのように刺激がほとんどないうえに、決まったプロトコルで繰り返し行われた臨床研究の結果が積み重ねられている点が異なります。どちらか一方だけを選ぶ必要はなく、施術直後はLDM超音波で整え、家では簡単な冷却ケアを組み合わせるという併用も多く見られます。
もうひとつの長所は、強さが常に一定に保たれるということです。LDM超音波は機器が周波数と出力を一定に保つため、毎回似た強さで繰り返し受けることができ、顔のようなデリケートな部位にも気軽に使えます。
所要時間の面でも負担が少なくて済みます。施術自体は部位ごとに数分で終わり、他の施術に続けて受けても回復時間が特に長くなることはありません。そのため、赤みや敏感さが出やすい肌なら単独で、施術直後なら他のケアに組み合わせるといった形で幅広く活用しやすいです。

推奨される頻度と受けるときに気をつける点は?
先ほど紹介した研究では、週1回のペースで4週間、1回につき両頬をそれぞれ5分ほど受ける方法が使われていました。施術後のむくみやあざのような急性の刺激をケアするときは、5日ほど毎日受ける短く集中的なスケジュールが用いられました。目的によって頻度が変わるため、定期的な肌の鎮静が目標なら週1回、施術直後の回復が目標なら数日連続で受ける方法を検討してみる価値があります。
刺激がとても弱いケアのため、施術中や施術後に重い副作用が報告された例はほとんどありません。ただし、傷がまだ治っていない部位や急性の感染がある部位、妊娠中の場合のように超音波機器の使用に注意が必要な状況では、施術前に担当医と相談しておくと安全です。レーザーやピーリング、リフティング施術と続けて受けることも多いため、全体の施術計画の中でいつ受けるかについても、あわせて相談しておくことをおすすめします。
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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
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