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頬のたるみの4つの原因、靭帯・脂肪・骨・肌のハリの違い

By Dr. Lee1 min read

頬がたるむ理由は一つではありません。年齢を重ねると、顔の内部では少なくとも4つの変化が同時に進みます。骨が少しずつ減り、脂肪が下に落ち込み、組織を支えていた靭帯が緩み、皮膚そのものの弾力も落ちていきます。この4つの変化が人によって違う割合で組み合わさるため、たるみの現れ方も一人ひとり違ってきます。ですから頬のたるみケアは施術一つで終わるものではありません。まず自分の顔ではどの変化がより強く働いているのかを確認するのが順序です。

頬のたるみはなぜ年齢とともにひどくなる?

20代と40代の顔を並べてみると、頬のたるみ具合はかなり違います。時間が経つにつれて、顔を支えていた構造物が一つずつ弱くなっていくからです。骨、脂肪、靭帯、皮膚はそれぞれ違うスピードで変化します。

骨は30代からごくゆっくり減り始め、脂肪と靭帯は40代以降に変化が目立ち始め、皮膚の弾力は紫外線の当たり方や生活習慣によって落ちるスピードが人それぞれ違います。この4つの変化が同時に積み重なることで、頬がたるんで見えるのです。ですから一つの原因だけを解決しようとしても、残りの部分でまたたるみが目立ってくることが少なくありません。

靭帯が伸びると頬はどうたるむ?

顔の皮膚の下には、皮膚や筋膜を骨に固定している細い線維の帯が何層も重なっています。これを支持靭帯と呼びます。テントを張るときに布をピンと固定するロープを思い浮かべるとわかりやすいです。ロープがピンと張っているうちは布にたるみがなく張っていますが、ロープが緩むと布が下に垂れて波打ってきます。

支持靭帯もこれとよく似ています。若いうちは靭帯がしっかり組織を引き上げていますが、何十年も顔を動かし重力を受け続けるうちに、靭帯自体が少しずつ緩んでいきます。靭帯が緩むと、その下にある脂肪と皮膚が固定されず、下へ流れるように垂れてしまいます。特に頬骨の下を通る靭帯が緩むと、頬の肉が顎のほうへ流れ落ちて見える、代表的なたるみの形が現れます。

頬の脂肪が下がる原因

頬には何層もの脂肪層があり、この脂肪はもともと頬骨のまわりにふっくらとおさまっています。この脂肪のかたまりを頬脂肪(malar fat pad)と呼びます。若いうちは靭帯がこの脂肪を上のほうに支えていますが、靭帯が緩み重力がかかり続けると、脂肪が少しずつ下へ滑り落ちていきます。

脂肪そのものの量が減ることも同時に起こります。年齢とともに顔の脂肪は、体積が減る部位と逆に下のほうに溜まっていく部位に分かれ、このアンバランスがたるんだ頬とたるんだフェイスラインを同時に作っている印象を与えます。脂肪が消えるのではなく場所を移動しているだけなので、頬はこけて見えるのにフェイスラインまわりは厚ぼったく見えることがよくあります。

骨が減ると頬にどんな変化が出る?

顔を支える一番奥の構造物は骨です。骨は一生同じ形のままではなく、古い骨組織が吸収され新しい骨で満たされる過程を繰り返しています。年齢とともにこのバランスが崩れ、満たされる量より吸収される量が多くなると、骨の体積が少しずつ減っていきます。

特に頬骨と上顎の骨まわりはこの変化の影響を大きく受けます。骨が減ると、その上を覆っていた脂肪と皮膚は支えを失い、内側へ落ち込むように沈みます。建物を支える土台が弱くなると、その上の構造物が少しずつ傾いていくのと似た原理です。骨の変化は目に見えにくいですが、頬のたるみの土台で長い時間かけて働いている原因の一つです。

肌のハリが落ちる原因

ここまでの3つが顔の内部構造の変化だとすれば、最後は皮膚そのものの問題です。皮膚の弾力を支えるコラーゲンとエラスチン(伸びた皮膚を元に戻す働きを持つタンパク質)は、年齢とともに作られる量が減り、分解されるスピードは速くなります。

紫外線はこの過程を早める代表的な要因です。紫外線は皮膚の中でコラーゲンを分解する酵素を増やすため、日光を浴びる量が多いほど皮膚の弾力が早く落ちるといわれています。retinol(コラーゲンの合成を助ける成分)やniacinamide(肌のバリア機能と弾力に役立つとされる成分)を配合したスキンケアが勧められるのも、こうした理由からです。ただし、スキンケアだけで骨や脂肪、靭帯の変化まで戻すことはできないため、皮膚の弾力ケアは他の原因へのケアと合わせてこそ意味を持ちます。

皮膚の中のコラーゲンは、大人になってから毎年1%ずつ着実に減っていくという古典的な研究結果があります。20歳を100とすると、50代では70程度まで下がる計算です。肌の弾力はある日突然崩れるのではなく、何十年もかけて少しずつ減った結果なので、ケアもそれくらい長い目で見ていく必要があります。
皮膚の中のコラーゲンは、大人になってから毎年1%ずつ着実に減っていくという古典的な研究結果があります。20歳を100とすると、50代では70程度まで下がる計算です。肌の弾力はある日突然崩れるのではなく、何十年もかけて少しずつ減った結果なので、ケアもそれくらい長い目で見ていく必要があります。

自分の頬のたるみはどのタイプ?

