眉アートメイクの持続期間と色抜け、かさぶたが取れた後の変化
By Dr. Lee1 min read

眉アートメイクは、一度の施術で長く楽しめる眉メイクとしてよく知られています。ただ、実際に受けたことがある人ならわかると思いますが、色は一度きりで変わるわけではありません。施術直後は眉がやけに濃くくっきり見え、数日後にかさぶたができて剥がれる頃には色がぐっと薄くなります。そしてそこから先も、数か月から数年かけてじわじわと色が抜けていきます。なぜ色がこんなに何段階も変化するのか、その仕組みを順番に見ていきましょう。
一般的なタトゥーとアートメイクはどう違う?
一般的なタトゥーと眉アートメイクは、色素を皮膚に入れるという原理は同じですが、入れる深さが違います。タトゥーは色素を真皮の深い層である網状層まで押し込みます。この層は血管とコラーゲンが密に絡み合っているため、一度定着した色素はなかなか抜けません。だからタトゥーは一生消えずに残ります。
一方、眉アートメイクはそれより浅い真皮乳頭層(真皮のいちばん上、表皮のすぐ下にある薄い層)までしか色素を入れません。花壇にたとえるなら、タトゥーは地中深くに根を張った木で、アートメイクは花壇の表面近くに植えた浅根の草のようなものです。浅く植えた根は、時間が経つにつれて土が流れると一緒に崩れやすくなります。だから眉アートメイクは数年のうちに色が薄くなり、タトゥーはそのまま残るのです。
施術当日だけ眉が濃い理由
施術直後の眉は、実際に落ち着いたあとの色よりもずっと濃くくっきり見えます。ここには二つの理由があります。
一つ目は、針や刃先で皮膚に細かい傷をつける過程で、肌が腫れて赤くなるためです。この腫れが色素を実際よりも際立って見せます。絵の具を塗った直後、濡れた紙が色をより濃く見せるのと似た現象です。
二つ目は、施術直後は色素が表皮と真皮の上部に均一に集まっているためです。まだ体が色素を整理する前なので、色素の粒子が密に固まって見える状態です。そのため施術当日は、もともとの予定よりも眉が濃く、角ばって見えることが多いのです。
かさぶたが取れると色は薄くなる?
施術から3日から7日ほど経つと、傷口に薄いかさぶたができます。かさぶたは、肌が自分を守るために作る自然な保護膜です。
このかさぶたができて剥がれ落ちる過程で、色素も一緒に持っていかれます。かさぶたの中には、表皮の上部に残っていた色素の一部が混ざっているためです。そのため、かさぶたが取れたあとは色がもとよりかなり薄く感じられます。この時期に「眉が薄くなりすぎた」と驚く人が多いのですが、これはごく自然な過程です。
かさぶたがすべて取れて表皮が新しく整うまでには、通常4週間から6週間ほどかかります。この期間を過ぎてはじめて、真皮に残った本当の色素だけが最終的な色として現れます。
時間がたつとなぜ薄れ続ける?
かさぶたが取れて色がいったん落ち着いたあとも、眉アートメイクは数か月から数年かけて薄くなり続けます。ここには体の免疫反応が関わっています。
体は色素の粒子を異物として認識します。そのためマクロファージ(体の中を掃除する働きをする免疫細胞)が色素粒子の周りに集まり、少しずつ飲み込んで分解していきます。マクロファージの一部は色素を取り込んだまま、体内のリンパ管を通ってゆっくりと排出されます。部屋に落ちたほこりを掃除機が少しずつ吸い込んでいくように、色素も時間とともに少しずつ減っていくわけです。
さらに肌は、表皮細胞が新しく作られ、古い細胞が剥がれ落ちるターンオーバー(肌が新しい細胞に入れ替わる循環過程)を繰り返しています。色素粒子の一部はこのターンオーバーに乗って表皮側へ少しずつ押し上げられ、剥がれ落ちていくこともあります。この二つの過程が同時に進むことで、色は数か月かけて、目に見えないほどゆっくりと薄くなっていくのです。
手彫りとマシンの違い
眉アートメイクは、使う道具によって大きく二つに分かれます。
マイクロブレーディングは、細い針が何本も密に並んだ手持ちの道具で、肌を浅く引っかくように線を描いて色素を入れる方法です。自然な眉毛の流れのような細い線を描けるため、一本一本を手で描いたような仕上がりになります。ただ、手の力加減で深さをコントロールするため施術者によって深さに多少差が出やすく、浅く入る分、色は比較的早めに薄くなる傾向があります。
マシン施術は、小型の電動機器が針を一定の速度で上下させて色素を入れる方法です。深さと間隔が機械的に一定に保たれるため、色素がより均一に、比較的安定した深さで定着します。その結果、マシン施術で仕上げた眉はマイクロブレーディングよりも色が少し長持ちする傾向があります。最近は、グラデーションのようにふんわり色を入れるパウダーブロウもマシンで施術されることが多くなっています。
眉アートメイクはどれくらい持つ?
眉アートメイクがどれくらい持つかは、一つの理由だけでは決まりません。代表的なものとして、次のような要因が絡み合っています。
- 肌質: 皮脂分泌が多い脂性肌は、色素が定着する前に押し出されやすく、色が比較的早く薄くなる傾向があります。皮脂が色素粒子と表皮のあいだを滑りやすくし、色素がしっかり固定されにくくなるためです。
- 紫外線への露出: 紫外線は色素粒子を分解する方向に働くと考えられています。日焼け止めをこまめに塗らないと、色が早く抜けやすくなるのはこのためです。
- 角質ケアの習慣: ピーリング成分(AHA、BHA など)やレチノール(retinol)のように肌のターンオーバーを早める製品を眉のあたりに頻繁に使うと、色素が表皮側へ押し出されるスピードも一緒に速まります。
- 施術の深さと色素の種類: 色素をやや安定した深さに入れたり、粒子が大きく分解されにくい色素を使ったりすると、比較的長持ちします。
こうした理由から、同じ施術を受けても持続期間は人によって短ければ半年、長ければ2年近くまで幅広く分かれます。だから施術前に自分の肌質や普段のスキンケア習慣を施術者にあらかじめ伝えておくと、おおよその持続期間を見立てる助けになります。
変色や副作用、施術後のケア方法
まれに、眉アートメイクの色が薄くなるのではなく、くすんだ青灰色や青みがかった色に変わることがあります。これは、色素に含まれる酸化鉄(iron oxide、パーマネントメイクの色素によく使われるミネラル成分)の粒子が酸素と反応して色が変わるためだと説明されています。色素が浅く入りすぎて肌表面に近い位置に定着した場合も、光の透け方が変わってこうした変色が起きやすくなると言われています。
ごくまれに、色素に対するアレルギー反応や肉芽腫(体が異物を包み込もうとして周囲を取り囲むことでできる小さなしこり)ができるケースも報告されています。そのため、施術前に少量で反応を確認するパッチテストが推奨されます。
施術後のケアも、持続期間と安全性の両方に関わってきます。
- かさぶたを無理にはがさないようにしましょう。かさぶたと一緒に、まだ定着していない色素まで強引に取れてしまうことがあるためです。
- 回復期間にあたる4週間から12週間の間は、サウナやチムジルバンのように大量に汗をかく環境を避けることが勧められます。汗や熱が回復中の肌を刺激することがあるためです。
- 日焼け止めを眉のあたりにもこまめに塗ることで、色素が分解されるスピードを緩やかにする助けになります。
References
Korean Dermatological Association, American Academy of Dermatology (AAD), and Ministry of Food and Drug Safety (MFDS).
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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
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