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ダークサークルは色素型・血管型・構造型の3種類。タイプ別に合う施術が違う理由

By Dr. Kim1 min read

ダークサークルでご来院の方には、まずタイプの見極めから始めます。見た目はどれも似ていますが、目の下の皮膚にメラニンが蓄積して茶色く見えるケース、皮膚の下の血管が透けて青紫に見えるケース、目の下のくぼみが影を作って暗く見えるケースでは、原因がまったく異なります。表面上は似ていても、それぞれ治療の方向性が違います。

タイプを誤ると、いくら良い施術でも効果が出ません。色素が原因なのに目の下を埋めるフィラーを入れても色は変わらないし、くぼみによる影が原因なのに色素レーザーを繰り返しても輪郭は変わりません。合っていない施術を続けていると、費用だけ重なって結果が出ません。まず自分のタイプを把握することが、すべての出発点です。

ダークサークルがはっきり見える目の下

ダークサークルが3タイプに分かれる理由

色素型は、目の下の皮膚にメラニンが蓄積したタイプです。茶色や黄みがかったトーンに見え、紫外線をよく浴びる方や目を擦る習慣のある方に多い傾向があります。アトピー性皮膚炎やアレルギー性結膜炎で目を頻繁に擦ると、色素が蓄積しやすくなります。年齢とともに色が濃くなる傾向もあります。

血管型は、目の下の皮膚が薄く、その下の血管が透けて見えるタイプです。青みや紫みを帯びた色に現れ、睡眠不足・疲労・寒さなど血行が悪くなるときに目立ちやすくなります。もともと皮膚が薄い方に多く見られます。

構造型は、皮膚の色の問題ではありません。目の下のくぼんだ輪郭や、膨らみ出した脂肪が作る影です。英語でtear troughと呼ばれる目の下のくぼみが深まるほど影も濃くなり、照明の角度によって見え方が変わるのが特徴です。

単一タイプにきれいに当てはまるケースは少なく、ある研究では2種類以上が混在する複合型が約78%を占めました。韓国人コホートでは、血管型と色素型が重なるケースだけで約54%に上りました。「自分はどれか」と断定するのが難しい場合がほとんどです。

目の下を引っ張ってタイプを確認している様子

自分のタイプを家で確かめるには?

自宅で大まかな方向を確認できる方法が2つあります。正確な診断ではありませんが、どのタイプに近いかを見当つける参考になります。

1つ目は引っ張りテストです。人差し指で目の下の皮膚を横にそっと伸ばしてみます。引っ張っても暗い色が残れば色素型に近く、色が明らかに薄くなるか消えれば構造型の可能性が高いです。引っ張ると暗い部分が広がるか紫みが増すなら、血管が透けている血管型です。

2つ目は上向きテストです。天井を見上げるように目を上に向けると、目の下の皮膚が自然に引き伸ばされます。暗い部分が薄くなれば構造型に近く、上を向いても変わらなければ色素型か血管型の可能性が高いです。

どちらも参考程度の確認です。複合型では結果が混ざって判断しにくいことがあります。皮膚科では目の下の色調・皮膚の厚み・輪郭の形状を直接見てタイプを判別します。費用のかかる施術の前に診察でタイプを確認しておくと、無駄な出費を省くことができます。

グリコール酸ピーリングで色素型ダークサークルの約73%が改善
グリコール酸ピーリングで色素型ダークサークルの約73%が改善

色素型に効く施術はどれ?

色素型ダークサークルのポイントは、目の下に蓄積したメラニンを減らすことです。酸系ピーリングとレーザーが中心で、外用成分がサポートします。

20%グリコール酸ピーリングを使った研究(n=30)では、参加者の73.3%が50%以上の改善を示しました。同研究で20%乳酸ピーリングは56.7%、ビタミンC外用剤は26.7%の改善率でした。プラセボ対照なしの前後比較であることは念頭に置く必要があります。

レーザーにはQスイッチまたはピコレーザーが用いられます。532nm波長は色素への反応が速い一方、FitzpatrickスキンタイプIV以上では炎症後色素沈着(PIH)のリスクが上がることがあります。肌色が濃い方には1064nm波長がより安全とされています。

外用成分の併用も効果的です。Retinoidは細胞ターンオーバーを促して色素の排出を助け、tranexamic acidはメラニン生成のシグナルを抑えます。目の周りは刺激に敏感なため、低濃度から始めるのが基本です。施術後は日焼け止めが欠かせません。怠ると色素が再び増えやすくなります。

