施術後のあざの色の変化と期間、早く引かせるケアまで
By Dr. Lee1 min read

フィラーやボトックス、リフティング施術を受けたあと、針が通った部分にあざができることは少なくありません。施術自体はうまくいっても、あざのせいで数日はマスクやメイクで隠さなければならず、ちょっと残念な気持ちになります。
あざは施術に失敗したサインではありません。針が皮膚の下にあるごく細い血管に少し触れるだけでも起こりうる、自然な反応です。あざがどうやってできて、どうやって消えていくのか仕組みを知っておくと、無用な心配をせずケアに集中できます。
施術後のあざはなぜできる?
皮膚の下には、目には見えないごく細い血管が網の目のように広がっています。フィラー注射やリフティング用の糸を入れるとき、針やカニューレ(先端が丸く鈍い注入管)がこの細い血管の一本に軽く触れると、そこから少し血がにじみ出ます。
この血は血管の外、つまり皮膚の真皮層の中に広がってたまります。血管の中を流れていた血ではなく、組織の間にそのままたまってしまった状態なので、体がゆっくり片づけていくのに時間がかかります。この片づけが終わるまで見えている跡が、あざです。
血管がどれくらい浅いところを通っているか、その部位の血管がどれくらい密集しているかによって、あざのできやすさは変わります。たとえば唇や目の下のように血管が特に多く浅い部位は、ほかの部位よりあざができやすい傾向があります。
また、施術に使う器具も影響します。先端が尖った針よりも先端が丸いカニューレを使うと、血管を押しのけながら進むため比較的傷つけにくいことが多いです。そのため、あざができやすい部位ほどカニューレを選ぶ施術が増えている傾向にあります。ただしカニューレを使えばあざが絶対にできないわけではなく、あくまで確率が下がる程度だと理解しておくとよいでしょう。

あざの色はなぜ紫から黄色に変わる?
あざの色は、血の中のヘモグロビン(赤血球の中で酸素を運ぶ赤い色素タンパク質)が分解されていく過程をそのまま映し出しています。できたばかりのあざが赤みを帯びた濃い紫色をしているのも、酸素を含んだヘモグロビンの色そのものだからです。
数日経つと、体の中の掃除役の細胞がこのヘモグロビンを少しずつ分解し始めます。それに伴って色は段階的に変化していきます。
- 1〜3日目: 濃い紫色や青みがかった色。酸素が抜けたヘモグロビンが暗く見える時期です。
- 5〜7日目: 緑がかった色。ヘモグロビンが分解される過程で生じるビリベルジン(緑色を帯びた分解の中間物質)がたまるためです。
- 7〜10日目: 黄色みを帯びた色。ビリベルジンがさらに分解され、ビリルビン(黄疸を引き起こすのと同じ黄色い色素)に変わる時期です。
- 10〜14日目: 淡い茶色や黄色にぼやけていき、やがて消える。残った色素が体にゆっくり吸収されていく最終段階です。
つまりあざの色の変化は、体が漏れ出た血を順番に分解して片づけていく過程をそのまま表しているわけです。色が変わっていくのは、むしろ治りに向かっているサインなので安心してよいでしょう。
部位別のあざが消える期間
同じ程度に血管が傷ついても、部位によってあざが消えるまでの期間はかなり差があります。顔は血流が活発な部位なので、たいてい1〜2週間ほどでほとんど薄くなります。
一方、脚のように血流が比較的ゆるやかで重力に逆らわなければならない部位は、3〜4週間ほどかかることもあります。血が下にたまろうとする力を受けて、片づけのスピードが遅くなるためです。顔の施術後のあざがほかの部位より比較的早く引くのも、こうした理由からです。
あざを早く引かせるケア
あざを消す根本的な過程は、結局のところ体が自然に処理してくれます。ただ、いくつかのケアでそのスピードを助けることはできます。
- 施術直後の冷やす: 氷嚢をタオルで包んで短く当てると、その部位の血管が収縮して血がさらに漏れ出るのを抑えられます。あざが大きくなるのを防ぐのに役立ちます。
- 1〜2日後からは温める: あざがすでにできてしまったあとは、温めて血流を助けるほうがよいでしょう。血流が増えると、たまっていた血の成分を掃除役の細胞がより早く回収できるからです。
- 施術後数日は血をさらさらにする薬や成分を避ける: アスピリン、オメガ3、イチョウ葉エキスなどは血が固まる速度を遅らせ、あざが大きく広がる原因になることがあります。事前に担当医と相談して調整するのが安全です。
- こすったりマッサージしたりしない: できたばかりのあざの部分を強く押したりこすったりすると、わずかに残っていた出血が再び広がることがあります。落ち着くまでは優しく扱うほうがよいでしょう。
アルニカクリームは本当に効果がある?
アルニカ(キク科の植物から抽出される成分で、消炎効果があるとされる素材)やビタミンKクリームは、あざのケア用品としてよく使われます。ただ、実際の研究結果は期待するほどはっきりしていません。
いくつかの対照研究では、アルニカを塗った場合と何も塗らなかった場合を比較しても、明確な差がなかったという報告があります。ビタミンKクリームについても、プラセボと同じくらいの効果だったという研究結果があります。つまり、塗って損をすることはないものの、劇的な効果を期待するのは難しいということです。
とはいえ、何かケアしているという心理的な安心感にはなりますし、保湿自体は肌に悪くないので、あえて使うのをやめる理由もありません。ただ、メイクで隠すのと比べて効果に大きな差があるわけではないと理解しておくとよいでしょう。
あざのレーザー治療はいつ検討する?
色付きのメイクでも隠しきれないほど濃いあざや、早く消したい場合はレーザー治療を検討することもできます。代表的なのはパルス色素レーザー(PDL、血管内の色素だけに反応する波長を照射するレーザー)やNd:YAGレーザーです。
これらのレーザーは、あざの部分に残ったヘモグロビンとその分解産物に選択的に反応します。熱エネルギーがその色素だけを的確に刺激し、分解と吸収のスピードを早める仕組みです。実際にこれらのレーザーが自然治癒よりもあざを早く薄くするという研究も積み重なっています。
ただし、レーザー治療はあざが非常に重い場合や、顔のように目立つ部位に残っている場合に選ばれることが多いです。ほとんどの軽いあざは、これまで説明したケアと時間だけで自然に消えていくので、本当に必要な状況でだけ検討すればよいでしょう。
レーザーを使ったからといって、その場ですぐにあざが消えるわけではありません。残っている色素の分解を早めるという考え方なので、施術後も数日は色が薄くなっていく過程を経ます。そのため、大事な予定やイベントが数日後に控えている状況で、時間を稼ぐ目的で活用されることが多いです。

クリニックに再度相談すべきケース
ほとんどのあざは2週間前後で薄くなり消えていきます。ただ、次のような場合は施術を受けたクリニックに改めて相談するのが安全です。
- あざの部分が時間が経つほど大きく硬く腫れてくる場合
- 痛みが時間が経っても和らがず、むしろ強くなる場合
- あざの周りの皮膚の色が白っぽく変わったり、著しく冷たくなったりする場合
こうしたサインは、単に血がたまっているだけでなく、血流に別の問題が起きている可能性を示していることがあるため、自己判断でのケアより確認を優先すべきです。
References
Korean Dermatological Association, American Academy of Dermatology (AAD), and Ministry of Food and Drug Safety (MFDS).
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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。
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