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ブルーライトによる色素沈着とコラーゲン損傷、原因とケアまで

By Dr. Lee1 min read

スマートフォンやパソコンの画面の前で過ごす時間が長くなり、ブルーライトという言葉も珍しくなくなりました。最初は目の疲れとの関係で知られていましたが、最近では肌への影響を示す研究も少しずつ積み重なっています。紫外線のように火傷を起こすことはないものの、波長が長いぶん肌のより奥まで入り込んでしまう点が違います。その奥で何が起きているのか、なぜ色素沈着やハリの低下につながるのか、順を追って見ていきます。

ブルーライトは窓ガラスも通り抜ける?

ブルーライトは目に見える光のうち、波長が400ナノメートルから490ナノメートルの部分を指します。青色光と呼ばれることもあります。太陽光にも含まれていますが、今の生活ではスマートフォンやパソコン、タブレット、LED照明の画面から出る人工的なブルーライトを浴びる時間のほうがずっと長くなっています。

一日の大半を画面の前で過ごす人は、日焼け止めを塗って室内にいても、ブルーライトにはそのまま晒されていることになります。紫外線のうちUVBは一般的な窓ガラスをほとんど通しませんが、UVAとブルーライトはガラスをそのまま通り抜けます。そのため室内の窓際や車の中でも、曇りの日でも、浴び続けていることになります。

ブルーライトはなぜ真皮まで届く?

光は波長が短いほど肌の表面で吸収されやすく、波長が長いほどより深くまで入り込みます。UVB(280〜320ナノメートル)は波長が短いため、ほとんどが表皮で吸収されます。一方UVA(320〜400ナノメートル)は波長がより長く、表皮を通り抜けて真皮まで届くため、しわやたるみといった光老化の主な原因のひとつとされています。ブルーライトはUVAよりもさらに波長が長く、同じように表皮を通り抜けて真皮にまで達します。真皮はコラーゲンとエラスチンが存在する層なので、そこまで光が届くこと自体が問題になります。

たとえるなら、UVBは玄関先で引き返す来客、UVAとブルーライトはドアを開けてリビングまで入ってくる来客のようなものです。より奥まで入り込むぶん、その中にある細胞やタンパク質に直接影響を及ぼす可能性が大きくなります。

真皮で起こる酸化ストレス

ブルーライトが真皮まで届くと、肌細胞の中にあるミトコンドリア(エネルギーを作る細胞内の小さな器官)で反応が起こります。細胞の中にはフラビンという物質があり、この物質がブルーライトを吸収すると活性酸素(細胞を傷つける不安定な酸素分子)が作られます。

活性酸素は金属を錆びさせる物質に近い性質を持っています。鉄が空気中の酸素とふれて少しずつ錆びていくように、細胞も活性酸素にさらされると細胞膜やDNA、タンパク質が少しずつ傷ついていきます。この損傷が積み重なると細胞が本来の働きをできなくなり、炎症反応や老化が早まることがあります。

このとき特に影響を受けるのが線維芽細胞(コラーゲンを作る肌の中の細胞)です。活性酸素にさらされた線維芽細胞は、コラーゲンを作るスピードが落ち、増える力も弱まると報告されています。コラーゲンを作る工場そのものが疲れてしまうようなもので、時間が経つほどその影響が目に見える変化として現れてきます。

色素沈着はどうやってできる?

ブルーライトが色素沈着を引き起こす過程には、オプシン3(OPN3)というタンパク質が関わっていることが知られています。オプシン3はもともと目の網膜で光を感知するタンパク質ですが、興味深いことに肌のメラノサイト(色素を作る細胞)にも存在しています。

ブルーライトがこのオプシン3を刺激すると、メラノサイトは普段より多くのメラニンを作り出します。紫外線が引き起こす色素沈着とは別の経路のため、日焼け止めだけでは完全には防ぎきれません。肌の色が濃い人ほど、この反応がより強く現れると報告されています。

実際に目に見える変化としては、茶色いシミや肌全体のくすみとして現れることが多いようです。特定の一点にシミとして現れるというより、画面を長く見つめる顔全体にじわじわと広がっていくため、気づくまでに時間がかかる傾向があります。

青色光(415nm)を浴びた肌には色素沈着が生じ、最長3か月残りました。同じ可視光でも赤色光(630nm)では色素沈着は全く起こりませんでした。画面から出る青系の光がとりわけメラノサイトを刺激するということで、この反応はアジア人に多いIII〜IV型の肌ではっきり確認されています。
青色光(415nm)を浴びた肌には色素沈着が生じ、最長3か月残りました。同じ可視光でも赤色光(630nm)では色素沈着は全く起こりませんでした。画面から出る青系の光がとりわけメラノサイトを刺激するということで、この反応はアジア人に多いIII〜IV型の肌ではっきり確認されています。