4つの原因のうちどれがより強く働いているかによって、顔に現れる特徴は少しずつ違います。正確な判別は診察を受けるのが一番ですが、おおまかな特徴は次のように分かれます。

  • 靭帯が緩んだ場合:頬の肉が顎のほうへ流れ落ちるように見え、ほうれい線の部分が折れ込むように目立ちます。組織を引き上げる力が弱くなったことが原因だからです。
  • 脂肪が落ちた場合:頬骨の下はこけて見え、フェイスラインまわりはむしろ厚ぼったく見えます。脂肪が消えたのではなく場所を移動しただけだからです。
  • 骨が減った場合:顔全体が内側へ沈んだような印象になり、若いころの写真と比べると顔の幅そのものが狭く見えます。支えの役目をしていた骨の体積が減ったことが原因だからです。
  • 皮膚の弾力が落ちた場合:構造物の位置の変化よりも、皮膚の表面がたるみ細かいしわが一緒に増えることが多いです。皮膚そのものの弾力が落ちたことが原因だからです。

実際にはこの4つが混ざって現れる場合がほとんどなので、どれか一つのタイプにぴったり当てはまらなくても不思議ではありません。

原因別に処方はどう違う?

原因が違えば、役立つ方法も変わってきます。靭帯や脂肪のように構造物がたるんだ場合と、皮膚そのものの弾力が落ちた場合ではアプローチが異なります。

  • 靭帯が緩んだたるみ:垂れた組織を物理的に引き上げる糸リフトやリフティング施術が理にかなったアプローチとされています。緩んだ靭帯の役目を施術で代わりに補う方式だからです。
  • 脂肪が落ちたたるみ:こけた部位にはフィラーでボリュームを足し、下に溜まった部位は整えるという組み合わせが検討されます。脂肪が移動した場所と足りなくなった場所が違うため、片方だけ足すとバランスが崩れることがあります。
  • 骨が減ったたるみ:骨そのものを元に戻すことはできないので、減った体積の分だけフィラーやボリューム施術で支えを補う方式が案内されます。骨が担っていた支持の役目を別の材料で代わりに果たすという考え方だからです。
  • 皮膚の弾力が落ちた場合:レーザーや高周波のように皮膚自体のコラーゲン生成を刺激する施術と、retinolなどの成分を使った継続的なスキンケアが合わせて案内されます。構造物ではなく皮膚そのものの性質を変えるアプローチだからです。

原因が一つだけというケースは珍しいため、実際には2つ、3つの方法を組み合わせて行うことが多いです。

施術前に確認すること

どんなケアを始めるにしても、まず自分の頬のたるみがどの原因により近いのかを確認する過程が必要です。同じたるみでも原因が違えば、同じ施術を受けても結果の出方が変わってくるからです。

また、施術の結果が落ち着くまでには時間がかかります。リフティングやフィラーの種類によって、回復し結果が安定するまでの期間はおおむね4週から12週ほどとされ、持続期間は施術の種類によって6か月から12か月以上まで幅広く報告されています。原因の割合や肌の状態は人によって違うため、持続期間を一つの数字で言い切ることは難しいです。

紫外線対策は原因を問わず役立つ数少ないケアです。コラーゲンが分解されるスピードを緩やかにする助けになるとされているので、施術を受ける受けないにかかわらず、日頃から続けておくとよいでしょう。

目に見える顔の老化のおよそ80%は紫外線が原因だという研究があります。骨や靭帯の変化は元に戻しにくいですが、紫外線だけは日焼け止めをこまめに塗るだけでもかなり防ぐことができます。頬のたるみケアで紫外線対策が欠かせないと言われる理由です。
目に見える顔の老化のおよそ80%は紫外線が原因だという研究があります。骨や靭帯の変化は元に戻しにくいですが、紫外線だけは日焼け止めをこまめに塗るだけでもかなり防ぐことができます。頬のたるみケアで紫外線対策が欠かせないと言われる理由です。

References

Korean Dermatological Association, American Academy of Dermatology (AAD), and Ministry of Food and Drug Safety (MFDS).

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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

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