レーザー脱毛はなぜ何度も受ける必要があるのか、毛周期とAlexandrite波長でわかる回数の目安
By Dr. Kim1 min read

レーザー脱毛を初めて検討するとき、多くの方が誤解しているのが「1、2回で終わる」という考え方です。実際には通常5–8回に分けて受ける必要があり、その間隔も数週間ずつ空けなければなりません。なぜこれほど何度も分けて受けるのか、そこまで受けても完全な永久除毛にはならないと言われるのはなぜなのか、気になる方も多いはずです。
答えは毛が生える周期にあります。レーザーは今まさに成長している毛だけを処理できるのですが、体の毛は部位ごとに異なるタイミングで成長と休止を繰り返しています。そのため一度ですべての毛を処理することはできず、タイミングを変えながら何度も受ける必要があるのです。部位ごとに何回、どれくらいの間隔で受ければよいか、AlexandriteとNd:YAGという2つの波長は何が違うのかについても、以下で一緒に見ていきます。

レーザー脱毛はなぜ1回で終わらないのか?
毛は同じ場所でずっと生え続けているわけではなく、成長する時期と休む時期を交互に繰り返しています。大きく3段階に分かれ、活発に成長する成長期、成長が止まって毛根が上に押し上げられる退行期、そして完全に休んで抜ける準備をする休止期です。
レーザー脱毛の原理は、毛の中のメラニン色素に光を吸収させ、その熱で毛根を破壊するというものです。問題は、この色素が成長期の毛にしか濃く含まれていない点です。休んでいる休止期の毛は色素が薄く、レーザーが狙う対象がはっきりしないため、同じ場所に照射しても反応せずに残ってしまいます。結局レーザーは、その瞬間に成長期に入っている毛しか処理できません。
ここに回数が必要な理由があります。ある時点ですべての毛が同時に成長期になっている部位はありません。同じ部位の中でも、成長している毛と休んでいる毛が混在しているため、一度に処理できるのはそのうちの一部だけです。数週間後に休んでいた毛が成長期に入ったところで再び照射する、というように、タイミングを変えながら何度かに分けて初めて全体が整います。施術を数週間おきに空けるのも、この成長期への切り替わりを待つためです。一度に詰めて受けても早く終わらない理由はここにあります。
部位ごとに何回、どれくらいの間隔で受けるのか?
基本の原則はどの部位でも似ています。最初は通常4–6回を4–6週間おきに受けるのが最低限の目安で、これに部位の状態に応じて数回が追加されます。ただし部位ごとに毛周期自体が異なるため、具体的な回数と間隔は少しずつ変わってきます。
毛の生え変わりが早い部位ほど間隔を短く、遅い部位ほど間隔を長く設定します。顔のように周期が短い部位は4週間前後の間隔で頻繁に、脚のように周期が長い部位は8–10週間とゆったり空けます。成長期に切り替わるタイミングに合わせないと施術が空振りに終わってしまうためです。以下は一般的に案内されるおおよその目安で、毛の太さや色、肌質によってクリニックで調整されます。
| 部位 | 目安回数 | 施術間隔 |
|---|---|---|
| 顔(口ひげ、あご) | 6–10回 | 4週間前後 |
| わき | 5–8回 | 4–6週間 |
| 腕 | 6–8回 | 6–8週間 |
| 脚 | 6–8回 | 8–10週間 |
| ビキニライン | 6–8回 | 4–6週間 |
数字からもわかるように、顔は間隔が短い一方で回数が多くなる傾向があります。ホルモンの影響を強く受ける部位のため、コントロールがより難しいからです。決まった回数を終えたら終わりではなく、残った毛の状態を見ながら仕上げの回数を追加できる点も覚えておくとよいでしょう。

AlexandriteとNd:YAGは何が違うのか?
脱毛レーザーは波長によって特性が分かれます。最も多く使われているのが755nmのAlexandriteと1064nmのNd:YAGです。この2つの波長の違いは、メラニンをどれだけよく吸収するか、そして皮膚の中にどれだけ深く届くかにあります。
Alexandrite 755nmはメラニンの吸収が強いのが特徴です。その分毛をしっかりとらえ、明るい肌にある薄く細い毛にも効果的に働きます。ただし吸収が強いということは、皮膚の中の色素にも同時に反応するということでもあり、肌の色が濃い人に強く照射すると火傷や色素沈着のリスクが上がります。一方Nd:YAG 1064nmはメラニン吸収が低く、より深く届きます。表皮の色素への影響が少なく、肌の色が濃い人でも比較的安全に使える点が長所です。その代わり、薄い毛にはやや効果が出にくくなります。
そのため実際には肌の色と毛質に合わせて波長を選びます。明るい肌に濃い毛であればAlexandriteが有利で、肌の色が濃い場合はNd:YAGが安全です。最近では2つの波長を同時に照射する複合機も多く、それぞれの波長の長所を生かして効率と安全性を両立させる方式です。効果だけを見るとAlexandriteがやや上回っており、あるメタ分析では3回施術後6か月時点での毛量減少率がAlexandrite 54.7%、Nd:YAG 42.3%と報告されています。ただしこの差は肌の色が波長に合っている場合の話であり、肌の色が濃い場合は安全性が優先されます。