コラーゲンの分解とハリの低下

酸化ストレスが積み重なると、体はMMP(matrix metalloproteinase、古くなったり傷んだりしたコラーゲンを切り分ける酵素)をより多く作り出します。MMPはもともと古いコラーゲンを整理して、新しいコラーゲンが入るスペースを作る役割を担っています。ところが活性酸素が増えると、このはさみの働きが過剰に活発になり、新しく補われるコラーゲンよりも切り取られるコラーゲンのほうが多くなってしまいます。

その結果、肌を支えていたコラーゲンとエラスチンが徐々に減り、ハリが落ちて小じわが増えることがあります。紫外線による光老化と方向性は似ていますが、画面の前で毎日少しずつ積み重なっていく点が違います。

柱が少しずつ細くなっていくビルを思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。一度に崩れることはありませんが、柱を作る材料が毎日わずかずつ削られていけば、時間とともにビル全体がたわみ、揺らぎやすくなります。コラーゲンも同じで、一日一日の変化はわずかでも、それが数年積み重なると肌を支える力そのものが変わってきます。

夜に画面を見ると睡眠にも影響する?

ブルーライトは肌だけでなく、体内時計にも影響を及ぼします。ブルーライトを長時間浴びると、メラトニン(眠りを促すホルモン)の分泌が減ってしまうためです。本来、体は日が沈んで暗くなるとメラトニンを増やして眠る準備を始めますが、明るいブルーライトが目に入り続けると、まだ昼間だと錯覚してしまいます。

睡眠が不足したり浅くなったりすると、肌の再生にも影響が及びます。肌は眠っている間に細胞の修復とコラーゲン合成が活発になりますが、睡眠の質が落ちるとこの回復過程も一緒に遅くなります。結局、夜遅くまで画面を見る習慣は、肌にも睡眠にも二重の負担をかけていることになります。

同じ明るさの光を6.5時間浴びた場合、青色光(460nm)は体内時計を約3時間遅らせ、緑色光(555nm)は1.5時間にとどまりました。メラトニンが抑えられる時間も青色光の方が2倍ほど長く続きました。夜に画面を長く見ると寝つく時間がずるずる遅れる理由がここにあります。
同じ明るさの光を6.5時間浴びた場合、青色光(460nm)は体内時計を約3時間遅らせ、緑色光(555nm)は1.5時間にとどまりました。メラトニンが抑えられる時間も青色光の方が2倍ほど長く続きました。夜に画面を長く見ると寝つく時間がずるずる遅れる理由がここにあります。

ブルーライトの曝露を減らす方法

まず浴びる量そのものを減らすことが、最初にできる対策です。次のような方法が役立つとされています。

  • 画面の明るさとナイトモードの活用: スマートフォンやパソコンのナイトモード(ブルーライト軽減モード)をオンにすると、画面から出るブルーライトの波長の割合が減ります。光の波長構成そのものが変わるため、浴びる量が減る仕組みです。
  • 画面との距離を保つ: 画面を目や顔から少し離すだけで、肌に届く光の強さは弱まります。光は距離が離れるほど密度が急激に下がるためです。
  • 酸化鉄配合の日焼け止めを使う: 一般的な日焼け止めは紫外線は防いでも、ブルーライトの多くはそのまま通してしまいます。酸化鉄(iron oxide)を配合した製品は可視光線の領域もあわせてブロックしてくれるため、画面を見る時間が長い日には助けになります。
  • 抗酸化成分を取り入れる: niacinamide、vitamin Cといった抗酸化成分は、ブルーライトが作り出した活性酸素を中和するのに役立ちます。酸化反応が広がる前にあらかじめ防御ラインを作っておくようなものです。
  • 就寝前の画面使用を減らす: 寝る1〜2時間前から画面の使用を控えることが、体内時計を整えるのに役立つとされています。メラトニンの分泌が正常なリズムに戻る時間を確保することになります。

すべての習慣を一度に変えるのは難しいものですが、このうちのいくつかだけでも続けていれば、積み重なる浴びる量は目に見えて減っていきます。

References

Korean Dermatological Association, American Academy of Dermatology (AAD), and Ministry of Food and Drug Safety (MFDS).

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診療を行う美容医師が執筆しており、一般的な教育目的です。個別の医療アドバイスに代わるものではありません。

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