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セルライトマッサージの効果はどのくらい続く?

By Dr. Kim1 min read

太ももやお尻の皮膚を押すとボコボコと浮き上がる凹凸をセルライトと呼びます。太っている人特有の悩みだと思われがちですが、痩せている人にも現れます。脂肪の量よりも、脂肪を支えている結合組織の構造のほうが大きな原因だからです。

マッサージを受けるとその部分がなめらかに見える経験をした人は多いはずです。ただ、この変化が構造そのものを変えた結果なのか、それとも一時的にむくみや循環がよくなった結果なのかは、分けて考える必要があります。この2つは持続する時間がまったく違うからです。

セルライトはなぜできる?

皮膚の下の脂肪層は、薄い線維の帯によっていくつもの部屋に区切られています。この線維の帯は結合組織隔壁と呼ばれ、上は真皮に、下は筋膜につながっていて、脂肪を部屋ごとに支える役割を担っています。仕切りのある布団のように、脂肪が一方に偏らないよう押さえておく構造です。

問題は、脂肪の部屋が大きくなったり隔壁が弾力を失ったりすると、この構造が表面にでこぼこと現れてしまう点です。脂肪の部屋は膨らもうとするのに、隔壁はその部分を下に引っ張ったまま留めているため、引っ張られた部分はへこみ、その隣は盛り上がります。マットレスの中のスプリングがところどころ布地を引っ張っているとき、表面がでこぼこになるのと似た原理です。

女性にセルライトがはるかに多いのも、この構造が理由です。女性は隔壁が皮膚にほぼ垂直に並んでいるため脂肪が上に押し出されやすく、男性は隔壁が網目状に交差しているため脂肪を押す力がいくつもの方向に分散されます。並び方の違い1つで、見た目が大きく変わるわけです。

ここに、女性ホルモンであるエストロゲンも関わっていると言われています。エストロゲンは皮下脂肪が蓄積しやすくなるのを助けると同時に、隔壁を構成する線維組織を比較的やわらかくする傾向があると報告されています。妊娠中や生理周期などホルモンの変動が大きい時期に凹凸が目立ちやすくなるという経験も、これが理由として説明されます。

思春期以降の女性の85~98%、つまりおよそ10人に9人でセルライトが見られると報告されています。太っているから出るものではなく結合組織の隔壁の構造が原因なので、痩せている人も例外ではありません。
思春期以降の女性の85~98%、つまりおよそ10人に9人でセルライトが見られると報告されています。太っているから出るものではなく結合組織の隔壁の構造が原因なので、痩せている人も例外ではありません。

マッサージはセルライトにどんな効果がある?

マッサージ、特にローラーや器具を使う機械式マッサージは、皮膚とその下の組織を繰り返し押して刺激を与えます。この刺激は、滞っていたリンパ液や血液の流れを一時的に促進します。組織の間にたまっていた水分が抜けることで、むくみが減るのです。血流が増えた部分は一時的に皮膚温度もわずかに上がり、表面がより張って見えます。

むくみが引くと、皮膚表面がなめらかに見える効果はすぐに現れます。むくんでいた組織が落ち着くことで、隔壁が引っ張っている凹凸が相対的に目立たなくなるためです。ただ、この変化は隔壁自体の長さや厚みを変えたものではなく、その周りの組織の体積が一時的に減っただけに近いものです。原因になっている構造はそのままで、上にかぶさっている体積だけが一時的に減るというわけです。

一部の研究では、機械式マッサージのあとに超音波で確認したところ、太ももの皮下脂肪層が薄くなり周囲径が減る変化が観察されたと報告されています。筋膜まで一緒に押すタイプの施術は、脂肪の部屋が隔壁から少し解放されて膨らみが減ると解釈されることもあります。一方で、マッサージ単独で12週間続けた無作為比較研究では、対照群と比べて太ももの周囲径に統計的に有意な差はなかったという結果も報告されています。つまり効果の大きさや持続性は研究によってばらつきが大きく、マッサージだけで結果を断定するのは難しいのが実情です。使う器具の種類や押す強さ、施術回数がそれぞれ違うことが、研究間の差を生んでいると考えられます。