長パルス1064nm Nd:YAGレーザーで26名全員の血管色が改善した血管型ダークサークル
長パルス1064nm Nd:YAGレーザーで26名全員の血管色が改善した血管型ダークサークル

血管型に合う施術の選び方

血管型には2つのパターンがあります。皮膚の下の血管自体が目立つケースと、皮膚が薄すぎて血管が透けるケースです。両方にアプローチすることで、効果が長続きします。

血管に直接作用する施術として代表的なのは、ロングパルス1064nm Nd:YAGレーザーです。ヘモグロビンに吸収されたエネルギーが血管壁に熱ダメージを与え、血管を縮小させます。ある研究(Dermatol Surg, 2012, n=26)では、治療を受けた26名全員で血管の色が明らかに改善し、満足度調査でも全員が満足と回答しました。規模は小さいですが、血管型に特化した効果を示す結果です。

皮膚の厚みを増やすアプローチも組み合わせます。薄い目の下の皮膚にHAスキンブースターを少量ずつ注入すると、皮膚が厚くなって血管が透けにくくなります。Retinoidを継続して塗ることも、皮膚の厚みを維持するサポートになります。

血管型に関するレーザー研究の多くはプラセボ対照なしの前後比較で、効果の根拠はありますが、その強さについては研究がさらに必要です。血管の目立ち方や皮膚の厚みは個人差が大きいため、施術の反応も人によって異なることがあります。

構造型の目の下フィラーは3か月で約87%が改善、12か月では約64%に低下
構造型の目の下フィラーは3か月で約87%が改善、12か月では約64%に低下

構造型はフィラーで改善できますか?

構造型はくぼんだ輪郭が作る影が原因なので、その部分を埋めるのが治療の方向です。目の下にHA(ヒアルロン酸)フィラーを注入するアンダーアイフィラーが最も多く選ばれます。

効果は臨床で確認されています。無作為化比較試験(RCT, n=333)では、HAフィラー注入3か月後に87.4%が改善を示しました。12か月後には63.5%に低下しています。2,556名のデータを統合したメタ分析では、全体満足度は91%でした。効果はありますが時間とともに薄れ、永続的ではない点は最初から理解しておく必要があります。

副作用も現実的に把握しておきましょう。腫れ約19%、内出血約18%はよく見られますが、ほとんどは回復します。フィラーが固まって塊感が出るケースは約5%、ティンダル現象(注入部位が青みがかって見える光散乱)は約0.9%で報告されています。ティンダル現象はフィラーが浅い層に入ったときに起きやすく、骨膜上(supra-periosteal)の深さに正確に注入することでリスクを下げられます。

最も深刻なリスクは血管閉塞です。目の周りは血管が密集した高リスク部位で、HAフィラーベースの血管閉塞はシリンジ1万本あたり約3から9件報告されています。まれですが、視力障害や失明に至った事例があります。アンダーアイフィラーは、解剖学に精通し、緊急対応が整った施術者に依頼することが大切です。

ダークサークルの色素にアプローチするピコレーザー機器

タイプを誤ると、なぜ効果が出ないのか

レーザートーニングは表皮のメラニンに作用します。くぼみの影が原因の構造型にどれだけレーザーを当てても、輪郭は変わりません。逆に色素が原因なのにフィラーを入れても、メラニンはそのままです。

さらに難しいのが複合型です。2種類以上が混在している場合、1つの施術で完全に解決するケースはほとんどありません。色素と構造が両方ある場合は、フィラーで輪郭を整えながらレーザーやピーリングで色素を減らすことで、満足のいく結果につながります。複合型ほど施術の順番と組み合わせが重要です。

だからこそ、まずタイプを正確に把握することが最初の一歩です。自己チェックで方向を確認することはできますが、費用のかかる施術の前に皮膚科でタイプを確認しておくのが、無駄を省く最も確かな方法です。効果のない施術を繰り返すより、最初の診察でタイプを把握してから順序を決める方が、時間もコストも節約できます。

アンダーアイフィラーは特に慎重に。目の周りは血管閉塞や失明のリスクがある高リスク部位です。価格や手軽さよりも、解剖学の知識があり緊急時への対応が整った場所で受けることが、安全を守る選択です。

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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

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