完全な永久脱毛と呼ばない理由は?
レーザー脱毛はよく永久脱毛と呼ばれますが、医学的には永久的な除去ではなく永久的な減少という表現が使われます。似ているようで意味が異なる2つの言葉です。永久的な減少とは、施術後に再び生えてくる毛の数が長期間にわたって明らかに減った状態を指すのであって、毛が一本も生えなくなる状態を意味するわけではありません。
理由は再び周期に戻ります。施術のタイミングで休止期だったために反応せず生き残った毛根が常に一部残り、破壊が不十分だった毛根は時間が経つと再び細く毛を押し上げることがあります。そのため回数をすべて終えても、薄く細い毛が少しずつ残るケースが少なくありません。
これにホルモンの変化が重なると、残っていた毛根が再び活発になることもあります。妊娠や更年期、多嚢胞性卵巣症候群のようにホルモンが大きく変動する状況では、眠っていた毛根が目覚めて新しい毛が生えてくることがあります。こうした理由から、最初の回数を終えたあとも6–12か月ごとにメンテナンス施術で管理するケースが多くなっています。完全になくせないという意味ではなく、ほとんどの毛を長期間減らした状態にしておき、残るわずかな毛をメンテナンスでコントロールする、とイメージすると分かりやすいでしょう。部位によってこの減少幅がどう分かれるかは、実際の数値で見るとより明確になります。

部位ごとの減少率はどれくらい違うのか?
同じ機器で同じ回数を受けても、部位によって結果は変わります。カギとなるのはその部位の毛周期がどれだけ長いかです。周期が長い部位は、ある時点で成長期に入っている毛の割合が相対的に高く、回数ごとにより多く処理でき、長期的な減少率も高く出ます。
システマティックレビューによると、長期的な毛量減少率はAlexandriteが35–84%、Nd:YAGが30–74%、diodeが33–69%の範囲と幅広く報告されています。この幅を大きく分ける要因が部位でした。3つの機器いずれも減少率が最も高かったのは周期が1年と長い脚で、最も低かったのは周期が6か月と短い顔でした。顔の脱毛が回数も多く仕上がりも時間がかかるのには、こうした背景があります。
2つの波長を併用した複合レーザーの研究では、5回施術後の改善率がわき83.0%、ビキニライン82.1%、脚82.2%、胸79.6%、背中81.6%となりました。体幹や腕、脚のように毛が太く、範囲も広い部位は、おおむね満足のいく数値を示しました。脚やわきは比較的少ない負担で良い結果を期待でき、顔はもう少し回数を重ねて、もう少しじっくり取り組むのが現実的です。自分の目標部位がどこかによって、回数と期待値を変えて考えるのがよいでしょう。
効果を長く保つにはどう管理すればよいのか?
施術と同じくらい大切なのが、回数と回数の間の管理です。最も基本となるのは、施術を予定しているなら毛を根元から抜かないことです。ワックスや毛抜きで抜いてしまうと、レーザーが狙うべき毛根そのものがなくなり、その回の効果が落ちてしまいます。回数の間に整えたいときは、根元を残す剃毛だけにするのが正解です。
紫外線対策も結果を左右します。施術前後に肌が日焼けすると表皮の色素が増え、火傷や色素沈着のリスクが高まるため、日焼けを避け、紫外線対策を徹底することが安全につながります。以下の表に時期ごとに気をつける点を簡単にまとめました。
| 時期 | 気をつける点 |
|---|---|
| 施術前 | ワックスと毛抜きは禁止、4週間前から日焼けを避ける |
| 施術直後 | 冷やして鎮静、紫外線対策を徹底 |
| 回数の間 | 剃毛のみ許可、抜いたりワックスをしたりしない |
| 回数終了後 | 6–12か月ごとにメンテナンス施術を検討 |
この管理を守れば、決まった回数の中で最大限の効果を得ることができ、残った毛もメンテナンス施術で無理なくコントロールできます。レーザー脱毛は一度で完了する魔法のような施術ではなく、周期に合わせてタイミングを分けながら、管理で仕上げていくプロセスです。この流れを知って取り組めば、なぜ回数が必要なのか、どこまで期待すればよいのかがぐっと明確になります。
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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
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