マッサージと施術の持続時間の違い

マッサージが生む変化はほとんどが水分と循環に関するものなので、持続時間は短くなります。マッサージ直後の数時間から1日くらいは表面がなめらかに見えても、組織にまた水分がたまってくると、少しずつ元の状態に戻っていくことが多いです。隔壁の位置や弾力そのものは変わっていないため、凹凸をつくる根本の構造は変わらないままです。

一方で、隔壁そのものを物理的に切断したり緩めたりする施術は話が別です。たとえば細い針で隔壁を切断するサブシジョンや、音波エネルギーで隔壁組織を刺激する施術は、凹凸を引っ張っている構造そのものを変えるアプローチです。根本原因に働きかける方法なので、効果が6か月から12か月以上維持されると報告されるケースが多くあります。

この違いを見ると、マッサージは循環を助けるケアであり、施術は構造を変えるアプローチだと整理できます。どちらかがどちらかを完全に置き換えるというより、求めている変化が一時的な改善なのか、構造的な改善なのかによって選択が変わってくると考えたほうが近いでしょう。

脂肪を下に引っ張る隔壁を細い刃で切るサブシジョンは、3年経った時点でも患者の93%が結果に満足したと報告されています。むくみが取れるだけの1日限りのマッサージ効果とは違い、凹凸を作る構造そのものに手を加えるとこれだけ長く続くという違いを示しています。
脂肪を下に引っ張る隔壁を細い刃で切るサブシジョンは、3年経った時点でも患者の93%が結果に満足したと報告されています。むくみが取れるだけの1日限りのマッサージ効果とは違い、凹凸を作る構造そのものに手を加えるとこれだけ長く続くという違いを示しています。

併せて行うと役立つケア

凹凸の根本を変えることはできなくても、以下の方法は循環と肌の状態を助けるのに役立つとされています。

  • 定期的な筋トレ: 太ももやお尻の筋肉が引き締まると、その上にある皮膚と脂肪層がより張った状態で支えられ、凹凸が目立ちにくくなります。筋肉自体が脂肪層を下から支える土台の役割を果たすためです。
  • こまめな水分補給と塩分の調整: 体内の水分バランスが安定すると、組織の間にたまる余分な水分が減ります。むくみが起きにくくなる分、隔壁が引っ張っている凹凸も相対的に目立ちにくくなります。
  • retinol配合の保湿剤の使用: retinolは肌のコラーゲン生成を促すとされている成分です。皮膚自体の厚みと弾力が増えると、下にある凹凸が表面に響きにくくなる効果が期待できます。
  • caffeine配合クリームの一時的な使用: caffeineは肌表面近くの水分を一時的に排出して組織を引き締める成分として知られています。ただ、この効果もマッサージと同じく持続時間が短く、1〜2日のうちに元に戻ることが多いです。

強く長く押しても大丈夫?

強力なマッサージ器具を毎日長時間使い続けると、かえって皮膚や毛細血管に負担をかけることがあります。繰り返し強く押された部分には内出血ができたり毛細血管がもろくなったりすることがあるため、器具を使う時間と強さはほどよく調整することが勧められます。

また、マッサージの効果が数日で薄れたからといって、方法そのものが間違っているわけではありません。マッサージがそもそも狙っているのは循環とむくみであって、隔壁という構造そのものではないからです。期待する持続期間を、構造を変える施術と同じ土俵で比べてしまうと、がっかりしやすくなります。

体重の変動が大きい時期には、セルライトがより目立って見えることがあります。脂肪の部屋の体積が急に増えたり減ったりすると、隔壁が組織を引っ張る力のバランスも一緒に揺らぐためです。体重をゆっくり、一定のペースで管理するほうが、凹凸が急に目立つのを抑えるのに役立つとされています。

年齢を重ねるにつれて凹凸がより目立つようになるケースもよくあります。肌の中のコラーゲンが少しずつ減り、隔壁の弾力も落ちていくことで、脂肪の部屋を支える力と押し出す力のバランスが若いときより崩れやすくなるためです。そのため年齢が上がるほどケアを完全にやめるのではなく、継続的な運動と保湿で隔壁と肌の弾力をできるだけ長く保つことが助けになるとされています。

References

Korean Dermatological Association, American Academy of Dermatology (AAD), and Ministry of Food and Drug Safety (MFDS).

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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

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